コータロー兄貴の強さとグルメライド詐欺の相関関係について

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昨日メンバーに向けてこう言ったはずだ。「エルバ工房に行きます。」と。いつもの時間よりも前倒し集合して我々は出発した。前日に飲みまくって身体がかなりだるい。最後はメキシコ料理屋で、先輩サイクリストにテキーラ飲まされて帰宅した記憶がない程だ。

到着すると、なぜかディープホイールにDHバーのフル装備の人がいる。ああ、なるほど先頭引いて早く着く気の利いた装備なのかな、と安堵した。勝尾寺はみんなバラバラに。やはりタイムトライアルバイクのアドバンテージは登りでは重さが邪魔していそうだ。

第三ステージも様子がおかしい。グルメライドのはずなのだが着き切れしてしまった。まだまだ先は長いのに、皆オールアウト気味にもがいている。嫌な予感がする。もしや、今日も目的地にたどり着けずに終わってしまうのかとー。

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グルメライド詐欺の兆候

この日は前日220kmの練習を共にしたメンバーが何名か揃っていた。三軒ハシゴしたある若者はいつも通り酒抜けの良い肝臓を持っていた。全く二日酔いにならないそうだ。この時点で私には不利だ。高山に着くとエルバ工房に行くためのルートが練られる。

ただ、ある男がこんなことを言った。「メグミルク飲みたいな」と。いや、待って欲しい。今日はグルメライドのはずだ。一同は凍りついた。ようするに過酷な向かい風を相手にするメグミルク工場TT練だ。何も日陰のない道で16-17分ほどノンストップでもがける。

「いや、今日はそれはやめておこう」予定通りエルバ工房へ目的地を定めた。ところが、リハビリ中のマツケンさんは走りたくてうずうずしている。デカンショ街道で一本引きするも、ありえないペースを刻む。着き切れしそうになる。

マジでやめてくれと思いながら、踏み続ける。実際ドラフティングが効かないから、二列目はハズレだ。三列目がアタリ。ただ、始めからゴリゴリ踏むので後ろがインターバルかかってしまい、デカンショ街道の至る所に一人、また一人と散って行った。

園部のコンビニにつく。ほとんど皆力が残っていない。暑さにも負けそうだ。ここで、エルバ工房に行くかどうかを再検討することに。「よし!やっぱりメグミルクいこう!」

地獄の釜が開き始めた。

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メグミルクタイムトライアル

ルールを簡単に説明しよう。緩やかな起伏が続く平坦路をただひたすら走るメニューだ。あたりには豊かな田園風景が広がり、車の通りもほとんどない。あたりを見渡せば空が広く感じる。ようするに風をモロに受けるコースだ。

先行する集団と30秒差でタイムトライアルバイクのマツケンさんがスタートする。終着地点まで、逃げ切れるか、追いつくか、もはや当初の目的(グルメライド)を憶えているものはいない。ということで、監督のカウントダウンと共にスタートする。

初めは幸先が良かった。ただ、次第に人数が減ってくる。前回メグミルクを走った走行データーをこないだ、たまたま見ていたので展開を予想していた。25-30秒差あってもマツケンさんは追いつく。

理由はメグミルクの平坦路と向かい風にある。おそらく逃げる集団は向かい風で前に出るのが辛くなって人数が減る。速度は落ちて、だんだんとマツケンさんは詰めてくる。そのあと数キロが勝負だと普段の実業団のレースでは全く考えたことがない()緻密な展開を予想した。

13分ほど経った時にペースが落ちる。こうなると、追いかける側は走りやすい。その時は来た。横を通りすぎるタイムトライアルバイク。すかさず貯めてた脚でフルもがきで後ろに着く。5秒825W。あのローテから最後出せたのはまずまず。

並んで仲良くゴール。後ろを振り返るとメグミルク街道に無残な光景が広がっていた。そのあとは監督がご褒美にピザをご馳走してくれるとのことで、銭原へ。「おっきなカーブのところね、はいヨーイどん」まだメニューは続く。

ハンガーノックになってしまい、全く踏めない。耐える。ただ、ここで大きな間違いを犯してしまう。前を追うことに夢中になりすぎて、全力で通り過ぎてしまった。結局グルメスポットファミマへ。

平坦路や峠の辛い練習メニューは消化した。ただ、グルメなメニューはおろか、ピザすら消化できていない!まさに「消化不良」というやつだ。一行は疲弊しながらファミマで「抹茶フラペチーノ」を食べた。

グルメは終わった。あとは登りのない、平坦な川西へ抜けるだけだ。そう、ただ下るだけで何も面白みのない、ただの道だ。ストレスの溜まるトラックと巻き上げる粉塵が体を蝕む。

そんな思いをするくらいならー、と左を指差す「裏高山」へ。昨日の山頂ゴールだ。やるからには全力で登る。いよいよ最終決戦だ。

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コータロー兄貴の強さ

太陽が真上から見下すようにサイクリストを照らす。裏高山を登るサイクリストはただただ無力だ。この時間の登りは過酷を極めた。

もう登るのは嫌だが、やるからには本気で。登りでガンガンコータローさんがしかけて行く。強い。千切れそうになるが、そこで千切れたらこの日の練習全てが台無しになる。全力で応戦する。銭原で200W出なかったのに、入りで400W超えていた。

常時300W超えて登る。二人とももがく。横に追いついた後、左目をつぶった。視界に入ると揺さぶられる。踏み続けてゴール。やりきった、、と思ったら次は勝尾寺方面へ。上りのところで掛け合う。もうスッカラカン。

私は思った。なぜコータローさんは強いのかと。結論を先に述べると「何事も楽しく真剣に」だ。てを抜かないし、全て楽しむ。私が冗談で最後に辛く苦しい頂上ゴールに向かったことに「笑顔で歓喜」した。

サイクリストの思考は二つに分かれる。「まだやんのかよ、、」と「最後にやっちゃるで!」と精神的に前向きに追い込めるか。おそらく辛い最後の一本を出し切れるか、だしきれないかで強くなれるかが決まるのではないか。

体も精神も追い込める、走っていて楽しい兄貴だ。だから人の輪が広がって行くのだろう。来週は兄貴と秘密の山岳訓練にご一緒させていただく事にした。ぜひともその強さと山頂ゴールを味わって欲しい。

まったく、身近なおっさんたちは強すぎるぜ。来週はあと二時間早く涼しい時間に走りたい。ただ、グルメライドに行こうとなぜいうのだろうか?。おそらく「走るための口実」が欲しいだけだ。甘い餌におびき寄せて、走る。それでいいじゃないか。

強くなるために、いろんな人と練習する。この上ない楽しみの中で強くなれたら最高だな。さぁて、来週も「グルメライド」へ行くとするか。

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