で、買いなの?Nepest NOVA ホイール 追加レビュー 登り、平たん、あの人にも聞いた。

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NepestのNOVAを乗り込んでいくと、カーボンスポークホイールの新しい到達点が見えてきた。

しかし、申し訳ないが、前作のMAUIは合わなかった。

前作は、「硬すぎて初心者にはおすすめできない」「用途を絞れば使えるかもしれない」と感じたことを率直に書いた。それらの内容は、前作のMAUIを絶賛するライダーたちにとってみれば、都合の悪い内容だったのかもしれない。

前作は合わなかった、今作のNOVAは・・・。

MAUIは、返却した。

だから、新型の「NOVA」も期待していなかった。しかし、これは全く別物だった。確実に弱点を潰しに来ている。そして、ホイールを研究していた。「105%ルール」「23mm内幅」「VONOA第4世代スポーク」とトレンド、ホイールに必要とされる要素を全部盛り込んできた。

感嘆したのは、NOVAの乗り心地だった。「カーボンスポークは硬質な乗り心地」という概念を覆した。この概念は、カーボンスポークに共通しているわけではなく、カーボンスポークの柔軟性を高めれば改善できることだった。

NOVAを使って、初めて知ったことでもある。

1,218g 新型 Nepest NOVA インプレッション カーボンスポークホイールの未到達点へ
新型Nepest NOVAに乗って、くやしさを感じてしまった。カーボンスポークのホイールが絶対に手に入れられないと思っていた『しなやかさ』を、ついに手に入れてしまったからだ。カーボンスポークはスチールの乗り心地の良さに限りなく近づいた。いや、もう同等と言っても過言ではない。カーボンスポークをつかったどんなホイールでも、スチールスポークのあの乗りの良さを引き出すのは当分先だろうと思っていた。ましてや...

NOVAのレビューでは、ホイールのレビューというよりもVONOA第4世代スポークのボリュームの方が多い。それほどインパクトのある出来事だった。カーボンスポークホイールは、「NOVA以前、NOVA以降」では大きく違う。

厳密には、VONOA第4世代スポークを起点に、パラダイムシフトが起きたのだ。

今回は、更に乗り込みNepest NOVAの走りを確かめた。そして、ヒルクライムにおける現状の最適解のセッティングが出たので紹介する。年々、年を重ねて体力も落ちていっているのだが、地元宝塚の六甲山逆瀬川のベストタイムを更新した。

タイムを更新したホイールが、Nepest NOVAだ。

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軽量性:クラス最軽量のインパクト

NOVAシリーズは、軽量性を追求した設計が最大の特徴だ。改めてラインナップを確認しよう。

  • NOVA 35:1,180g ± 30g(リムハイト35mm)
  • NOVA 45:1,220g ± 30g(リムハイト45mm)
  • NOVA 55:1,310g ± 30g(リムハイト55mm)
  • NOVA X:1,265g ± 30g(前45mm/後55mm)

特にNOVA 45の1,218g(実測値)は、45-50mmクラスのホイールとしては驚異的な軽さと言える。更に付け加えるのなら、最新設計のリム内幅23mm-25mmにおいて最軽量だ。恐らくNepestは他社の設計と重量をターゲットにして、すべてを超える設計を行ったのだろう。

  1. CRW CS4050 (40/45mm):1,178g
  2. Nepest NOVA-45:1,218g(実測)
  3. ROVAL ALPINIST CLX(33mm):1,248g
  4. CADEX Max 40:1,249g
  5. CRW CS5055 (50/55mm):1,251g
  6. COSMIC ULTIMATE 45:1,255
  7. Nepest MAUI-45:1,288g
  8. CRW CS5060 (50/60mm):1,290g
  9. ZIPP 303 NSW:1308g
  10. Yoeleo SAT C50 DB PRO NxT SL2:1320g
  11. Lun HYPER D45:1,367g

CADEX Max 40や COSMIC ULTIMATE 45が「超軽量」と言われているのだから、Nepest NOVA 45は「超々軽量」だ。

そして、軽量化だけにとどまらず、従来のカーボンスポークホイールで問題だった過剰剛性による、ライドでの疲労や走らせにくさを改良してきた。その立て役者は第4世代VONOAカーボンスポークだ。スポーク1本あたり約1gの軽量化(前後で約42g軽減)を実現している。

