2015全日本選手権 約6時間の戦いを見届けて

全日本選手権。まさに日本における自転車選手の一番を決める大会だ。その距離は国内最長の約240km。およそ6時間にも及ぶ戦いが栃木県は那須町にて開催された。チームからはU23を含めて四名の選手が参加。またとない機会に帯同することにした。

やはり日本最高峰のレースということもあり有名な選手がゴロゴロしている。ジロデイタリアを走った石橋選手や、シマノレーシング、ブリヂストンアンカー、愛三工業と国内トップチームが集う。新城選手や別府選手の姿は見えないものの、普段のJPTのレースとは違う異様な空気感がある。

選手も関係者もナーバスになっていることは嫌がおうにも感じられるので、なるべく有名選手が居ても観客は当たらず障らずな感じ。

とはいうものの、チームから参加したてっちゃんやまつけんさんは至って普段通り。やっぱり元々プロツアー走ってた人たちは違うなぁ。まつけんさん、てっちゃんもフルタイムワーカー。普通に残業して、仕事してと要するにサラリーマンだ。

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レース前日

前日は新幹線で大阪から那須へ向かう。私はスペアホイールを持って行くことに。少しでも気と脚が楽になればと。ただ、前輪は他のホイールと違って振りが軽いので慣らし運転をしてもらう。前日U23が終わりコースオープンの後空気圧とホイールチェックの為に試走へ。

まつけんさんの体重や天候を考えてフロント7.10BAR、リア7.25BARで調整。おそらくライトウェイトのフリが軽すぎるので、キョロキョロさせないために空気圧低めで、初めは乗ってもらった。その後にやっぱり「なんかフロントが、、、」という事で一度フロントだけROVAL CLX TUに変える。

またホイールの感覚を確かめに試走へ。何十分か経って戻って来る間に0.1BARコッソリ減らす。私が使ってる空気圧ゲージはシクロクロスでも使ってた0.01単位で測れるやつなのでシビアに調整することに。本人には何も言わずROVALから元のLWにホイール交換。なんか良さげだったのでとりあえず空気圧は決まった。

コンペティションの場合は22Cだとあまり高く空気圧を入れすぎると、どうも硬くなりすぎて弾かれる。おそらくチューブがブチルでCORSA CXやextreamのようにラテックスじゃないからなのかな。空気抜けにくいのはいいんやけど。

クイックは重くてもイイから緩まないシマノのデュラクイックに。とりあえずスプロケはアルテグラの11-25に。まつけんさんが使っているホィールはROVALのDT11ハブでリアディレイラーが10Sなので、LWの11フリー(DT製)に1.85mmのスペーサーをかます。

できるだけメカトラが無くなるようにROVALと同じ環境を作れて安堵。この日はチームのみんなで監督オススメのイタリアンへ。

カーボローディング(選手もサポも)

この辺では有名らしい石窯のイタリアンへ。パスタやピザが大量に運ばれてくる。前日にこれほど食うとは思わなかった。少食の当チーム員に見せてあげたい。長丁場とわかっているので選手もサポートも食う。

結構食べたが、結構安かった。添加物も化学調味料も使っていないプレーンな夕飯はサイクリストにとって嬉しい。パスタもプレーンが良かったかもしれないが、それは酷だろう。みんな満足そうに帰宅。

補給の準備

補給はPOWERバーを中心にアミノバイタルの赤。そして経口補水液体 。これが一番効くそうな。確かにOS1は医療用にも使われてるそうで、吸収が早い。これが重宝されるとはなんとも過酷な競技だと認識する。

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後半にこのアミノバイタル赤を貼り付ける。前半はカロリーのあるパワーバーを。

慣れたもんでサクサクゼッケンをつけて就寝23:00。こんなに補給食べるんかと思いつつ(結局当日全部なくなった)寝る。

レース当日

7:00着。雨予報だが良い方向に外れ曇り。これなら選手も干からびずにボトルもあまり交換しなさそうだ。とりあえず、コーラーと冷やした氷を詰め込んで補給エリアへ。この補給エリアが狭すぎて大変。西日本位の道幅があればええんやけど、普通の二車線。狭くてカオス。

チームはボトル取れない時のことを考えて三箇所に散らばる。ただ、プロチームの邪魔になってはいけないので、配慮しつつ補給エリアを使わせてもらうことに。シマノレーシングさんとブリヂストンさんの大御所に挟まれ、なるべく邪魔しないように恐る恐る補給をする。

ただ、双方のチームとも補給は慣れたもので淡々と渡して行く。私はなれずにはじめの周回失敗。凹む。ボトルにはビニールテープで補給食を巻きつけておく。にしても、すごいスピードで受け取ってくプロ選手はやっぱりすごい。

