私の練習仲間からすれば、かなりの頻度で出入りしているカフェなので既知の情報だろう。ただし、このカフェは普段素通りしてしまいそうな場所にある。カフェマンナは私の練習コースの終わりに位置する有名なカフェだ。
何が有名かといえば、ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ2013決勝大会で準優勝した女性がひっそりとコーヒーを入れている。そこでゴールデンウィークに自転車に乗る機会があれば是非行って欲しい、カフェマンナを紹介しよう。
カフェマンナのすごさ
少しジャパンカップテイスターズチャンピオンシップについて説明しておく。2013決勝大会は、東京ビッグサイトSCAJ2013イベント会場内において行われた。惜しくも(ってもスゴイ)マンナのバリスタさんはわずか「コンマ数秒差」で準優勝のため世界選手権には行けなかったそうなのだ。
しかし我々ロードバイク乗りからしたら、決勝、世界選手権、コンマ差という言葉の意味が嫌でもわかるだろう。え?コンマ差って?コーヒーで?いや自転車乗りにとってはそのコンマ差が天と地との差であることは明白だ。ではその脅威の競技をご紹介したい
カップ テイスターズ チャンピオンシップでは選手ごとに8の問題が出題されます。この問題ごとに3つのカップが置かれており、3つのカップの内1つだけが違う産地のコーヒーが 入っております。この違う産地のカップを「カッピング」と呼ばれる手法を使って当てるのがカップ テイスターズ チャンピオンシップ競技です。
競技は各設問1分ずつ、計8分以内に正解した数が一番多かった選手が優勝となりますが、正解数が同じ場合は全問解答するまでにかかった時間が一番短い方が優勝となります。そのため1つのカップを5秒程度で判断するなど、スピード感が重要となります。
おそらく、場所が大阪市内へ出て来れば、たちまち有名店になることは間違いない。私は自宅でミルで豆を挽くほどのコーヒー好きであるが、いまだカフェマンナのコーヒーを超えるモノを飲んだことはない。練習帰りにマンナの豆を買って帰るのがレースのない休日の日課だ。
上の写真のようながっつりメニューもあるが、私は普段モーニングで済ます。
マンナはバリスタさんのモーニングは600円でパンとヨーグルトとサラダ、そしてコーヒーが付く。正直安すぎる。市内で食べれば1000円コースだろう。淹れるコーヒーはその日オススメのコーヒーを会話の中で決める。私は普段バリスタにお任せなのだが、オープンしてから四年も行き続けているとものすごい豆を出してくれる。
コーヒー好きならもはや説明不要のパナマゲイシャである。というより値段を見て欲しい。おわかりだろうか。パナマゲイシャなのに一杯が安すぎだ。。。というか、猪名川という場所とオーナーの国内での実績から豆が入りやすいのだろうか。オーナーは全国各地へコーヒーの指導者として招かれるほどである。
それもそのはず、店長の長田さんは日本で200人もいない「コーヒーの国際鑑定士」である。マジやばい。でここだけの話だが、競技で使う「決戦用」の豆ために仕入れたらしく、そのわずか少量をGW中お客様に楽しんでもらうということである。
我々サイクリストが好きな「決戦用」である、
正直、スタバなんてアホらしくて飲めなくなる程マンナでのむコーヒーはうまい。パナマゲイシャは昔スタバで一杯2000円、豆は10800円で売られていたアレだ。味はコーヒーなのに、まるでワイン。マンナでは1〜3月にとれた希少な豆を数量限定で飲める。多分ゴールデンウィークで無くなるだろう。
なにより嬉しいのは自転車が見えるところに停められることである。四年前オープンした時自転車仲間の口コミでそのコーヒーのうまさが瞬く間に広まった。店側もこんなに自転車乗りの人が来ると思わなかったらしい。恐らく、普通のこんな上質なコーヒー店なら嫌がるはずだ。
でも、マンナは違った。
ある時から、自転車ラックがひっそりと置かれたのだ。これは、私の自転車の先輩であるポッキーさんが提供したらしい。それを快く置かせてくれるマンナさんに敬礼である。そればかりか暑い夏は「ボトルに冷たい水入れていきますか?」とサイクリストの心をつかむ。
私は関西圏でここまで自転車乗りに優しく、日本の頂点を見てきた屈指のバリスタが淹れるコーヒー飲める店を知らない。私はそんなことを思い愚問であるがこんな質問をした。
「大阪市内へ店出さないんですか?その方がもっと人くるし。。」
店長は優しく応えた。
「猪名川のこのゆっくりとしたところで、美味しいコーヒーを入れたいんです。」
私のような利益優先、実績至上主義のような「もっと儲けろ、もっとだ!」のような腐ったサラリーマンの既成概念とは異なる崇高な考え方である。私は1人の練習でも毎回ここへ行っている。四年間も公に紹介しなかった理由はここにある。ワーッと自転車乗りが来て騒ぐ場所ではもともとない。
しかし、ジャージ姿でも快く迎えてくれるこの猪名川の隠れた名所はコーヒー好きを間違いなく唸らせる。もしも、車で行く場合も2台くらいなら止められる。コーヒー好きで自転車に乗らない奥さんを連れて行くのも良いだろう。
私はレースがない日は毎週通い埋めているが、行くたびに違う種類の豆を体験し新たな発見をしている。あれから四年が経とうとしているが、飽きやすい私の心を捉えて今でも離そうとしない。
カフェ マンナ
072-768-0220
兵庫県猪名川町万善字佐保姫86-1
私が行くときのルート
講談社
売り上げランキング: 743