KSYRIUM 125のインプレ23万の価値はあるのか

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MAVICが創業125周年を迎えた。その125周年記念としてKSYRIUM 125が発売された。早速、世界限定6000台というホイールを自費購入して試した。一体KSYRIUM 125を乗った感想はどうだったのか。そして既存のKSYRIUM SLRと何が明確に違うのだろうか。その性能と乗り心地を確かめていく。

MAVICは数多くの名作ホイールを出してきた。同社は数々のテクノロジーを生み出し、125年経った今も数多くのサイクリストに愛されている。特に技術的な面は古くから完成されており、組み方がブレないホイールメーカーとして知られている。またトラコンプや、エグザリットといった独自技術からも、同社の技術力を伺い知ることができる。

なお、今回KSYRIUM 125に使用した機材は以下のとおりだ。私自身も機材の一部である。本機材(私)は一応恥ずかしながら目立った成績はないが、実業団のE1でヒラヒラと走っている。

  • フレーム:S-WORKS TARMAC SL4 49
  • クランク:DURAACE FC-9000
  • ライダー:169.7cm, 58.5kg, FTP291W(GC参考値)
  • 比較ホイール:WH-RS21, ROVAL CLX40, LIGHTWEIGHT G3
  • 全ホイールのタイヤ空気圧:7.0BARに統一

では、チーム練習でかかりを確かめ、大阪の十三峠で登坂性能を感じ、山の下りでエグザリットの感触を確かめ、平坦基調の周回においてリムハイトが高くなったエアロ効果を感じてみた。その全ての結果を記したいと思う。

なお、本記事は1万文字を超えているので目次をつけている。前半は感覚的な事、後半は機材の特徴と分けている。

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KSYRIUM 125はSLRと別物か試乗インプレ

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KSYRIUM 125に乗り感じたことは、Ksyrium SLRのマイナーアップデートではなかったという事だ。全く別物になっている。

具体的に言うと乗り心地がKSYRIUM SLRと異なっている。私のような素人でも乗った瞬間にかかりの良さや、安定性を感じられる。今まで乗ってきたKSYRIUM SLRと明確に乗り心地が違ったのには驚いた。そう感じた理由は何なのだろうか。

KSYRIUM 125のかかりの良さはタイヤかリムか

この違いの原因は、MAVICがホイールとタイヤを総合的に考える施策、ホイールトータルシステム(以下WTS)にあるのではないかと推測している。前作のKSYRIUM SLRもWTSであったが、タイヤサイズが23Cであった。今回KSYRIUM 125に搭載されているタイヤは、初めから前後25Cなのである。これには驚いた。

当ブログの記事で、今でもアクセスが多い『25Cと23Cを比較転がり抵抗が小さいタイヤはどちらか』の記事。この中で紹介させて頂いている内容で、タイヤの変形量で転がり抵抗が変わることがわかっている。今回MAVICはKSYRIUM 125に対して開発したと思われる新しいトレッドパターンのタイヤは25Cであり、密かに取り付けられ投入されているのだ。

そしてKSYRIUM 125は新技術により、リム全体を削り、軽量化が図られ、外周の重量が軽くなった。ただ、タイヤが25Cになると当然重量は10~15g程重くなってしまうが、その分を考慮しても、SLRより重くなったと感じることはまずない。むしろ、WTSというトータルでホイールバランスを考えるMAVICの思惑を初めて直に感じられた。

KSYRIUM 125は硬いのか

「硬くて足に跳ね返ってくる」というフレーズがある。雑誌やインプレで使い古された、良いようにも、悪いようにも取れる便利なフレーズである。実際に使ってみてホイールが硬いのか、フレームが硬いのかは判別付かない。しかし少なくともKSYRIUM 125を使ってわかるのは「硬いけど跳ね返ってこない」と表現できる。

