ピレリ P ZERO RACE RS クリンチャー インプレッション、これは良いタイヤだ。

5.0
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めちゃくちゃ良かったぞ、これ。

Pirelliが誇る最速ロードタイヤ「P ZERO RACE RS」クリンチャーは、モータースポーツ由来のSmartEVO2コンパウンドにより、グリップと転がり抵抗の両立を高次元で実現したチューブタイプタイヤだ。

Bicycle Rolling Resistance(BRR)のラボテストでは転がり抵抗14.8W(28mm、ブチルチューブ使用時)、ウェットグリップ80ポイントという、チューブタイプタイヤとしては異例の高スコアを記録している。

image:Pirelli

Lidl-TrekやAlpecin-DeceuninckといったUCIワールドチームが実戦投入し、商業発売前に70以上の表彰台と30勝以上を積み上げた実績を持っている。という性能と実績から、非常に気になっていたタイヤであり、今回レビューするに至った。

今回はContinental GP5000 S TRを用意し比較した。この絶対王者に対し、転がり抵抗でわずかに劣る代わりにウェットグリップと耐パンク性能で大きく上回るという、明確なトレードオフを提示したタイヤだった。

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SmartEVO2コンパウンド:モータースポーツ級の性能

image:Pirelli

P ZERO RACE RSの核心技術であるSmartEVO2コンパウンドは、Pirelliが自社のF1・WRC・MotoGPで培ったモータースポーツ技術を自転車タイヤに直接移植した最新世代コンパウンドである。

前世代のSmartEVOが3種類のポリマーを「スマート」にブレンドした単一コンパウンドだったのに対し、SmartEVO2は新素材と革新的な混合プロセスを導入し、グリップと転がり抵抗という相反する性能を同時に向上させた。

Pirelli公式は次のように説明する。

「SmartEVO2は、最高レベルのモータースポーツ専門知識と、現代のワールドツアーレースの要求を取り入れて強化された、最新の高性能レーシング自転車タイヤコンパウンドです。3種類のポリマーによる’スマート’な特性を持つSmartEVOブレンドから進化し、イタリアの自社製造工場でのみ可能な新素材と革新的な混合プロセスを活用しています」

3種のポリマーはそれぞれ「相補的で相反する性能」を担い、路面状況に応じてポリマーの挙動が適応的に変化する。単なる機械的な柔軟性ではなく、ポリマーレベルでの化学的グリップを実現することで、摩耗を加速させることなく高い接着力を発揮する。

BRRのテストでは、このコンパウンドの威力が数値として明確に現れている。

ウェットグリップテストでトップクラスの80ポイントを記録している。ドライ路面において、このPirelliタイヤのウェット時よりも低いグリップしか出せないタイヤが数多く存在していることを考えると、レース用のレインタイヤとしても使えることを示唆している。

それでいて、転がり抵抗も非常に小さい。

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TechBELT ROADケーシングと耐パンク性能の実力

image:Pirelli

P ZERO RACE RSクリンチャーは、120TPIのナイロンケーシングにトレッド下の耐パンクナイロン補強層(TechBELT ROAD)を組み合わせた構造を採用する。

TLR版のSpeedCOREケーシング(アラミド繊維ベースの気密層)とは異なり、チューブレス対応のビード構造と気密層を省略することで、1本あたり60gの軽量化を実現している。

BRRの耐パンクテストでは53ポイントを獲得し、TLR版の43ポイントを上回る。これはクリンチャー版にのみ搭載されるナイロン耐パンクベルトの効果だ。トレッド厚も2.6mmとTLR版の2.4mmより厚い。トレッドの耐パンク性能は良好と評価できる。

乗り心地は、衝撃を吸収する感じがあり、特に細かい路面の凹凸をよく吸収する。タイヤの性質は、コンチネンタル GP5000系とMichelin Power Cupの中間に位置するような感じを受けたが、ややMichelin寄りの柔らかさがある。

この特徴が「ピレリらしい」ゴムの弾力なのか、しなやかなグリップがありながらも転がりは軽く、巡行で伸びていくような感覚がある。いわゆる「もちもち系の乗り心地」であり、SmartEVO2コンパウンドのしなやかさが乗り心地にも貢献していることがうかがえる。

