【書籍】世界一シンプルで科学的に証明された食事

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今回紹介する書籍「世界一シンプルで科学的に証明された食事」は、様々なエビデンス(臨床結果や科学的根拠)をベースに食事に関する有益な情報が紹介されている。私たちがめったに知る機会のない実際の臨床結果や科学的根拠がずらりと記されており、一昔前に流行した「糖質制限のその後」に関する研究結果も明確に紹介されている点が興味深い。

著者の津川氏は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の助教授で医師という経歴の持ち主だ。本書内では世界で発表されている膨大な数の医学論文から、根拠になっている情報をわかりやすく紹介している。一時期ブームになった糖質制限や、テレビでしばしば紹介される健康食や健康法は本当に効果があるかなど、様々なエビデンスを元にして真実がつづられている。

昨今の日本人は過剰ともいえるほど健康意識が高まっている。年齢問わず健康に関する話題が尽きる事はない。その影響からかテレビでも盛んに健康に関する情報が紹介されているし、書店に行けば「健康になりたければ◯◯を食べなさい」や「○○○を食べてはいけない」など「糖質制限で健康になる!」というたぐい(最近はこんなタイトルばかり)の本が無数に売られている。

本書はこれら玉石混交といえる情報に対しても、エビデンスを元にして効果がある、効果がない、といった明確なジャッジをしている。実験データーに基づいた解説は、説得力が違う。面白いのは「TVや書籍は視聴率と売上が目的です。そのためプロモーションや広告の為に誤った食事が紹介されていることに注意が必要です。」という消費者を食い物にするメディアにとっては少々耳の痛い話も記されている。

おやおや、まるでどこかの自転車業界の機材プロモーションでも似たような話を聞く。どの業界でもやっていることはあまり変わらないのである。ただ、本書では正しい知識を身に着けて理論武装する術を指南してくれる。詳しくは本書を読み進めて頂きたいのだが、本書内で触れられているからだに良い食品についてみていこう。

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からだに良い食品

エビデンスベースで健康に良い食品は以下の5つ。なお、何をもって健康に良いとするかの定義は本書を読んでいただきたい(健康とは何かが肝心だ)。

  • 野菜と果物
  • 茶色い炭水化物
  • オリーブオイル
  • ナッツ類

糖質制限について現時点で最も信頼性のある情報が記載されている。肝心なのは「どのような炭水化物を制限すべきか」であって「あらゆる炭水化物を摂取しない」ということではない。ここでいう「茶色い炭水化物」は玄米や蕎麦、全粒粉パンといった精製されていない炭水化物である。

対して白い炭水化物である、白米、パン、うどん、ラーメン、砂糖は体重の増加や糖尿病の危険性が増す。これらももちろんエビデンスをベースで紹介している。また一方で、健康に良いならば悪い食品もあるという話が続く。

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からだに悪い食品

以下は体に悪いデーターが得られた食事だ。豚肉はビタミンBが回復に良いと聞いていたが、エビデンス上では体にとって良くないデーターが得られている。

  • 赤い肉(牛肉、豚肉、ラム肉 ※鶏肉は含まない)
  • ハム、ソーセージといった加工肉
  • 白い炭水化物(精製されたもの)
  • バター、マーガリン、マヨネーズといった飽和脂肪酸

日本人の主食は白米である。しかし白米の悪しき面が明らかになった今でも、「白米を毎日食べましょう」という習慣を疑う人は少ない。「日本人だからと言ってコメを主食にしなくてもよい」と明確にエビデンスベースで解説している。国や関連機関はこれら白米が及ぼす体への影響を知らないわけがない。本書内でも触れられているが、一時期白米の食べる量を減らそうという取り組みを行っていたようだが「関係団体」から圧力が及んだらしい。

お偉いさんたちは事実を知りながらも「農家を助けるため」という別の目的のために、米をどんどん食べましょうという活動を進める。国が推奨するごはんの量を食べ続ければ、結果的には糖尿病を招きかねないエビデンスも衝撃的だ。そして白米に取り巻く「ロビイストの活動」といった利権がらみの問題にも触れており、立ち読みでも目を通しておくと面白いかもしれない。

事実から目を背け非科学的な前提に固執することをオカルトという。「日本人だからコメを食べる」「日本人の体だからコメが合う」といった根拠のないオカルト情報に対してもエビデンスベースの解説がなされている。世の中には「どうしてもコメを食べさせたい肯定派」がいる。ただエビデンスベースでNOを突き付けては、ぐうの音も出ない。もしも覆すのならば、「世界で日本人だけは白米に対して特殊な消化能力が備わっている」という実験データーを出すしかない。

わたしたちが当たり前だと思っていた事実は、より大きな力と権力でコントロールされている場合が多い。例えば牛乳がそうだ。戦後GHQが「牛乳飲料文化」を日本全国に普及させた。今では牛乳に関する悪しき面がしっかりと取り沙汰されているが、例えば森永や明治がTVスポンサーなら「数字が取れる健康情報」であってもお昼のワイドショーで牛乳が取りざたされることはない。

私たち一人一人の健康よりも、数字、利権、利益といった「あちら側の偉い人たち」の懐を肥やす都合の良い情報が今あふれかえっているのだ。それらに対して一つの防御策は「正しい情報を知ること」と「あふれかえる情報の取捨選択」である。そのためには本書は大いに役に立つ。

これら込み入った話以外にも、

  • 「地中海食」は理想的な食事
  • 妊娠中の食事
  • 高齢者の食事
  • 子供の食事

といった気になる食事に関する情報がエビデンスベースで明らかになっている。「食事は何が正しいかわからない」と悩んでいる人には、迷いや疑問をわかりやすく解決してくれる書籍と言える。食事に関する本は玉石混交だが、どれか一冊だけ読むのならシンプルかつ複数の科学的根拠に基づいた本書が、今最もお勧めできる1冊である。

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
津川 友介
東洋経済新報社
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