関西シクロクロス第4戦マキノ高原に参戦。
マキノ高原はスキー場を使ったダイナミックなレイアウトが特徴で、過去に全日本選手権も開催された名コースだ。
マキノ高原の目玉だった立体交差のフライオーバーは姿を消したが、キャンバーセクションや、急な上り坂、一気に下るダウンヒル、登り返しなどフィジカルとテクニックの両方で高いレベルが求められる。
会場近くには観光名所のメタセコイア並木がある。紅葉の季節は観光客であふれかえり初めて見た時は感動したが、10年近くレースで通い続けていると「ただ木が並んでいるだけ」になってしまい感動は薄れた。
今回のレースは関西シクロクロスのシリーズ戦で1週間空いた。先週のワイルドネイチャーの連戦で疲れが抜けないばかりか、平日は多忙でほとんど自転車に乗れなかった。マキノは不安でしかなかったが、やれるだけやろうと走った。
マキノ コースレイアウト
マキノ高原のスキー場下部をダイナミックに使って、上り下りを合わせながら様々な地形を使ってコースが組み込まれる。以前よりもキャンバー区間が減り、より直線的かつパワーコースに変化している。
スタートは舗装路の直線を駆け上がる。右に曲がりながらゲレンデに入った後は、全体的に広めのコーステープが張り巡らされている。S字のコーナーを過ぎてから階段を処理して登りに入る。
階段後にちょっとした登りがあるレイアウトのわりには、ペダルキャッチをする時間の猶予が無い。そのため、飛び乗ったあとにすぐにペダルを踏み込めるように、階段を上っている間に右側のペダルを12~1時の位置に手で回して調整し事前準備をしておいた。小さな準備が1秒を稼ぐ。
V字キャンバーは例年よりもかなりイージーで、下まで降りずともある程度スピードをつけたまま右側の杭とテープを押し出して100%乗車可能だった。雨が降ると乗車は難しかったとは思うが、この日は普通のV字キャンバーだった。
その後に登場する直登の登りは左か、右かで悩んだが右側の方が通過スピードが速く次のバンクの下りもスムーズに行けたことから右の登りを選んだ。そのあとはキャンバーを斜めに下るが、滑りそうで滑らず、意外とグリップしたためスピードをつけて降りることができた。
最高到達点の激坂登りは、一部砂が崩れてトラクションがかけずらい。一気にスピードをつけて登った後、できるだけ低く芝が残っている地形を走った。後半になるとこの区間がきつくなるだろうなと思っていたが、ギアが足りなくなることはなく何とか走り切ることができた。
ただし、下っていく途中に砂があるためフロントがとられると左側にオーバーランしてしまう。実際にこの区間で何人ものライダーが落車やオーバーランしていた。正解は無数にあるのだが、最高到達点から下る時にやや外側にラインを通ってからイン側の杭をつくように走ると砂を回避できた。
長い直線の下り区間は単純に下っていけばいいが、スタビライザーがついていないディレイラーはチェーン落ちをする場合がある。一つ気になったのは、サドルに座って直線の下りを走っているライダーがいたが、衝撃をもろに受けるし危ないから立って下ったほうがいいと思った。
下っているときはスタンディングでかかとを落として振動吸収する。MTBといっしょだ。こういう時にMTBで練習した技術が生きてきてなんか得した気分。ゴセ選手、横山選手、小森選手の映像を見たけど下りでカカトを落として振動吸収する動きが巧みだった。
一気に下った後は、登り返しがある。しかし、ここで休んではならない。短い区間だが、フルパワーで走る必要がある。そのあと休めるのでここで前に進む必要がある。うねうね区間を走ってホームストレートへ。
走ってみてわかったが、芝が重くて進まないし、登りはきついしで超パワーコース。
フィジカルある人が上位行けるレイアウトだが、テクニックも無いとタイムロスになる。全体的に流れを止めないように走れれば良いが、全体的にスピードコースで小さなミスで一気にタイム差がついてしまう。
というかんじで、難しいコースだ。