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SmarTUBE TPUチューブとの組み合わせ

Pirelliはクリンチャー版RSの最適なパートナーとして、自社製TPUチューブP ZERO SmarTUBEを推奨している。

【最速TPU】Pirelli SmarTUBE RS インプレッション チューブの常識を覆す次世代TPU
Pirelli P ZERO SmarTUBE RSは全TPUチューブ最速の転がり抵抗9.7Wを記録し、ラテックス比+0.2Wを達成した新世代インナーチューブ。素材・性能・重量・修理方法を徹底解説する。
チューブタイプ 重量 特徴
標準ブチルチューブ 約100〜120g 最も一般的、転がり抵抗やや大
P ZERO SmarTUBE EVO 35〜40g(バルブ長による) ブチル比70%軽量、50%コンパクト
P ZERO SmarTUBE RS(2025年新型) 33〜35g BRR測定で最速TPUチューブ、 壁厚32%増

SmarTUBE RSはより柔軟なTPU素材を使用し、TPUとラテックスの中間のような感触で、従来のSmarTUBEから転がり抵抗を最大12%削減している。BRRのTPUチューブテストでも最速を記録している。

システム重量の比較(28mm)は以下の通りだ。

  • P Zero Race RS クリンチャー 230g+ SmarTUBE EVO 38g = 合計268g
  • P Zero Race TLR RS 290g + シーラント30g + バルブ8g = 合計約328g
  • Continental GP5000 S TR 265g + シーラント30g + バルブ8g = 合計約303g

クリンチャーRS + SmarTUBEの組み合わせは、TLR版より1本あたり約60g、両輪で120g軽い。重量が近い私物のTLRと比較すると、こぎ出しや転がりの軽さがはっきりと体感できる。

乗り心地もTLRより快適に感じる。ただし、GRAN FONDOのラボテストでは転がり抵抗でTLR版に大きく劣る結果(16.6W vs 12.0W)が出ており、軽量性と転がり抵抗の間にはトレードオフが存在するようだ。

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ミラノ・ボッラーテ工場:「Made in Italy」品質

image:Pirelli

P ZERO RACE RSは、ミラノ北部のボッラーテにあるPirelli自社工場で製造される。2022年3月に稼働を開始したこの工場は、産業規模で「Made in Italy」の自転車タイヤを生産する唯一の工場である。

工場の主要スペックは、敷地面積60,000平方メートル(うち屋内34,000平方メートル)、年間生産能力約150万本、従業員数約200名。1962年に自動車部品工場として開設され、2020年から自転車タイヤ製造のために転換された。

PirelliのR&Dグローバル本部からわずか15分以内の距離にあり、最新のコンパウンド技術を即座に製造ラインに反映できる体制が整っている。

製造プロセスは高度に自動化されており、「最良の製造プロセスとは最も無菌的なもの手作業の接触を避け、可能な限り自動化すること」というPirelliの哲学が反映されている。

独自の押し出しシステムによりタイヤを高精度で製造することを実現。組立てから加硫まで一貫生産される。2024年6月以降は全タイヤにFSC認証天然ゴム(タイヤ重量の約23%)を使用し、サステナビリティにも配慮している。

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標準P ZERO RACEからの進化

P ZERO RACE RSは、標準P ZERO RACEの上位モデルとして明確な性能向上を果たしている。TLR版同士の比較の場合「転がり抵抗16%削減、重量8%削減」を達成しているようだ。

この差の最大の要因はコンパウンドの世代差が影響しているようだ。

標準P ZERO RACEがSmartEVOを使用するのに対し、RSはSmartEVO2を搭載する。SmartEVO2では新素材の導入と革新的な混合プロセスにより、グリップ(特にウェット)と転がり抵抗の両方が改善された。

BRRのデータでは、P Zero Race(クリンチャー26mm)が15.0Wに対し、P Zero Race RS(クリンチャー28mm)が14.8W。28mmの方がサイズが大きいにもかかわらず転がり抵抗が低いという結果は、SmartEVO2コンパウンドの優位性を物語る。

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転がり抵抗テストと競合比較

BRRラボテスト結果(クリンチャー28mm)

テスト項目 数値
転がり抵抗(High Pressure, 5.0bar) 14.8W
ウェットグリップ(平均) 80ポイント
耐パンクスコア(合計) 53ポイント
公称重量 / 実測重量 230g / 228g
トレッド厚 2.6mm
総合評価 5.0/5「Highly Recommended」