跳ね返ってこないなら、どうなるのかというと推進力に変わっている感覚が得られる。私がいつも夜練習する周回コースでの出来事だ。この周回コースは既に何百周もし、どれくらいのスピードで曲がるとどれくらいグリップするのかや、かけた時の伸び方等はおおよそ体に染み付いている。

あるホームストレートでおもいっきりもがいた。そこでわかった特徴は「リアがまったく跳ねない」だ。乗り方もあるが、ベッタリ(かと言って抵抗に感じない)とグリップしながら伸びていく。なにと比べて跳ねないのかというと、KSYRIUM SLRに比べてである。ただ、実のところホイールの性能というよりも、タイヤの性能のほうが大きいのではないか?と正直に言いたい。

KSYRIUM SLRに付いているタイヤはContinental GP4000S 23C、他にもはねたホイールとしてWH-RS20に付いているタイヤはPanaracerのRaceD 23Cだ。このタイヤ幅が明らかに影響していそうだ。もし可能ならばSLRに25Cのタイヤを付け、同一条件下でもがけば違いはより明確に判別可能だろう。

この場で感じたのは、路面をグリップしてロスがないこと、カカリの良さを実際に感じた。これは嬉しい性能であった。それがタイヤにしても、ホイールのリム性能にしても、SLRと違うカカリ方をしてくれたので「なんじゃこりゃ」と独り言を言いながら走っていた。

KSYRIUM 125はなぜ走ると感じるのか

「走る」という感覚は人によって異なると思う。私の言う「走る」はLinear(リニア)な加速が得られるた時の感覚である。”1″という入力をクランクに加えた時、”1″ホイールが走ってくれたという感覚(非常に曖昧であるが)を「走る」と表現したい。

私はどちらかと言えば、ゼロ発進から加速していく時に「走る」と表現する場合が多い。

対して、ROVALのCLX40という40mmカーボンクリンチャーの場合は初動の加速がリニアな加速ではない。”1″入力したら初めは0.8の加速、次は0.9、次は1.0と徐々に加速していく。要するに、立ち上がりのカカリの良さに秀でているのがKSYRIUM 125といえる。

具体的にKSYRIUM 125の何の「部品」が走ると感じているのかは、正直に言うとわからない。おそらく一つ一つの1%の改善の積み重ねが、1つの結果(KSYRIUM 125)としてホイールの性能に現れているのではないか。1%が何に当たるのかは、KSYRIUM(ES,SR,SLR….)の度重なるアップデートの賜物だろう。

1%の積み重ねといえば『凡人が才能のある人に勝つためにやるべき1%のこと』が意外な反響をいただき驚いている。今回の記事には関係ないが時間があれば読んでみてください。

KSYRIUM 125はあのホイールに似ている

初代のフルクラム レーシングゼロに似ている。今でも良いデザインとホイールだといえる。ただ似ていると言っても厳密には私の感覚の範疇を出ない。あのレーゼロ独特の硬さそのままに、リム外周部を軽くした、そんな感覚とだけしか言えない。

レーシングゼロはややボテッとしたそんな重みがあったが、どこかシャマルウルトラよりもかかりの良さを感じた。リアの組み方にもよると思うが、立ち上がりが連発するレースで使うなら、レーシングゼロだなという印象である。そのかかりの良さに、軽さが加わった点が似ていると言えば、少しは伝わるだろうか。

KSYRIUM 125の悩ましい点

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実際には「改良」であるが、もしかしたら一部の人の印象が悪く受け止められるかもしれない点を幾つかあげたい。改悪というと悪くなったイメージだが、しかし人によってはプラスに受け入れられる点を今から記すので「参考情報」として目を通してほしい。

KSYRIUM 125のエアロ効果は感じない

エアロ効果は残念ながら感じない。発表時売り文句として紹介され、改良されたとされるリムの空力特性は、過度に期待しない方がいいだろう。

リムはISM 4Dという全体を削り軽量化する新方式になった。そしてリム幅を広げた。これに伴いタイヤも25Cとボリュームアップしている。人によって様々な観点で自転車機材の見方があるが、どうもフロントホイールの25C化は「前方投影面積」が増すので、嫌う人も世の中にはいるようだ。

