power2max type-sの発売
2013年9月4日ユーロバイクで、power2maxの3世代目「power2max type-s」が発表された。2011年に私が日本で初めて輸入し、人柱インプレをしてから早くも三年目が経った。
当時、日本で販売されていなかったPower2Maxを初めてブログで紹介してから様々なパワーメーターを使ったが、いまでもpower2maxを使う苦労がよみがえり感慨深い。
その時の記事もpower2maxの関連記事の最初に有りますので、時間が許せば覗いてみてください。
今回、Power2maxの初期モデルで抱えていた、いくつかのデメリットが改良された。名称も新たになり「Power2Max Type-s」として登場する。モビスターがpower2max typesを採用し、そして今回世界販売と同時に、国内でも販売する運びになった。
Power2Maxの入手に苦労し、日本国内のノウハウは皆無、使うのにもひと苦労。書類を書いて海外送金。手のかかるパワーメーターだった。しかし得られたのは、誰よりも早く使い、試せたことだ。私の機材の中でも、特に思い出深いパワーメータがPower2Maxである。
その三世代目になったPower2Max Type-Sについて見ていこう。
power2max type-sの変更点
まずはわかりやすいように10つの改善点を並べてみよう。
- 三角バッテリーの廃止、電池差込形へ変更
- 外部LEDの搭載(状態確認ができる)
- 全てのチェーンリングに対応
- コンパクトモデルは-60gセンサーが軽量化
- コンパクトモデルは-84gセンサーが軽量化
- BB386evoフレームへの対応
- クランクCannondale SI, SISL, and SISL2の追加
- クランクSpecialized S-Worksの追加
- クランクSRAM S900 and Force 2014の追加
- クランクShimano 4-bolt 110mmの追加
現段階で発売のアナウンスはないが、モビスターのサポートをすることが決まっており、Campagnoloクランクにも対応すると私は予測している。しかし形状が専用のようで既存のクランクを流用することはできない。
その他、既存のpower2maxから踏襲されている点も復習しておく。
- 測定精度:+/- 2%
- ひずみゲージ数:4つ
- データ通信規格:ANT+
- 電池:CR2450N(Renata製)
- バッテリー寿命:300-400時間
- ペダリング左右比の表示
- 温度補正
- ケイデンスマグネットは不要
以上のとおりだ。
power2max type-sの海外価格
実際に海外の価格はいくらなのかを調査しよう。国内代理店が挟まる場合は価格が高くなる。国内販売はたしかに高い。しかし国内で買うべきだ。理由は保証だ。保証については、パイオニアペダリングモニターで痛いほどそのありがたみを知り、SRAM Quraqで痛いほど大変な思いをした。
- センサー単体940ユーロ(日本円128,000円相当 掲載時135円レート)
- Rotor 3D + センサー1,110ユーロ(日本円150,000円相当
レートの関係でPower2maxの魅力はやや減ったように思う。
電波を発する機器は技適を受けなくてはならない。そして、国内で使用する審査を通さなくてはならない。販売メーカはいくらかお金を払い、テストをしなくてはならないのだ。したがって国内価格の若干の高騰はしかたない。
power2max type-sの国内価格
- センサー単体¥155,400
- (Rotor(3D・3D F&Plus)用・Sram用, Cannondale用・Specialized用/専用工具付属)
- FSA K-Force Light + センサー ¥222,600
- Rotor 3D + センサー ¥182,700
- Rotor 3D F + センサー ¥191,100
- Rotor 3D Plus + センサー ¥205,800
レートの関係で基本価格が高騰している。海外の値段に比べると高い。代理店の取り分も考えると妥当ではないか。
それでも、壊れた時の自己責任を負い、私のように自身でなんとかするなら話は別だ。しかし、代理店はシリアルを管理しており、個人輸入品の対応はしない。その辺を肝に銘じておかなくてはならない。
power2maxの技適について
power2maxの技適(技術基準適合証明)は以下のとおりだ。power2maxはMRAという相互認証協定のもと、技適を受けている。(※MRAについては後記)
- 工事設計認証番号:202-LSA049
- 工事設計認証を受けた名称:Eurofins Product Service GmbH
- 工事設計認証を受けた特定無線設備の種別:第2条第19号に規定する特定無線設備工事設計認証を受けた特定無線設備の型式又は名称:Power2max HW: BG0004-6-A SW: V2.1
- 電波の型式、周波数及び空中線電力:G1D 2400 MHz ? 2483.5 MHz) 2457 MHz( 1 Channel) 0.000017 W/MHz
- スプリアス規定:新スプリアス規定
国内で使用するための技適も既に受けており、代理店のサポートに対応する。
MRA(Mutual Recognition Agreement)について
Power2MaxはPowertapと同様に、MRA(相互承認協定)の元技適マークを得ている。
相互承認協定(いわゆるMRA(Mutual Recognition Agreementの略称)は、相手国(欧州等の外国)向けの機器の認証(機器が技術上の要件を満たしていることの検査・確認)を自国(日本)で実施することを可能とする二国間の協定です。MRAの締結により、電気通信機器・電気用品等の海外への輸出入が円滑にできるようになり、企業の負担を軽減し、二国間の貿易を促進します。
出典:総務省電波利用に関する精度, 電気通信機器の相互承認(MRA)
power2max type-sは買いか
レートの高騰によりpower2maxのウリであった低価格の魅力が薄れている。仕方ないことだが、当時センサー部だけで69000円で買えた時代を知るものとしては、残念である。という本音を付け加えさせていただく。
しかし、二代目のセカンドエディションで温度変化への耐性と、パワータップとの遜色ない出力データが得られている。三代目のType-sはそれらを踏襲し完成度の高いものになると期待している。
プロが使うという意味
team skyがstagespowerを使い、ベルキンがペダリングモニターを使う。そして今回のモビスターへのサポートだ。power2maxの出始めは各メディアで酷評されまくったパワーメータであった。
しかし、今やプロチームに採用されるまでになり、グランツールを走るパワーメータに成長した。”使えない”パワーメータだった頃を思い出すと、喜びもひとしおである。
私は今年TTバイクを買う予定だ。そこに何かパワーメーターをつけるとしたら「stagespower」か「power2max type-s」に絞るだろう。その時選ぶのはどちらだろうか。私はpower2max type-sを選択する。
power2maxはどれほど機能が変わり、どれほど温度変化を克服したのか。非常に興味がある。機会があればぜひ試してみたいパワーメーターだ。
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