レーシングゼロ カーボンは魅力的なホイールかもしれない

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カーボンクリンチャーに対する今までの我々のイメージは良くなかった。どっちつかずで、あまり実用的でなくレースにも向いていないものだったのではないか。ところがGOKISOのカーボンクリンチャーがレースで結果を出すにつれ次第に市民権を得始めている。

しかし大手メーカーは積極的にカーボンクリンチャーの市場に参入してきていないが、マビックのC40やENVEのSMART SYSTEMのように次第に主要ホイールメーカーはカーボンクリンチャーに手を出し始めてきている。

そして2015年CampagnoloはBORA35のカーボンクリンチャーを、そしてフルクラムはレーシングゼロカーボンと、次第にカーボンクリンチャーに手を付け始めた。今回は定番アルミホイールで多くのユーザーから信頼を集めるフルクラムのレーシングゼロカーボンを詳細に見ていこう。

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RACING ZERO CARBONのリム

早速だが、気になるRACING ZERO CARBONの肝となるリムについて見て行きたい。元も子も無いことを言ってしまえば、リム以外は同社レーシングシリーズの機構を踏襲している。すなわち本モデルはリムが一番大きな注目ポイントであることは間違いない。ではどのようなリムなのだろうか。

スクリーンショット 2015-01-27 6.30.36

まずRACING ZERO CARBONのリムは前後共通のリムハイトとなっている。他のレーシングシリーズは前後リムハイトが異なっている。リムのモデルナンバーは「R0F-CRC01」と呼ばれ、リムの高さは29.0mm、リム幅は24.5mmだ。バルブホールの経は6.5mmとなっている。

このリムスペックを見て思うのはワイドリム化しリムは絶妙な高さの設計になっている。まさにオールラウンドに使えるリムハイトのクリンチャーホイールだ。

上記画像はフルクラムのオフィシャルスペアパーツリストから見つけたものだが少しおかしな点が有る。製品として紹介されているレーシングゼロカーボンクリンチャーのリムハイトは「30mm」である。しかしスペアパーツのリム断面図(なぜか紹介はされていない)を見ると「29mm」とある。

リムハイトを高く見せたいイメージの問題もあるだろうが正確な値はどうやら30mmではなく29mmのようだ。なぜこのような表記をしたのかは不明だが、このリムプロファイルに見覚えがある。レイノルズのATTACKのカーボンクリンチャーリムだ。そのリム断面は以下のとおり。

レイノルズ ATTACKと似ている件

rim-profile-attackスクリーンショット 2015-01-27 6.30.36

それぞれのリムを並べてみると上のようになる。レイノルズのATTACKのリムは、リムハイト29mmのリム幅25mm、内径17mmである。先ほどのレーシングゼロカーボンのプロファイルはリムの高さは29.0mm、リム幅は24.5mm、内径17mmであった。

先ほどフルクラムは1mm鯖読んでリムハイトを表記していたことを考えれば、双方のリム幅0.5mmの違いを差し引いても非常に酷使したリムとなっている。ここまで書いて何が言いたいのか察しがつくかも知れないがフルクラムレーシングゼロのリムは「レイノルズ製」ではないのかと疑っている。

レイノルズはシマノのカーボンホイールのOEM元と言われている。公式には表立って紹介はされていないがカーボンリムの製造に定評のある同社は高い技術で多くのカーボンホイールを送り出してきた。同社の開発に関する記事は「他社より6倍失敗例ある」レイノルズのカーボンクリンチャー開発者」を参照して欲しい。

レイノルズの密かなアップデート

本当にレイノルズ製のカーボンクリンチャーリムなのかは断言できない。またレイノルズのホイールを注意深く見てきた方は「今までのレイノルズのリムはスポークホールがあったのでは?」と思うことだろう。事実レーシングゼロカーボンはチューブレス仕様で展開されておりスポークホールが無い。

この仕組はMoMagシステムと呼ばれている。スポークの穴を排除し剛性を高めた構造であり、はめ合わせを確実にしてパンクリスクを軽減している。したがってレイノルズのリムではないかもしれない・・・、と思ったのだが2015年レイノルズのカーボンクリンチャーには気になるアップデートがなされていた。

2014年のATTACKリムはスポークホールがリム上に存在していたが、2015年のATTACKにはスポークホールが排除されている。すなわちチューブレス仕様のリムなのだ。こうなってくると双方のリムは非常に酷似していることになる。

ただ推測の域を出ないが、カーボンクリンチャーを作る技術がフルクラムにあるとは思えないし、いまさら研究開発をする手間を考えたら外注するほうが手間と時間を省ける。そこでカーボンクリンチャーを古くから手がけてきたレイノルズを使っても何らおかしくはない。

まとめ: カーボンクリンチャーの決定版になるか

Fulcrum Racing Zero Carbon wheelset (Pic: George Scott/Factory Media)

私が今まで見てきたカーボンクリンチャーの中でレーシングゼロカーボンのリムは一番軽いと予想している。レイノルズのATTACKリムは380gと言われている為同じくらいの重量だろう。ローバルのCLX40のカーボンクリンチャーリムは実測419gであった。50gも軽い30mmハイトのリムは非常に魅力的である。

確かにBORA35mmも良いが、このカーボンクリンチャーのリムは450gほどと言われている。既存のBORA35のパーツ重量を差し引くとこれくらいになるということだ。とするとレーシングゼロカーボンのリムハイト30mmは絶妙な高さと軽さを持っているということになる。

BORAクリンチャーについては「カンパニョーロボーラウルトラのクリンチャーはなぜ話題にならないのか」で紹介している。

380gと言えばマビックのキシリウムSLRのリム(390〜400g)よりも軽い。クライミング性能やエアロダイナミクス性能を兼ね備えた本ホイールはカーボンクリンチャー、いやクリンチャーホイールの決定版になりうるかもしれない。

長々と書いてきたがここで少し腰を折る話題を。価格は国内26万円だ。唯一の欠点は価格なのかもしれない(GOKISOよりは安いが)。ATTACKのリム単体が8万すること考えると妥当かもしれない。そして、カーボンチューブラーとクリンチャーを使い分けている方は一本化しても良いだろう。

カーボンクリンチャーの何に重きを置くかは人それぞれ異なる。ただ、定評のあるレーシングシリーズのリム軽量化版とあり、価格に目をつぶれるなら、オールラウンドホイールとして良い選択肢の一つであることは間違いなさそうだ。

Fulcrum – Racing Zero カーボンクリンチャーホイールセット