確かに乗車してふとフロントホイールに目をやると太い。タイヤ自体の太さもあるが、リムの内幅もボリュームアップされており、ビードとビードの間の幅は広がり余計に太く見えている。この点がシリアスなサイクリストにとってプラスと取られるか、転がり抵抗との代償と捉えるか意見が別れるだろう。

ただ、エアロ効果を気にするなら、乗車姿勢を低くしたり、下ハンドルをもつ癖をつけるなど、人間側のエアロ効果を追求した方がよっぽど効果的だと私は考えている。

KSYRIUM 125のハブの塗装

先代のKSYRIUM SLRのハブは、エグザリットの黒と合わせてハブも黒であった。ほぼ同一の塗装をハブに施していたが、今回KSYRIUM 125のハブは黄色の塗装で塗られている。125周年のアニバーサリーという意味で、確かにMAVICカラーの黄色というプレミアム感はあるが、黒よりも汚れが目立つ。

単純に、ホイール単体としてKSYRIUM 125を見た時に(記念品は考慮せず)ハブもエグザリットの黒にしてスポークだけKSYRIUMっぽく黄色で良かったのでは?と思うが、ただそれでは125周年感が無くプレミアム感もない。

それでは魅力も薄れ、売れないだろう。汚れは定期的に落としてプレミアムな黄色いハブを楽しんだほうが良さそうだ。

なぜリアスポークはフルジクラルではないのか

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リアのNDS(スプロケの反対側)のスポークは、トラコンプと呼ばれるカーボンスポークだ。このスポークは各種テストでも「最悪」なエアロダイナミクスの結果を出している。ホイールのスポークは、自転車の速度の倍のスピードで空気を切り裂いている。

スポークは非常に抵抗が大きい部分であり、ホイール選びに熱心なサイクリストが非常に気にする点だ。「サイクルサイエンス」誌で細かく説明が有ったが、自転車で非常に乱流が発生する箇所は膝下の上下運動による乱流らしい。この乱流がダイレクトにリアホイールに影響を及ぼす。

だからディスクホイールなんて飛び道具があるのだが、KSYRIUM 125の場合はリムに隠れないNDS側にこのトラコンプの太いスポークが張り出している。この部分もジクラルにして欲しいのだが、何か理由があるのだろうか。ヒントを持っている方は教えて欲しい。

今年実業団やホビーレースで勝ちまくっているライター浅野氏も、KSIRIUM SLRについて同様の話をしていた。

以上が使ってみて感じた感覚的な部分のインプレッションである。では次にホイールの構造や付属品、リムやタイヤの特徴についてフォーカスして構造的な部分を見ていく。

KSYRIUM 125の特徴 インプレ

明確な改良点は当ブログの「KSYRIUM 125発表 SLRより軽量」でも載せているが再掲しておく。

  • リムの再設計
  • リムハイトの変更
  • リム幅の変更
  • タイヤは25C化
  • スポーク長の変更?

冒頭でも述べたが構造的にも乗り心地的にもKSYRIUM SLRのマイナーチェンジかとおもいきや、全く別物である。具体的に何が違うのだろうか、それぞれの要素を見ていく。使ってわかるのは一つ一つの改善が今回のKSYRIUM 125の性能の良さを決定付けている。

KSYRIUM 125のリム

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KSYRIUM 125のリムはKSYRIUM SLRから大幅に改良された。1から再設計されており、SLRとは別物として生まれ変わっている。MAVICの本気を感じる。以前発売されていたKSYRIUM K10はリムサイドを削り軽量化していたり、R-SYS SLRも同様にリムサイドを削る方法で軽量化を図っていた。

KSYRIUM 125で盛り込まれている技術について見ていく。

ISM 4D

MAVICは独自のリム加工切削技術ISM 3Dという技術を持っている。ISM 3Dとは「インタースポークミリングスリーディメンション」の略称だ。ISM3Dはリムを軽量化を目的としている。各スポークホールの間とサイドウォールを切削している。