あまりのスピードにサコッシュの紐が引きちぎれる事があるほど。ビビる。

また一人、二人減っていく

展開などはUSTREAMやシクロワイヤードのテキストライブを参考にして欲しい。ここに書くのはホント裏方の話。現場で初めて知ったのは、補給エリアの人がだんだん少なくなってくるということ。どういうことかというと、足切りで選手がDNFになれば、補給者も要らなくなる。一周目の足切り1分と元々厳しいレースだ。

だんだんと減っていく選手と、補給エリアのチームを見つつ祈るような気持ちでマツケンさん、てっちゃんの走りを見る。サラリーマンといえばイナーメの高岡さんや中村さん、森本さんも良い位置で巧みに走り、やはり凄さを感じる。

補給をもらわない時は落車を避ける(補給エリアではひじょうに多い)為に逆サイドに避難したりと、やはり頭脳を使ってトラブルを最小限にしながら走っている。考えて走るのだなという印象。なんだかもう見ていてうますぎて補給するのを忘れる。

そんなサラリーマンフルタイムワーカーサイクリストが走る中、プロ選手が一人二人と150kmを過ぎたあたりからか切れ始めて行く。前年のチャンピオン那須ブラーゼンの佐野選手も降りたのは衝撃的だった。そんな厳しいレースも終盤に差し掛かると補給が足りなくなってくる。

補給を渡そうとするが、サコッシュが無い。困って昨年一緒にJETを走ったホンダ栃木さんに聞いてみたところ一つ頂けることに。本当に助かりました。ありがとうございます。次のレースでお礼させていただけたらとおもいます。

自転車競技ってなんか良い。

最終周回

最終周回JPTのチームに混じりクラブチームの選手は見る限りマツケンさんだけになった。大阪では皆がUSTREAMにかじりついている様子。名だたる有名プロ選手がパラパラとちぎれ始める。最終周回明らかにペースが上がる。マツケンさんは10秒離れた集団で辛そうにもがいている。

200km以上走って、あれだけ最後にもがくって同じ人間とは思えない。先頭はブリヂストン、シマノ、愛三工業、NIPPOの中にサラリーマンのクラブチーム員がいる。あのアタック合戦の中、そして240kmに及ぶこの最終周回まできたら、もうそういう次元の話は不要なのだと。

ここに残るということだけでも凄い。今目の前で日本のトップを決めるために争っている。

ガラパさんが伝えるアナウンスで観客がざわつくのがわかる。シクロクロスでいつも聞く声とはまったく違う、トーンが低く硬いものを噛むような口調。全日本はやはり観客も選手も運営サイドも空気感が違う。残り数キロで先行していた14名のタイムギャップは縮まり最後の登りへ。

窪木選手が五秒差を保ち優勝。

ゴールした瞬間、顔がこわばっていたが私の前を通り過ぎる時に顔の筋肉が緩み、安堵の表情になっていたのが印象的だった。ゴールを切った後の放心状態から我に返ったのだろう。多くの選手に惜しみない拍手が送られる。

まつけんさんは、イナーメの森本さんと並びながらゴール。その後に今年ジロデイタリアを走った石橋選手や有名なプロが続いてくる。サラリーマンでもプロセスとやり方、続ける努力はこの位置、この全日本で走れるようになるのだなと感動した。

俺氏、号泣。

私は素人ホビーレーサーながら今後の取り組み方や考え方を考えさせられるレースだった。マツケンさんは私よりも何才も年上。そして仕事も金融系で半端なく忙しい。さらに息子さんが生まれたばかりで時間の確保も容易でない。

はて、いままで何してたんだろうか。身近にこんな強いリーマンが居て練習できる環境は感謝せねばなるまい。

いろんな話をしながら、那須塩原駅を16:41に出発する。大阪20:45着、近いぞ那須塩原。サラリーマンの昼飯何倍分の駅弁食べながらパワーデータを眺める。

5時間56分、アベレージパワー240W、距離234km。

あぁ、まさに変態頂上決戦だったのだな。私が全日本に出ることはないが、選手の一番近いところから見た最高峰のレースは自転車競技の辛さと奥深さ、人間臭さを教えてくれた。あんまりスポーツ見て感動はしないけど、残り2周位から、プロが必死に走る姿と、それに混じるチーム員の姿にうるうるしてしまい、サングラスが必須だった。

六時間がこれほどまでに短く感じられたのは初めての経験であった。

そして、やっぱりプロすげェと思ったのは最終周回の土井選手、畑中選手の動き。そして窪木選手への連携。やっぱりプロすげェなと。これはなかなか伝わらんかもしれんけど。やっぱりプロすごい。実況とUSTREAMで鳥肌立った。
全日本を走られた選手の皆さん、サポートのみなさんお疲れ様でした。素晴らしいレースをありがとうございました。

来年は関西で全日本やらないかなぁ。関西方面もいいところいっぱいあるんだけどな。熊野とかいいかもね。裏方で見たレースは、やっぱり自分も早くなるために努力せなあかんな、と思わされる良い刺激になった。来週の西日本へむけて頑張ろう。

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