タイヤの空気圧をどれくらいに設定したら良いのか、どうやったら適正値にできるのか、悩まれている方は多い。
空気圧を決定する変数は多く、ライダーの体重、装備、バイク、タイヤ幅、タイヤ保護層有無、リム内幅、フックド、フックレス、チューブド、チューブレス、ドライ、ウエット、など様々な機材選定と環境要件に応じて無数の最適解がある。
空気圧のチューニングは人間が決定するのは不可能な領域にまで達している。
そこでおすすめしたいのがSRAMの空気圧で計算機だ。先ほどの変数と合わせて、ロード、グラベル、マウンテンバイク、ウェット、ドライといった環境まで想定して空気圧を決定してくれる。
この計算機が素晴らしいのは、リムの内幅、フックレス、フックドの違いを変数として入力できることだ。ほぼ、正確な値が計算できるため、私はロード、シクロクロス、マウンテンバイクと全てこのSRAMの計算機を使って空気圧を決定している。
では、早速使い方についてだ。
すべてのパラメーターをいれると、勝手に計算される。ライダーの体重は、シューズ、ヘルメット、ジャージなどライダーとすべての装備を含めたタイヤに掛かる重量を入力する。単位は0.5kgだ。
バイク重量は0.01kgまで入力できるため、ボトルやサイコンなどを含めた重量を入れよう。
ライドスタイルは各種選べる。MTBは種目によって空気圧が異なるのが素晴らしい。ロードは1種類しかないが、感覚的にもヒルクライム、クリテリウム、ロードレースすべて「ロードでよいだろう。サイクルクロスはシクロクロスのことだ。
タイヤのケーシングも入力する必要がある。タイヤの変形量が変わるためだ。ヒステリシスロスにも影響する。ここで一例を上げておく。
- 薄型:GP5000 TT TR, POWER TT, Corsa PRO
- 標準:GP5000, POWER CUP
- 強化:GP5000 All Season
リムタイプも重要だ。ラテックスやブチルを入れるクリンチャー系は「チューブ」を選ぼう。Hooksは、フック式のリムにチューブレスタイヤを使用する場合だ。ROVAL RAPIDEにチューブレスタイヤを取り付けるときは「Hooks」だ。
HooklessはCADEX ULTRA 50にGP5000 STRを取り付けるような場合だ。それぞれ空気圧の調整が異なる。以上を踏まえて設定するとおおよその適正値が算出される。
ちなみに、先日の全日本選手権のロードレースで優勝した小林海選手の空気圧が4.0barということで話題になったがこの計算機に機材の情報を入れてみた。
小林海選手の体重をGoogle先生に聞いたところ64kgだった。装備を入れておおむね65kgとしよう。ホイールはCOSMIC ULTIMATEだ。リム内幅は19mmだ。そしてウェット条件をいれる。
フロントとリアで空気圧は異なるがおおむね4.0bar前後の空気圧だ。大幅にはずれていない。むしろ、この計算機を基準値として、好みに応じて上げたり下げたりするのが望ましいだろう。この値から細かくチューニングすることが大事だ。
もう一つ大事なこととして、正確なデジタルタイプの空気圧ゲージを使おう。おすすめなのはパナレーサーだ。
タイヤの空気圧は難しいが、この計算機を使うと簡単に「基準値」が出せる。この基準値をベースにして細かな調整をデジタルタイプの空気圧計測器で行いマイ・ベスト空気圧を導き出してほしい。