加えて、ハイローフランジハブと2:1スポークパターンにより、軽さと剛性のバランスが最適化されている。

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乗りやすさ:鉄スポークに迫るしなやかさ

カーボンスポークホイールは軽量だが、乗り心地が硬い。

長らくそう思ってきた。古くはリムブレーキのMAVIC COSMIC ULTIMATE、LightWeightもそうだった。最近ではディスクブレーキのCADEX ULTRA 50、COSMIC ULTIMATE 45、Partington、CRWと、ほとんどのハイエンドカーボンスポークホイールを使った。

だからこそ、カーボンスポークホイールに対する先入観が刷り込まれていた。正直な話をすると、私にはカーボンスポークホイールが硬すぎて合わなかった。遊びがなく、走りが硬すぎたのだ。特に、ヒルクライムや150kmを超えるライドでは次第に脚が削られる感覚があった。

六甲山の40分弱では、後半に脚に来ることがあったため、あえてENVE SES Gen3やYoeleoの鉄スポークに変えて走っていた。カーボンスポークホイールは、後半にかけて脚が削られ、リズムが合わなくなるのだ。

NOVAは、この課題を克服した。「しなやかさ」が最大の改善点と言ってもいいだろう。信じられないのは「スチールスポークのようなバネ感」があり、「長時間のライドでも疲れにくい」この2つがカーボンスポークで実現したことにある。

実走での体感理由はいくつかると思う。

  1. ホイールの軽さが加速時や巡航時の負担を軽減している
  2. 再加速時のレスポンスが向上

特に2はスプリント時のイメージがあるが、ヒルクライム時のリズムの取りやすさにもつながっていると感じた。ヒルクライムは、基本的に登るため常にエネルギーを与え続けなければならない。惰性で進むようなシチュエーションがなく、常にパワーを掛け続け再加速しているような状態にある。

乗り心地の良さの理由は、構造が進化したことも見逃せない。ワイドリム化で内幅23mm(MAUIの21mmから拡大)により、タイヤのエアボリュームが増加した。28mmタイヤとの組み合わせで、路面からの振動吸収性が向上している。

エアボリュームの増加と、タイヤの横方向への増加は結果的に乗り心地を改善しているのだろう。

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登りの軽さ:ヒルクライムでのアドバンテージ

更新したときの機材。

もう年齢的にも無理だと思っていたが、六甲山のベストタイムを更新した。

正直な話、パワーは出ていない。6.4kgに仕上げたTarmac SL8、タイヤが地球上最速のVittoria CORSA PRO SPEEDだからタイヤの影響も大きいと思う。

『地球上、最速のタイヤ』Vittoria CORSA PRO SPEED インプレッション
『地球上、最速。』Vittoria CORSA PRO SPEEDは、地球上で最も転がり抵抗が小さいタイヤだ。事実上、CORSA PRO SPEEDよりも速く走れるタイヤは存在しない。タイム短縮を狙うライダー、レースで勝ちたいライダーに、最速への答えがここにある。データで裏付けられた性能と速さは、ワールドツアーライダーたちがこぞって採用し、数々の勝利を上げ続けている。クラシック、世界選手権、ヨーロ...

ただ、ヒルクライムにおける走りは、これまでのカーボンスポークホイールとは一線を画していた。しなやかで登りのリズムがとりやすい。どれだけ軽くても、硬すぎては40分近く走るときつくなる。

登りは特に、軽量ホイールの真価が問われる場面だと思う。NOVA 45の結論としては「最後まで踏み抜ける」これにつきる。ただ、山頂に近づいてから平たん区間に入ったとき、まだ走らせ方がわからなかった。恐らく重いギアで回す方が走りそうだが、軽さからか高ケイデンスにしてしまった。

総じて、軽さとしなやかさが、登坂での疲労軽減とタイム短縮に直結すると思う。前作のような、過剰な走りの反応は見ることができず、ペダルへの入力から僅かなためのあとに、即座に推進力に変換される感覚がある。

正直な話、まるで某高級ブランドのホイールに乗っているようだ。この価格帯でこの性能は、ヒルクライマーにとって夢のような選択肢だと思う。

従来の「中華カーボンホイール」とは大きく違うと感じた瞬間だ。無論、前作とも180°違っていた。

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オールラウンド性能:平たんからロードレースは?