KSYRIUM 125では新たにISM 4Dに生まれ変わった。ISM 3Dで見られたMAVICが得意とする切削の加工ではなく、リム全体を軽量化し丸みを帯びた加工になっている。この形状によりリム自体の剛性が高められている。

KSYRIUM 125とSLRのリムハイトの違い

KSYRIUM 125はフロントリムハイトを3mm高くしている。あわせてリアは1mm高くしている。これにより空力特性に寄与しているというが、実際にはあまり感じられない。それよりも、タイヤのビードとビードの間に余裕が生まれ太いタイヤも形状を損なうことなく取り付けられる。

  • Ksyrium SLR F22mm/R25mm
  • Ksyrium 125 F25mm/R26mm

実際にタイヤが太くなればボリュームも増す。今後リムの外幅、内幅は広がって行くだろう。

EXALITH(エグザリット)加工とは

エグザリット加工とは、アルミリムに施す特殊処理技術のことだ。具体的な処理方法はアルミリム自体を特殊な溶剤に漬け込み、リム表面に化学反応を起こす。結果、耐摩耗性と強度の向上を生む。この表面の強度の向上はリム剛性の向上と置き換えられる。

エグザリットの特徴は今までのアルミリムの考え方とは違う。自転車を制動する際、ブレーキをかける。ブレーキングという動作は、リムとブレーキシューの摩擦により自転車を制動することだ。この時に、リムのブレーキ面をブレーキシューで削り制動するための摩擦を発生させる。

通常のアルミリムは摩耗し劣化するが、エグザリットの場合ブレーキシューを削る。そうすることで、リムの形状変化をおさえる事ができ長寿命になると言われている。ただデメリットとしてエグザリットのブレーキシューは減りが比較的早い。

「ヤスリで消しゴムを削る様だ」とエグザリットが登場した時は揶揄された。ところがSLRでエグザリット2のブレーキシューを使ってみたが、驚くような減り方はしない。しかし、ブレーキシュー自体の価格も高いというネックがあり消耗品として手痛い点である。

KSYRIUM 125でブレーキ音はどうなたかというと、若干ではあるが小さくなったような気がする。私の場合SLRで使っていたブレーキシューを流用しているので、余計にそう思ってしまったのかもしれない。

MAVICホイールに見るスポークパターン

KSYRIUM 125はSLRの組み方を踏襲している。MAVICのホイールにおいて一番剛性が高いと予測している組み方だ。KSYRIUM 125のデーターではないが、KSYRIUM SRのテスト結果から如実に数値として示されている。

以下の内容は以前も紹介した、ドイツの機関誌「TOUR MAGAZINE」の2011年4月号のデーターだ。ある条件下におけるMAVICホイールの横剛性値を紹介されている。下記のデーターはMAVICホイールだけであるが、他のホイールと比べても特にKSYRIUMは高い横剛性を有していることがわかる。さらに、Mavicのホイール自体が高剛性傾向にある。

  • Mavic Cosmic Elite:F65 / R51 N/mm
  • Mavic Ksyrium Elite:F53 / R50 N/mm
  • Mavic Ksyrium SR:F51 / R58 N/mm

キシリウムシリーズのDS(ドライブサイド:スプロケット側)の組み方はモデルで異なり、構成されるスポークとハブの構造から剛性値が異なっている。ここで、MAVICのホイールの組み方を備忘録的にまとめる。以下の通りハイプロはすべて組み方が同一だ。しかし、ロープロはある境目を持って明確に組み方が分かれている。

MAVICルホイールの組み方一覧

ハイプロファイルとは一般的に、リムが高いホイールを指す場合が多い。ロープロファイルは20mm-30mm前後のリムハイトが該当する。MAVICにもコスミックシリーズとしてハイプロファイルの製品、ロープロファイルとしてKSYRIUMやAKSIUMがある。それらのスポークパターンを下記の通りだ。