テスト条件は直径77cmのダイヤモンドプレート鋼鉄ドラム、速度28.8km/h、荷重42.5kg、室温21.5~22.5℃という標準条件。公表値は片輪の数値であり、ライダー+バイク総重量85kgでの両輪合計は約2倍となる。

30mmバージョンは転がり抵抗15.1W、ウェットグリップ82ポイント、耐パンクスコア57ポイント、実測重量238g(公称245g)で、28mmとほぼ同等の性能を示しつつ、グリップと耐パンク性はわずかに向上している。

チューブタイプタイヤ内での位置づけ

BRRの全171本のロードタイヤランキングにおいて、P ZERO RACE RS 28mmは約60位に位置する。

ただしこれはチューブレスレディ(TLR)タイヤとブチルチューブ使用タイヤが混在するランキングであり、チューブタイプタイヤ同士の比較ではより競争力のある位置にある。

タイヤ 転がり抵抗 タイプ
Continental GP5000 25mm 12.1W チューブタイプ
Continental GP5000 30mm 12.6W チューブタイプ
Pirelli P Zero Race 4S 26mm 14.0W チューブタイプ
Pirelli P Zero Race RS 28mm 14.8W チューブタイプ
Pirelli P Zero Race 26mm 15.0W チューブタイプ

ブチルチューブ自体の転がり抵抗がかなりの部分を占めており、TPUチューブ(SmarTUBE)と組み合わせることで、この差は大幅に縮小する。

興味深いことに、60g重いTLR版(10.5W)の方が、チューブタイプ版よりも転がり抵抗が低いという結果が出ている。これはSpeedCOREケーシングの低ヒステリシス特性によるものと考えられる。

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GP5000 S TR・GP5000 TT TR・Corsa Pro Speedとの比較

主要競合タイヤとの性能比較表(BRRデータ、28mm TLR版同士)

指標 P Zero Race TLR RS GP5000 S TR GP5000 TT TR Corsa Pro Speed TLR
転がり抵抗 10.5W 9.7W 8.3W 6.7W
公称重量 290g 280g 245g 250g
実測重量 294g 265g 250g 240g
トレッド厚 2.4mm 2.1mm 1.9mm 1.3mm
耐パンクスコア 43pt 34pt 33pt 25pt
ウェットグリップ 80pt 70pt 66pt 72pt
BRR評価 5.0/5 4.6/5 4.8/5 5.0/5

対Continental GP5000 S TR

Continental GP5000 S TRと比較すると、空気圧に応じて転がり抵抗は5~10%高いが、その代わりに耐パンク性能が25%向上し、ウェットグリップが15~20%向上する。

つまりP Zero Race TLR RSは、転がり抵抗で片輪あたり0.8W(両輪で1.6W)を犠牲にする代わりに、安全性と全天候性能で大きなアドバンテージを得るという選択肢だ。

実際に使ってみると、直線ではGP5000 S TRと同等の速さで走り、コーナーではより攻めた走りができる感じがある。

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GP5000TL比で20%転がり抵抗が小さい。GP5000TL比でサイドウォール28%強化。GP5000TL比で-50g軽量化し重量250gフックレスリム対応。世界選手権TTとパリルーベで投入されそれぞれ優勝・・・。ContinentalからついにGP5000STR(チューブレス対応)が発表された。GP5000STRは、2021年シーズン中に複数のプロ選手によってフィールドテストされていた。多数の...

対Continental GP5000 TT TR

TTタイヤとの比較では片輪あたり2.2Wの差がある(両輪で4.4W)。しかしGP5000 TT TRは純粋なTT/レースデイタイヤであり、耐パンク性能で30%劣り、ウェットグリップで21%劣る。

P Zero Race RSはオールラウンダーとしてのポジショニングであり、直接的な競合関係にはない。

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対Vittoria Corsa Pro Speed TLR

BRRランキング1位の最速タイヤ との差は片輪3.8W(両輪7.6W)と大きい。しかしCorsa Pro Speedはトレッド厚わずか1.3mmで「事実上耐パンク性能がない」タイヤだ。