NOVAをロードレースに使う場合はどうだろうか。

NOVA 45であれば、国内のサーキットコースである広島、群馬CSC、播磨中央、修善寺は適していると思う。ただ、ニセコやオキナワのコースプロファイルやレース展開を考えると、エネルギー節約を考えてNOVA X(45/55)の組み合わせか、NOVA 55を選択した方が良いかもしれない。

NOVA X(45/55)はまだ試せていないが、登りが多いコースプロファイルなら良いと思う。NOVA 55は慣性が働きやすくなるだろうから長距離には向くはずだ。

ROVAL RAPIDE CLX IIと比較すると、NOVA45は巡航中でも減衰しやすい。これは、リム重量やホイールの重量分布による影響と、そもそも軽量ホイールは慣性が働きにくいためだろう。軽さ(重量分布)と慣性はトレード・オフの関係にあることがよくわかった。

MAUI 45はどちらかといえば、淡々と登ることを得意とするタイプのホイールだと思う。それも、最後のゴールまで脚を持たせることができる。

横風の影響も少ない。45mmリムハイトにしては、横風の影響を受けにくい設計だと思う。春の強風下でもハンドリングが安定している。それゆえ、エントリーライダーにも扱いやすいと思う。

ダンシング時の加速は「瞬発的」な爆発感のある動きではなく「スルスル」と表現する方が合っている。瞬発力よりも持続的な加速が得意だ。

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なぜ、意見が割れたのか

川村氏もNepest NOVA 45で登る。

Nepestといえば、川村氏(skmz)だ。先日練習会に来ていたので、登りながらNOVAについて話した。

前作のMAUIでお互いの意見が割れたのだが、結論としては「体重差」という話になった。私の体重は56〜59kgをうろうろしているが、川村氏の方が体重もあり、出せるパワーも大きい。前作のMAUIは、川村氏は気に入っていたが、私は気に入らないホイールだった。

恐らく、体重の違いでホイールを走らせる感覚の違いが生じた可能性がある。

釣りざおでも、硬いさおに重いオモリを付けるとよく飛ぶ。しかし、軽いオモリはさおがしならないため飛ばなくなる。逆に柔らかいさおに軽いオモリを付けるとよく飛ぶようになる。ホイールのしなやかさも似たような感覚だと思う。

特に、スポークのしなり具合はこのさおのイメージに近いのかもしれない。ただし、スポークは非常に大きな力で引っ張られているため、直接的な関係性は薄いのだが、感覚的にはこの釣りざおとオモリの関係に似ていると思う。

それゆえ、NOVA 45はもしかしたら重量級の選手には合わない可能性がある。軽量級の選手、女性、パワーがそこまで出せない方などはNOVAが合う可能性がある。

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まとめ:NOVAは買うべきホイールか?

NOVAはUCIの認証も通過している。すなわち、プロレースでの使用も可能な品質だ。ホイール自体は3年保証で新興ブランドながら、信頼性の高さをアピールしている。

NOVAは以下のようなライダーに最適だ。

  • ヒルクライマー:軽量性と登りの軽さでタイムを縮めたい
  • ロングライダー:しなやかな乗り心地で長時間の快適性を求めたい
  • コスパ重視のレーサー:高性能ホイールを手頃な価格で手に入れたい
  • オールラウンダー:登り、平たん、ロードレースまで幅広くカバーしたい

ただし、リムブレーキユーザーは対応モデルがない。また、瞬発的なスプリントを重視するライダーには、ややマイルドな加速感が物足りないかもしれない。

最後に、NOVAの価格は1,499ドル(約22万円)だ。

この価格は非常に戦略的で、他社のホイールを意識した価格と言える。私の肌感覚でも、これ以上の価格になると、大手のハイエンドホイールが買えてしまうから途端に売れなくなると思う。

さらに、2025年5月3日までの早期販売の場合は10%オフの1,349ドルだ。更にクーポンコード「8Nepest」を使用すると8%オフで1,241ドル(約17.8〜18万円)になる。同クラスの中国系軽量ホイールでもこの価格は競争力がある。

5月3日(土)までの割引キャンペーンを活用して実力を体感してほしい。

クーポンコード『8Nepest』

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