どこに理由を置くのか

Photo: Kei Tsuji

最高にシュールな写真。ただし、あの辻啓さんが撮っているのだ。プロがとっているとあって一枚の中に様々なストーリーが見えてくる。シクロクロスのテープ、シャッターポイントで待ち伏せするカメラマン。向こう側には山並みの中に秋の終わりを感じさせ、合わせて次第に終わりを迎える私のコミカルなシケイン越えが垣間見れる。

写真は流れるように進む時間の中で、一瞬を切り取りとる。一枚一枚がシクロクロスを語る作品と言っていい。素晴らしい写真を見ながら、少し考えにふける。

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理由の重み付け

Photo: Kei Tsuji

レースが終わった時に自分が発したい言葉を注意深く読み取る。私の場合大抵は「自分に負けてしまった」という内在的な原因を口に出したいことが常だ。言い訳できない機材と、普段の出力も落ちてない所からみると、それ以外の要因に理由の重み付けをするのが当然である。また続けて選手から発せられる言葉にも注意深く耳を傾ける。

私がシクロクロスが好きな理由の一つに選手が選手がとても前向きなことだ。私がもう一方で嗜むある競技では言い訳がとても多い。「落車したから前に出られなかった」とかよく聞く。しかし、競技の質は違えど、ことシクロクロッサーは落車やあらゆる不測の事態に対して冷静に対処する。

文句も言わないし(中にはいるが)、むしろ巻き込まれなければシメシメと思っていることだろう。

Photo: Kei Tsuji

もしも競技が人間性を育むとしたら、私はシクロクロスやマウンテンバイクを子供に教えたい。安全性の面や、それらを取り巻く人たちの暖かさといえばシクロクロスはとても良い環境を与えてくれる。

人生は予測不可能な自体や、刻一刻と変わっていく情勢にテンポ良くすぐさま決断をしていかなくてはならない。シクロクロスも同じで刻一刻と路面変化や状況に応じて判断をしていく必要がある。行動一つにも、自分が下した判断が結果を左右していく。

Photo: Kei Tsuji

一つ一つの難関や、超えるべき課題に対して我々が下す理由は多岐にわたる。どれが正しいとも言い切れないし、もしかしたら他人は間違えた正しさを教えようとするかもしれない。ただ、その中にも理由付けと重み付けはこの瞬間瞬間も繰り返され、とめどない直線になる。

パラパラマンガのように一枚の絵の積み重ねは動きを作り出す。直線を生み出すある一部分を切り取れば瞬間であり、また連なれば一つのつながりに見える。

それら、直線の先には自分自身が下し続けた判断の結果が待っている。それらの結果は、もともとそこにあるべきものではなく、自分自身が下した決断によって作られる。一つの決断を生み出す理由をネガティブなものとするか前向きなものとするかもまた判断の中に委ねられるのである。

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