寿命も極めて短い使い捨てレースタイヤであり、日常使用やトレーニングには不適。P Zero Race RSの耐パンク性能は72%も上回る。

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参考:タイヤ13本比較

GRAN FONDOの30mm実走テストでは、TLR RS版が12.0Wを記録し、テスト優勝のGP5000 S TRのわずか1W差にとどまった。

一方、クリンチャーRS版+TPUチューブの組み合わせは16.6Wと「テスト中最も効率が低い」結果となった。TLR版との差は4.6W(両輪で9.2W)に達し、同一コンパウンドでもケーシング構造とチューブの影響がいかに大きいかを示している。

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インプレッション:これはすごいぞ

正直に言うと、Pirelliのタイヤは実験室の転がり抵抗データがあまり良くない。他社のタイヤよりも転がり抵抗が大きいのだ。だから、データドリブンな私は食わず嫌いだった。

しかし、いざ走らせてみると、これはすごいぞ、と。

「速い」ことが確実に体感できる。データとは全く違うのだ。「食わず嫌いの機材No.1」の称号を与えても良い。実験室の転がり抵抗のデータと、現実世界でのギャップが大きすぎるタイヤだ。

何なら、Pirelli最速の組み合わせである、P Zero Race RSとSmarTube RSを使って、峠のベストタイムをあっさりと更新してしまったから気分がいい。その影響か、ひいき目に見てしまいそうだが、それを差し引いても転がりが軽い。

このタイヤよりも転がり抵抗が小さいGP5000 STRやCORSA PRO SPEEDもテストしてきたが、家を出たこぎ始めで「うわっ軽っ!」と声と笑みがこぼれる久しぶりの体験をした。

これは良いな、とおもったのはペダリング中に下死点に向かう4~6時のときにそれ以上回さなくてもスルッと転がってくれるところ。という「全く期待していなかったけれど、スゲーことが起きた」のがこのP Zero Race RSだ。

ここからは、一旦冷静になってレビューしていく。

傾きの解像度が高い

めっちゃ横方向の挙動が読みやすい。

最初の印象は、速いタイヤにしては快適すぎてグリップが良すぎる、というものだった。GP5000 S TRと同等の直線速度で走りながら、コーナーではより攻められる。実走性能の高さがうかがえる。タイヤを傾けていくときにグリップ感の「飛び」がない。

例えば、1から10まで傾けていくときに、GP5000系のタイヤは1,3,5,7,10のように飛び飛びでタイヤがグリップしていくような解像度の粗さがある。しかし、P Zero Race RSは1,2,3,4,5,6,7,8,9,10のようにタイヤが傾いていき解像度が高く感じる。

レーシングタイヤにしては、グリップ力と乗り心地が良い。硬さよりもしなやかさを重視している傾向にある。私はMichelin系のタイヤを好んで使っているが同じようにモチモチとした感覚がある。

ウエットでも強いことを確認済み。

下りだろうが、登りだろうが、コーナーリング中の食いつきが非常に良い。タイヤを上からみると美しい弧を描いており、コーナーリング中にタイヤ中心からサイドに接地面が移動していく際の解像度が高く感じられる。

恐る恐る、タイヤと接地面の状況を把握するような神経質さが一切なく、タイヤに任せてバイクを押し込むことができる。まるで、シクロクロスで空気圧を落としたときのように接地面が広がり面をはうような感覚が得られた。

それでいて、転がり抵抗が小さいという相反する性能があるのだから、現代のタイヤ性能がここまで進んでしまったのかと感嘆した。私が好きなタイヤの挙動をしてくれる。

イタリア製!

この特有のグリップを感じつつも、直線を走らせると途端に抵抗感が感じられることなく進む不思議な感覚がある。SmartEVO2の「速さとグリップの両立」を端的に理解できる瞬間だった。

オールラウンドなチューブタイプロードバイクタイヤを探していて、わずかに高い転がり抵抗と引き換えに最大限のウェットグリップを求めるなら、このタイヤは最良の選択になると思う。

雨天、怖くない。

雨でテスト。はい、ドライとマジ変わんないです。

雨天でもテストした。雨でも安心して”十分に”使える。グリップの解像度が高いから、全く怖くなかった。雨でテストできて本当に良かった。「レーシングレインタイヤ」の誕生である。

この結果は、BRRのウェット性能の結果通りだった。間違いない。データ上、ウェットとドライのグリップ差が他のタイヤより非常に小さい。何なら、このタイヤよりもドライでのグリップ性能が劣るタイヤの方が多いほどだ。

