株式会社シマノは4月25日に2023年第1四半期決算短信を発表した。売上高や純利益が前年同期比で減少した。今期経常を19%下方修正している。

・23年12月期第1四半期の連結経常利益は前年同期比27.4%減の285億円。 ・通期の同利益を従来予想の1195億円から965億円に19.2%下方修正。 ・減益率が32.3%減→45.3%減に拡大。
当第1四半期連結累計期間において、物価上昇に対処するための各国の中央銀行による利上げや、長引くウクライナ情勢の混迷などが世界経済の正常化に向けた重しとなった。また、このような環境下で自転車や釣具への需要は減速感を見せ影響が及んだ形だ。
自転車部品は売れなくなった?
決算資料には、自転車部品の売上高が減少した理由は明確に記載されてはいない。自転車部品の売上高が含まれる「自転車部品」セグメントにおいては、完成車の販売が減速感を見せ、需給調整は進んでいるものの市場在庫は総じて高い水準(在庫過多)で推移していたことが報告されている。
また、通貨安やインフレが進んだ結果を受け、消費者の購入意思の冷え込みによりアジアや中南米市場での販売もやや低調に推移していたことが報告されている。
そして、日本市場においては、円安による完成車価格の高騰などもあり、販売の勢いは鈍り、市場在庫はやや高めに推移(在庫過多)したという。
売上高の減少はコロナ特需を抜けて「正常化」したという見方もできる。しかし、物価高、コンポーネントの値上げによる消費者の購買意欲の低下、そして在庫過多による小売店の仕入れ減少など、自転車部品販売はいま、負のスパイラルに向かいつつあるのかもしれない。
これから先、どのような状況に変化していくのか。自転車業界の先行きはいまだ不透明だ。