マキノE1 14位
- タイヤ:IRC SERAC CX(前後)
- 空気圧:F 1.65, R 1.71bar
- スタートオイル:イナーメCX、HOTv2
- ギア:42 x 11-34
- インナー:ファイントラックドライナミック
自分のレースの前に娘がCK1を走るのだが、今回はマキノの斜面を走るということもあり非力な娘は四苦八苦していた。京都車連のなおみちゃんが押して下さって何とか走り切れました。ありがとうございました・・・。
あとのレースも控えているし、迷惑になると心配していたのだけど、顔を真っ赤にしながらマキノのコースを2周目も走った。頑張って走る姿を見ると、自分も頑張って走らないとなぁと思った次第。
スタートゼッケンは22番。普段の関西シクロクロスメンバーに超強い人達がさらに追加される構成。ゴセ選手や横山選手を中心にレースが展開されるという大方の予想通りになったが、私としてはフルラップしたいという目標のほうが強い。
ただ、試走の段階でめちゃくちゃカカリが悪いと思っていた。試走をしていても、リズムやツナギのイメージが悪く、どんどん抜かれて気分的にはあまり良くなかった。ゴローさんと話していたとき、後ろ向きな言葉がのどまで出かけたがグッとこらえた。
弱音を吐いたところで何も変わらない。ただ、明らかに烏丸やWNPのようなかかりのよさが明らかになく、パワーも数値的に出ておらず不安だったのだ。だからウォーミングアップは念入りにした。
マキノという立地と標高、雨あがりという条件で気温が寒かったためレース前にイナーメのCXオイルを塗りまくった。おなかには「マグマ」を張る。8時間以上持つホッカイロ的な物で、寒いレースの時は必ずつけている。なんならこれからの時期はおなかに張るホッカイロは必須だ。
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効果はわからないのだが、おなかをよく温めるとアップの時に腸腰筋の動きがとても良い感じがする。あとは、「せんねん灸太陽」を三陰交に張ってレース中もおなかには「マグマ」これ寒い時期に体を動かす際におすすめです。
ウォーミングアップでの仕上がりのかかり具合は8割。やっぱり2週間好調が続くと相対的に調子は悪いとすぐにわかる。
スタートは3列目一番左から。マキノの左側スタートはあまり良くない。過去に落車、ペダルキャッチミス停止選手があったが、今回も前の選手が止まった。やはり左側は呪われている。あたるちゃんが後ろだったので申し訳ない感じ。
不思議なことに、左側からスルスルと抜けられて、珍しくスタートループも混雑なく進んだ。いつもならズブズブ抜かれてしまうがどうしたんだ今日は。先頭の10人ぐらいは丁寧かつスキルに富んだ選手ばかりなので、無理せず、混乱なく、割り込みもなく平和に進む。
その方が速いことを知っているからだ。
2周回目で落ち着いてからは、どこかでパックになりたい思っていた。マキノはパワーコースでスピードが出るから、パックで走るほうがラップタイムがいい。
V字キャンバーこそ序盤は下車したが、目立った混乱なく序盤のうちに綺麗にばらけた。9~13番手のパックらしきものに入り、笛木選手、井上選手らの後ろについてこのまま行きたいなと思っていた。
このレベルの選手になるとめったにミスもしないし、変なラインも通らない。どんなに路面が悪くとも、安心して数十センチ後ろを走れる。
ただ、問題だったのは自分の走りだった。ひとつの区間区間ごとの処理が遅く、タイムロスしてしまった。次第にパックとの間が空いてしまう結果になった。コーナーとコーナーのつなぎで踏み込み続けられず、
下りの直線は良かったが、特に登り返しに入る時の侵入スピードを思ったように上げることができず、立ち上がりが遅くなってしまった。
直登の登りで詰めようと思ったが、さすがに皆フィジカルがある為ほぼ全開で走ってもタイム差が着いてしまう状況だった。芝がとにかく重いのだが、抵抗を低くしようとスリックタイヤを使うと今度はグリップを失ってしまう。
