肺炎にかかってから1ヶ月強。
とてもつらく長い1ヶ月だった。日数にして、まともに戻すまで40日近くかかったようだ。その間、抗生剤を飲んだりしてほとんど廃人だったのが半月、まともにトレーニングし始めて半月という感じ。
普通の人間の体に戻る(といっても、フィジカルとしてはマイナス)のも辛い。そこからトレーニングして走れるようになるまでパワーが全く出せずにさらにきつかった。ただ、諦めても仕方がないので、やれることはやろうと、まずはできることから始めた。
その間、井上先生からのアドバイス+αや、松木さんと実走トレーニングをしてもらったりと、復帰に向けて足掻いた。ただ、トレーニングをやった事のある人ならわかると思うが、フィジカルが1日2日程度で上がってくることは絶対にない。
150Wぐらいから始めて、200Wになり、実走のロングで200W付近を4~5時間こなすという単純な所から積み上げた。そのあとは一番やるのが難しいVo2MAX領域をやる。この領域に入れると、症状的にほとんど呼吸ができなくなる。これが一番きつかったかも。
いろいろあったが、美山は下りが思った以上に走れて(登りはゴミだったが)、完全にごまかしながら走った。烏丸の数日前に7割くらい戻ってきた感じがあった。なんとか、ごまかしながら走れそうだという感じがあったので、レース感を戻すために走ることにした。
烏丸コースプロファイル
烏丸はキャンバーが多いが、今年は雨も降っておらず普通に走れる。2か所乗車できない坂があるが、それほど大きな違いは生まれないレイアウトだ。
注意すべきは、キャンバー&テクニカルセクションの処理、平たん路で減速しないことの2つ。キャンバーは個人のスキルに左右されるが、平坦路はパックの方が有利。1人で走るのはしんどく、2人でもいたらアドバンテージになる。
あとは、下り区間でノーブレーキで突っ込んで惰性で次のセクションにつなげられるかという、流れを止めない走りが要求される。烏丸は昔は苦手だったけど、いまは楽しいコースだと感じる。これもMTBやってからだと思う。
試走で流れを止めないラインをある程度つかめた感じがあったので、最後の方は流して終わった。
JCX MM40 2位
35-49クラスが混走だが、主催者側の配慮により各カテゴリの上位がスタートグリットに順番に呼ばれた。
作戦という作戦は無いが、復帰戦のためまずは、何と言っても無事・安全にゴールできれば御の字という気分。そこまで追い込まずに、寄せられたり、接触しそうになったらゆずる気分で。
という気持ちであんまり踏まずに走ったら、40分のパワーはGarmin上で170w、Intevals上で166Wだった。まだパワーは完全に戻ってきていないことがわかるゴミデータ。
見るも無残なパワー不足だが、下り、キャンバー、コーナーのセクションは明らかに周りのおじさんクラスの選手よりも速く処理出来ていることが相対的にわかった。
これなら、セクションごとの処理の積み上げで、パワー不足は補えそうだと走っていて思った。
あとは、ミスをしなければいい。落ち着いて走っていると、段々とバラついてくる。今は競れるほどのフィジカルではないので抜かれる時も基本的には譲る。
レジェンドの白石さんに抜かれた時に少しついていくことにした。
白石さんはロードのイメージが強いけど、MTBがベースにあるので、下りの処理やコーナーの処理も丁寧だ。去年の烏丸では負けちゃったけど、全日本の宇都宮では先着できたが、今日は明らかにパワー不足を感じていたのでなんとかへばりつく。
ただ、わかってはいたけど平地はパワー不足でやっぱり離される。
その後、斎藤さんとパックに。
昔から手の内を知る仲なので気が抜けないが、平坦は勝るも、テクニカルセクションで置いて行かれる。烏丸は平坦を我慢すれば、テクニカルセクションでごまかしてなんとかなるかもと思っていたが、そううまくもいかず。
少しづつ離されてい行くが、特に踏み止めることもなく、かといって追いつくわけでもなく、ペースを刻んで走ることに専念した。終始、ミスもなく、淡々と自分のペースで走る事を心がける。
面白みのない走りではあるが、今の自分にはこれができるところまで戻ってきた事が嬉しく感じた。
最後はトラブっている齋藤さんを刺したろと思ったが、人としてヤベーやつになりそうだったのでタイム差0秒の綺麗な2位に。まぁ、復帰戦としては上出来なリザルトだった。すぐに帰宅して、翌日のE1のレースに。
機材はベーシックな、SERAC CXに1.65bar, 1.73barの設定にした。スリックのEDGEも試走で試したが、EDGEのサイドノブは意味がなかった。タイヤがつぶれて面圧でグリップするほうが効果が高そうだったのでノーマルが正解だったと思う。
烏丸 E1 7位
パワー出ないおじさんの2日目。祝日の月曜日は関クロE1に参戦。レース時間も60分と標準時間に。前日とセッティングを変えて空気圧をさらに下げた。欠局SERAC CXに1.63bar、1.70Barに。