  • COSMIC CARBON ULTIMATE: RIM47mm、DS/NDS特殊構造
  • COSMIC CXR 60 C: RIM60mm、DSタンジェント、NDSラジアル
  • COSMIC CARBON 40T: RIM40mm、DSタンジェント、NDSラジアル
  • COSMIC CARBON 40C: RIM40mm、DSタンジェント、NDSラジアル
  • COSMIC SLE: RIM52mm、DSタンジェント、NDSラジアル
  • COSMIC SLS: RIM52mm、DSタンジェント、NDSラジアル
  • COSMIC ELITE S: RIM30mm、DSタンジェント、NDSラジアル
  • R-SYS SLR: DSタンジェント、NDSラジアル
  • R-SYS: DSタンジェント、NDSラジアル
  • KSYRIUM 125: DSタンジェント、NDSラジアル (←NEW!!)
  • KSYRIUM SLR: DSタンジェント、NDSラジアル
  • KSYRIUM SR: DSタンジェント、NDSラジアル
  • KSYRIUM SLS: DSラジアル、NDSタンジェント
  • KSYRIUM ELITE S: DSラジアル、NDSタンジェント
  • AKSIUM S: DSラジアル、NDSタンジェント

上記のスポークパターンとリムハイトを確認すると特徴が見えてくる。上記の事実より剛性を考えてみると、MAVICのホイールは左右テンションの是正のために組み方を変えていると推測できる。構造(リムハイトとスポークパターン)で組み方が異なっているが、その特徴を以下のとおりまとめた。

  1. COSMICシリーズはDS側がタンジェント組である
  2. ロープロのノーマルスポークはDSがラジアルである
  3. ロープロのトラコンプ仕様はDSがタンジェントである

リアホイールのスポークテンションは、DS(スプロケット側)の方が高い。したがってスポークテンションの左右差を極力少なくする(是正)としたら、スポークの組み方と、スポークの種類が関係してくる。

理論的にDS側も、NDS側もタンジェントで組むのが剛性が高いとされる。この点を踏まえてMAVICのホイールにおけるスポークの組み方を見ていく。

それぞれの特徴を見ていくと、ハイプロファイルでドライブサイド側がタンジェントの場合リムは高くなる分、スポーク全長が短くなる。したがって長いスポークより、構成にもよるがホイール全体の剛性は高くなる傾向にあるといえる。

結果、リアホイールの左右スポークテンションの是正を考え、DS側はタンジェントにしていると書きたいところだが、コスミックシリーズはカーボンのフードをかぶせているだけの構造なので、実際のスポーク長はロープロと大差ないだろう(40Cを除く)。

次にKSYRIUMでDS側がラジアルの場合だ。リムは低く、その分だけスポーク全長が長くなる。したがって構成にもよるが、短いスポークよりは総合的なホイールの剛性は低くなる。左右の是正を考えてDSをラジアルにしていると推測できる。

KSYRIUM 125のスポークパターン

問題はこのSLRや125のスポークパターンだ。ロープロファイルのトラコンプがNDS側も側で、ジクラルがドライブサイド側のタンジェントだ。なぜDS側を高剛性になるタンジェントにしたのか。理由はトラコンプのカーボンスポークにあると考えている。円柱のスポーク自体剛性が高いため、DSもタンジェントにしているのではないかと推測できる。

先ほど「NDS側もジクラルスポークにしたらどうか」と書いたが、もしかしたらジクラルにしてしまった場合、左右のスポークテンション差が大きく出てしまうのではないだろうか。そのためNDS側はトラコンプにし、左右差を無くし程よい剛性を確保しているのではと推測している。

先ほどのTour紙でKSYRIUM SRの剛性は58N/mと抜きんでていた。MAVICにおけるロープロファイルクリンチャーで一番剛性が高いスポークパターンの構成は、トラコンプ仕様のDSタンジェントといえるだろう。そう考えると、TOUR紙の数値データも結果も頷ける。