そのため、前後IRC SERAC CXを使ったが正解だったように思う。空気圧は0.3bar下げて若干グリップを稼ぐほうに振った。
マキノは登りが多くフィジカルがかなり要求される。ロードでいうなら、登り系のフィジカルが強い選手がわりと有利だ。最近はパワーがそれほど出ていないので、登りで詰められるのはまずいので、登り返し区間は序盤8割、後半はフルパワーという登り方をした。
これで、後ろからくる脚のある選手に詰められないようにした(つもり)。実際いつも私よりも上位の選手達との差を微妙に保ちつつ先行できた。
そうこうしているうちに、運よくコータ(NEB)に合流する。確実に堀川選手のほうが速いので後ろについて連れて行ってもらいたかったのだが、途中で息を吹き返して先行して行ってしまった。スマートなバイクの乗り方好きなんだよなぁ。
あれについていけたらなぁ、と思っていたがコーナーリングや走りの巧みさは1コーナーごとに離されていったのでまだまだ純粋についていくのは厳しそうだ。
走っているとゴセ選手に抜かれてラップされた。その後、藤川先生が忍び寄ってくるいつもの展開になった。何とか逃げたいのだが、フィジカルとテクニックを考えるとすぐに詰められるような状況。結局藤川さんに吸収され、後ろについて走った。
藤川さんと走って気づいたのだが、登りのコーナーとコーナーでもしっかりと踏んで進んでいる。私は足を止めて休んでしまうクセがあるのだが、この無駄は練習で直したいところ。シクロクロスは小さな動作の積み重ねが1秒の削減につながる。小さい改良を積み重ねていく必要がある。
後半になるとV字キャンバーをクリアする時間が遅くなった。下車するほどではないが、パワーを削られていく感じ。直登したあとは左の芝を走って泥を音品がら走った。小さい小細工を駆使しながら何とか藤川さんを追うがなかなか詰らない。
最終ラップは全開で踏むが、体力の消耗が激しく、止まるような速度で上り坂を登った。藤川さんとの差は結構開いており追いつけない。残りはミスをしないように丁寧に走った。
結局は最後まで踏ん張れず、堀加選手、藤川選手から脱落して14位だった。
レースを振り返って
マキノはパワー系かつテクニックも必要なコースだ。今回は序盤に運よく先行できたため、後から追い上げてくる選手達との差を広げるために考えながら走った。普段、自分よりも上位の選手たちから追いつかれなかったのは、緩急をつけた走り方がハマったからだと思う。
しかしながら、客観的にみるとラップタイムを安定して刻めなかったという事実は、単純に走りにムラがあり、後半にタレようにも見える。力不足だと思う。
実際にゴローさんがピットから「上体が寝てきている」というアドバイスが聞こえてきて、かなり体力を消耗していたことは間違いない。それでもミスらしいミスは1回だけだった。ラップタイムは安定しなかったが、走行自体は安定したように思う。
フルラップがしたかったのだが、フィジカル、テクニック双方がなければフルラップは難しいだろう。目標達成できず、思うようなリザルトではなく、残念な結果だった。シクロクロスは無慈悲で、コースに対してフィジカル、メンタル、機材、全て合わせて実力通りのリザルトしか出ない。
初戦から考えると、はっきりと順位や走り方の調子が上がってきているのは励みになる。とはいえ、普段の練習の方向性が本当に正しいのかは手探りだ。最近は仕事など自転車以外に優先すべきことが多く、基礎練習を取る時間すら確保するのに難儀している。特に夜勤明けのレースはかなりつらい。
それでも、シクロクロスは好きだから、まだまだリザルトを上げられるように走りたい。次戦はマイアミ。苦手な砂だけど、また順位を上げられるように地道に取り組みます。今回も応援ありがとうございました。
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