アンドロイドを搭載したサイコン
パイオニアペダリングモニターのサイコンに搭載しているアンドロイドについてだ。はじめにGX-CA900に搭載されているAndroidOSやその仕様について見て行く。
パイオニアペダリングモニターの特徴は、ペダリングをパワー、効率、ベクトルを12分割(30度毎)しデータストリームとして送信する。1周360度なので30度毎、12分割だ。従って独自のサイコンが必要になる。
今回は、GX-CA900に搭載されているAndroidOSについてだ。
スマホのアンドロイドとは違う
Android(アンドロイド)といえば、携帯電話に搭載されているメジャーなOSだ。しかしGX-CA900(サイコン)に搭載されているOSは携帯電話のAndroidとは異なる。正しくは「Androidベースの組み込みシステム向けOS」だ。
そのディストリビューションとしてEmbedded Master(EM)を搭載している。LinuxでいうディストリビューションのCentOSや、Fedora、相当するのがEMだ。EM2はAndroid2.0がベース(2011年当時 Linuxカーネル2.4)である。
なぜ携帯のAndroidを使わなかった(使えなかった)のか考える。Androidは携帯電話を作る為、いわば携帯電話としての”機能を盛り込んだ(盛り込みすぎた)”携帯電話に特化したOSだ。
そのためソフトウェア自体の容量が肥大しすぎ、より小さなGX-CA900のような装置への導入は容量の関係上厳しいなどの問題があったのではないか。特にAndroidは開発の際にプラットフォーム部分には直接手を入れることかできない。
携帯電話に制限された仕組みを、組み込み型のようなサイコンに流用する事ができないということが、ネックだろう。EM2はそのようなプラットフォーム依存の問題を解決しているのだ。
アップデートはPCから行う
パイオニアのサイコンをアップデートしたその際に感じたことがある。ガーミンと違いアンドロイドは拡張性がある。今後もバージョンアップで機能追加が行われていくと予想する。アンドロイドのサイコンが魅力的なのは、装置としての機能拡張性だ。
例えば、現在搭載されてるペダリングの分解が12個の磁石で30度毎を擬似的に15度に変えたり(妄想)、ペダリング解析を助ける機能を追加でき、さらに追加機能売ることができる。といった旨味がある。
今現在のパワーメーター市場は飽和している。どれも似たり寄ったりだ。出力を表すのみにとどまっている。そして”パワータップと比べて精度”がどうだとか、温度変化への影響といったハードウェアの話がおおい。
それらの話は至極当然ある。しかし時間がたてば、デバイス側が賢くなりいづれ問題にならない。事実パイオニアペダリングモニターは温度を学習するのだ。
これから必要なこと
今後パワーメーターのシステムとして必要な事がある。”ワットを表示するだけ”の機能から脱却することだ。QuarqやRotorPowerが左右バランスの比率の機能を追加したように、ペダリングを解析する機能を追う事にシフトしていく。
付加価値を付けないと、売れない時代になった。しかしパワーメーターにおいてまだ追加すべき機能は有る。そういう意味でパイオニアのメーターは、拡張性に富んだアンドロイドOSであり、将来性があるのだ。
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