KSYRIUMのスポーク長について

備忘録的としてあまり書かれることのない、KSYRIUMシリーズのスポーク長をここでまとめておく。余談だが、キシリウムのスポークはルーマニアで製造されている。KSYRIUM SLRのリアホイールのドライブ側スポーク1本あたりの重量は、ニップルを含めておよそ6gである。

また、フロントのスポークはKSYRIUM SLR/SLとそれぞれ共通である。重量はリアよりも1g重い約7g(ニップル含む)である。なおフロントスポークの長さは285mmだ。

  • KSYRIUM SLR/R-SYS SL Driveside: 294mm
  • KSYRIUM SL 2011 Driveside Rear: 275mm
  • KSYRIUM SR Driveside Rear 294mm
  • KSYRIUM SL 2008 Driveside Rear: 278mm
  • KSYRIUM ES Driveside Rear: 278mm
  • SLR/SR/SL front wheel 285mm

このように「KSYRIUM」と一括りにしても、年代やモデルでスポーク長が全く異なることがわかる。KSYRIUM 125はフロントとリアそれぞれリムハイトが高くなっている為、スポーク長は短くなっているかもしれない。

KSYRIUM 125の実重量

気になるKSYRIUM 125の実測重量を見ていく。カタログ重量は1370gである。海外のホイールに共通している事だが、重量詐称(個体差が大きい)はこなれたものだ。事実KSYRIUM SLRのカタログ重量は1400gとあるが実重量は1441gであった。

KSYRIUM 125はカタログ重量は1370gである。では実際に計測した重量を確認する。

  • KSYRIUM 125 フロント:615g
  • KSYRIUM 125 リア:792g
  • 合計:1407g

上記の通りやはりカタログ重量は、カタログ重量なのだ。約37g程前後セットで重い。恐らくリム重量は4DMで本当に軽くなっている。完組でリムが軽いのはWH9000 C24 CLの380-390g台、そしてキシリウムプレミアムの390-400g台である。

おそらくこのあたりのリム重量が、信頼性や組み上げた際の素材自体の剛性確保を考えた時にギリギリの値なのだろう。

まとめ KSYRIUM 125は22万の価値があるのか

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世界限定6000セットのみ販売されたKsyrium 125は国内価格22万(税別)である。本当にそこまでの性能があるのか。中古であればZippやコリマのカーボンホイールが買えてしまう値段だ。極論を言ってしまえば、SLRから買い換える程でもない。ただ、今後25Cのタイヤパフォーマンスをフルに引き出したいならリムが変更されたKsyrium 125は買いだと言える。

ホイールの評価は難しい。苦しみながら買いた。なぜなら、今使っているホイールの相対評価になってしまうからだ。今回、私の場合Ksyrium SLRを元々乗っていたので、SLRと比較した乗り心地と読み取って欲しい。それがKSYRIUM 125について知りたい人の判断材料になればと思う。

最後にここまで記載したKSYRIUM 125のまとめを記す。

  • リムは軽量化され1から設計し直された
  • リムハイトは高くなり、幅も広がった
  • タイヤは前後新トレッドパターンの25C
  • 全体重量はKSYRIUM SLRより軽い。
  • 黄色のハブが汚れが気になるかも
  • 世界限定6000台
  • SLRから買い換えるほどでもない
  • SLRより下位グレードなら買い換えを考えても良い

今後予想されることがある。Mavicはもう少し時間が経てば必ずKsyrium 125を別の名前に変え、通常のプロダクトとして販売するだろう。今までもそのようなパターンは何度もあった。その際にはksyrium 125の改善点をアップデートしてくるだろう。

本当の買い時は、その時なのかもしれない。

本記事へのリンクは自由に行って頂いて構いません。125の話というよりは、Mavicホイールの構造とKsyriumのまとめ的な内容として記しました。非常に長いインプレでしたが、購入の際の判断材料にしていただけたら幸いです。