前日のJCXとレイアウトが変わったところと言えば、シケインが無くなったことぐらいだ。あとは前日と同じコースなので、特別悩むことはないのだが出ている選手の人数は倍以上に増えてレベルは高くなる。
スタートは2列目。安心の村田さんの後ろに。まぁ、絶対にミスらないでしょう。スタートは速いがE1は安心して走れる。ただ、パワーのカカリが非常に悪くスタートループは24~5番ぐらいで走っていたようだ。
後ろからシマノレーシングの中井唯晶選手が来て、猛烈な勢いで抜いていく。
ちょっと着いていこうと思うも、速度的に無理そうなので諦めた。キャンバー区間は渋滞して、走れたもんじゃないが、昨年のように絡んで爆死することもなく、落ち着いて走れた。
2周目くらいまでは落ち着きのない集団だったが、徐々にばらけてきて走りやすくなる。
一つ一つ丁寧に処理をしていると、10番ぐらいまで番手を上げられた。恐らくではあるがどうしてもパワーが出せない分、下りで捨て身のノーブレーキや、キャンバー区間のセクション処理がすべてうまくいったことで、順位が上がったのだと思う。
途中に、同じチームのヨシくんに合流する。前には笛木くんと、コッシーが見える。スタート前にコッシーから「あと40年CXやらないとだから身体大切に!」と言われたけど、ほんとうにその通りだと思う。長生きして、続けないと。
レース中にコッシーの背中を捉える位置まで上がったが、この位置をコッシーが走っているのは何かトラブったのか、前日の疲れかわからない。普段ならもっと上位で走っているイメージ。
ただ、ペース配分やコーナーなど大変参考になるので、できるだけ見える位置に居られるように走った。
ヨシくんは平坦は辛そうだが、テクニカルセクションのクリアは流石の一言で、超速い。キャンバー区間では、リアを浮かせて方向を変えたりと、相変わらず上手いなぁと思いながらラインをぬすむ。
私の知る限り、コッシーは後ろに着くと美味しいラインをあえて外す「能ある鷹は爪を隠す」ラインを通る事が多いと記憶している。たぶん今日走ったラインも2番のラインかもしれない。ただ、ヨシくんはど真ん中ストレートで突っ込むから楽でひたすらついていく。
余談だが、うちの息子は「こっしーかっこいい」と毎回言う。多分ヘルメットとか、見た目がイケてるからだとおもうw、なお娘はトッキーと小森亮平のお兄さんがかっこいいと言う。妻は藤川さん推し。
ヨシくんと走るのはとても楽しい。一番難しセクションのところで、抜かれそうになったので、差し込んで入ったけど、安心して走ることができた。ただ、登り切れずストップしてしまったので反省。
そのあとは、1~2周一緒に走るが、少し離されて最終ラップへと向かう。前にはコッシー、ヨシくんが居るがなんとか1つでも順位を上げたいところ。ヨシくんをパスしたが、テクニカルセクションで一気に追い上げてくるので平坦で踏んだ。
20秒くらい離れて、目の前にコッシーをとらえるもペースがやっぱり早い。平坦で踏まれて結構離される。
最後に追い越せるかなと思いつつも、平たんで3~5秒さらに離され、最後のセクションからフィニッシュまでさらに差が開き、9秒差の7位でゴールした。
正直なところ、ここまで走れるとは思ってはおらず予想外な結果。ゴール後、少しばかりの達成感と、今日の調子でこれくらい走れるのならば、もしかしたらまだもう少し上を目指せるかもという期待も出てきた。
パワーデーターも低く平均183Wだった。前日は心肺に少々不安があったので166W程度と低かったが、疲れもあったものの2日目のほうが17Wほど高かったのは収穫だ。
おそらく、烏丸は平坦でバースト的なパワーが必要なものの、そこさえ我慢してしまえばテクニカルセクションを速く通過する能力が要求される。
今回はタイヤと空気圧がマッチして、キャンバーの苦手意識も無かったので、ごまかしながらも走れたのだろう。
ただ、パワーの出方は絶望的でフィジカルが完全に戻ってきていないことがはっきりとわかった。逆に1日目の166W、2日目の183Wでここまでのリザルト出るなら、前の60分250~260W出せてた時にもっと良いリザルト出せてたんじゃないかと思う複雑なレースだった。
おそらく、烏丸はパワーが必要なんだろうけど、一つ一つのセクションのクリア方法や、広いレイアウトを無駄に使わないようにするなど、通すラインの小さな積み重ねで表面に出てくるラップタイムに大きく影響してくるのだろう。
だからこそ、今まで無駄に走ってきたのかもしれないが、「パワーが無い今、どうやって走ろうか?」とずっと考えられたのは収穫だったのかもしれない。やっと元に戻ってこれたのかもしれないけど、まだまだ改善してフィジカルも上げていかないと。
1ヶ月以上前のことを思い出して、あの時投げやりにならずに続けてきてよかったと思える2連戦だった。今シーズンは本当に不運続きだが、体調管理には気を付けてまた次戦のレースに挑もうと思う。
諦めたらそこで試合終了だ。


