「ウエットに強い」というイメージを持てる。これは本当に大切だ。ウェットで走るときに大事なのは、気持ち、メンタル面だ。

「すべりそう、すべりそう」と心の中で呪文のように唱えてしまうと、本当に滑ってしまう。そして、コーナーも下りも攻めきれない。しかし、このタイヤならばドライと同様の性能があると理解できているため、アグレッシブなラインを取れるはずだ。

梅雨の時期でもこいつを引っ張り出してきてライドできる。さらに、その性能を確認するのが楽しみだ。

速さx乗り心地

本来「速さ」と「乗り心地」この二つは分けて考える必要がある。

しかし、P Zero Race RSを使うと、「乗り心地」と「走り方の質」が「速さ」と綿密に連携しているのだと気づかされた。今回、別のタイヤから乗り換えてテストしたのだが、明らかに変わったのは4~6時でペダルがぐるんと回る感じに変わった。

4~6時でクランクを意図的に回さなくても、タイヤが転がってくれるのだ。その分だけ、私は運動しなくてもよい”気分”になる。P Zero Race RSの前に使っていたタイヤは、4~6時でクランクを意図的に回す作業が意図的に発生する。

これがライド中にずっと繰り返されるから、P Zero Race RSは疲れないと感じ、常にバイクを前に進ませようとしてくれる。多分、これは私の走り方と相性が良いのだろう。そう思った。

実際、遅いか速いかといったら、速いタイヤだ。少なくとも私は確実に速く走れた。フィジカルも上がってきたという時期的なものもあるが、6分弱かかっていていた峠が、4分50秒までタイム短縮した。

前日に使っていたタイヤの方が転がりが良いが、5:15秒だった。データー上は転がり抵抗が大きいP Zero Race RSだが、走らせてみると、速く走らせられるタイヤなのである。そこには、数値ではなく相性問題の方が大きい気がする。

峠のタイムも良くて気分が良い。実験室のデーターとは全く違うぞ。

このタイヤは、ずっとパワーを与え続けていられる懐の深さのようなものがある。軽量タイヤのように、パワーの入力がスカスカとなくなってしまうような感覚がなく、与えたパワーをできるだけロスなく推進力に変えてくれる効率的な動力源のような動きをする。

うん。このタイヤは良い。実験室の数値的なタイヤ性能は、他のタイヤにわずかに劣る部分がある。しかし、リアルワードで感じられる速さが大変気持ちがいい。これは私が悪かった、確実に食わず嫌いだった。

食わず嫌い王決定戦で、満場一致で優勝である。

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サイズ展開・価格・入手先

サイズ 公称重量 実測重量 価格(税込)
700×26C 210g 222〜224g ¥13,500
700×28C 230g 228〜240g ¥13,500
700×30C 245g 238〜252g ¥13,500

カラーはBlack、Classic(ダークブラウンスキン)、Retro(タンサイドウォール)の3色展開。Retroカラーは思ったよりサイドカラーが黄色く感じる。

クリンチャー版はフック付きリム専用(フックレス非対応)。TLR版は28C以上でフックレス対応、最大空気圧5bar。

日本での取り扱いはカワシマサプライだ。

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まとめ:何を求めるかで変わる最適解

P ZERO RACE RSクリンチャーは、「チューブタイプで最高のウェットグリップと軽量性」という明確なバリュープロポジションを持つタイヤである。そして、私の中では最も相性が良い。峠も軽快に登れてマジで気分がいい。

SmarTUBEとの組み合わせで1本あたり268gという驚異的なシステム重量を実現し、TLR版や競合のチューブレスタイヤを120g以上下回る。

転がりデータの話をすると、使用するチューブの種類やテスト条件の違いによるが、転がり抵抗を最優先するならTLR版が有利な傾向がある。クリンチャー版の真価は、軽量性、整備の簡便性、そしてSmartEVO2がもたらす卓越したグリップという三位一体にある。

ウェットグリップと耐パンク性能を重視するライダーにとって、P ZERO RACE RSは現時点で最良の選択肢と言える。P ZERO RACE RSは「感性に訴える速さとグリップの融合」まさにPirelliの「power is nothing without control」を体現するタイヤである。

転がりのデーターばかり見て、P ZERO RACE RSを候補から落としていた私のような人にこそ、ぜひ使っていただきたい。

感動タイヤだ、これは。

 

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