関西シクロクロス 琵琶湖GP MM40に出場。
本大会はJCXシリーズ戦でもあり、全日本選手権のスタートグリッドにも影響するポイントが付与される。今回は年代別MM40で出場した。琵琶湖GPとあるが、関西CX的に表すと「烏丸(からすま)」のほうが馴染み深い。琵琶湖というと砂の「マイアミ」なのだが今回はキャンバー地獄の烏丸だ。
コースは烏丸半島全体を使う。かつては風力発電機があったが、2017年に廃止され2019年に撤去された。現在は遊休土地だが、2028年に人工サーフィンができる複合型観光施設「WAVE PARK BIWAKO」の開業が予定されている。
烏丸で走れるのも数戦かもしれない。
烏丸といえば、2年前にE1カテゴリで3位初表彰台に入った場所。今年はあまりふるわないリザルトが多く、表彰台はまた夢のゆめだと考えていた。スタートリストにも名だたる名選手が出場しており、より表彰台は難しいという印象だった。
数々のシクロクロッサーを苦しめてきた、キャンバー地獄の烏丸に挑むレースレポ。
琵琶湖GPコース
例年のコースから一部が変わっている。第二駐車場の北側エリアを大きく刈り込んでダイナミックなレイアウトになった。どうしても日本のシクロクロスコースは狭い会場を使うためコーナーが多くなるが、今回の烏丸は直線的なスピードコースに変化している。
海外の映像で見るレースでも似たようなレイアウトが多い。選手がパックになりやすく、観客が展開を楽しく見れるレイアウトだ。試行錯誤を重ねる関西シクロクロスの運営者の方々は相変わらず素晴らしい。
スタート直後は博物館側のキャンバーを通る。上側からでも行けるし、下側からでも行ける。ただ、上下どちらを走るかよりも、入り口をどう入るかその進入角度のほうがレース中は大事だった。外側、内側どちらかでも入れるように試した。
キャンバー区間が本格的に始まる前に、激坂登りがある。ちょっと登れなさどうだったので、押し上げで対応した。ちなみに、エリートの上位5~6名の選手たちは登っている。
キャンバー区間に入ると、V字キャンバーがやや難しい。エリートのレースの後でさらにコースがズルズルになったが、意外とトラクションが働き乗車でクリアできた。脚を外さずバランスを取りながらペダリングしつつ、クリアできたのはMTBをやっていたおかげかもしれない。
そのあとの壁の直登は、直前に泥があり飛ばないと登りを乗車でクリアできない。私は大人しく飛んで押し上げで対応した。MMカテゴリであれば、そこまで差が生じないので逆に休む区間と考えて登った。
平坦区間は烏丸半島を大きく回って、比較的低めのバリアを超えて下り区間に入る。例年通り、MMクラスは最後のキャンバー区間が省略された。登り返してスタートに戻る。
烏丸といえばキャンバーがシクロクロッサーを苦しめる。苦手意識があったがこの日は空気圧を0.3bar下げて対応した。タイヤグリップも良くずり落ちていく感覚も無く走れた。
琵琶湖GP MM40 3位
MM40にはMM40チャンプ村田さんが居るのでどこまで食らいついていけるかがカギ。いつも会場入りする時間が同じなので今回も車が横だった。エリート男女のレースを椅子に座りながら見て、1時間ぐらい話していた。村田さんのトレーニングは結構意外だった。能ある鷹は爪を隠しているんだろうけど。
この日の共通認識だったのは、スタートリストに白石真悟さん、松木さん、兼松大和さんらロード界、MTB界、ヒルクラ界のレジェンドが出場してどうなるかが未知数だったこと。特に松木さんはオキナワ後でギンギンに仕上がっているし、兼松さんは先日のTTで全日本チャンピオンになった。
白石さんは言わずもがな、レジェンドでロードのみならずMTBでも数々の戦歴がある。ロード、MTBでチャンピオンを取ったし、オキナワ210kmも制覇している。自転車乗りで白石さんの名を知らないひとは居ないでしょう。
36隊の岩田選手も全日本エリート完走できるレベルなので魑魅魍魎と化したMM40クラス。ただ、いつもそうなんだけど、ロードでも普段の練習でも松木さんと久しぶりに走れるのがとても楽しみだった。ここまで復帰したのは、感慨深い。
いつものピドコックがやっているCXのウォーミングアップやる。かかりも良く、脚の動きもよい。
スタートは11番目。悪くはない位置なんだけど、右か左かで迷った。結局右側の芝は重くスタートで失速してほぼ最後尾付近にまで下がってしまった。相変わらずキャンバー区間は渋滞していたが、なんとかトラブルなく抜けると先頭の村田さんはコーナーに入りかけている。
この時点で人数を数えると20番ぐらい。このままこの位置でキャンバー区間に入ると相当まずい。平坦で脚を使ってでも抜けるだけ抜く。1周目の後半登り終わり頃には7~8番目ぐらいまで上がることができた。
2周目はパックでついていく。白石さんらが一緒で後ろについて走ろうと思ったが、烏丸はパックになっていると他人のミスに巻き込まれる可能性が高いため多くても3人、できれば2人ぐらいのパックのほうが都合がいい。
はじめのキャンバー区間の手前で、パックを抜いてそのあとは後ろを見ずにひたすら踏んだ。この日のベストラップだったが、オーバースピードになるギリギリだのところで走った。周回を重ねていくと、白石さんと2人になった。しかし、白石さんが徐々に先行していく。
その時に、ピットから「お前!今日勝たないといつ勝つんだよ!」と声をかけてくれる方がいらっしゃったので、誰かなと思っていたらゴローさんだった(w 「白石に追いつけ、勝て!」と応援を頂いて、結構本気でパワーが出るようになった。声かけ大事です。
恐らく白石さんは後ろから選手たちを観察しているようで、徐々に上がってくるだろうと思っていた。実際、白石さんに追いついたり、抜かれたりしながら周回をこなす。テクニックやフィジカル面で白石さんのほうが上だとわかっちゃいるけど、MTBやロードで格上の選手とこうやって走れるのは脳汁が大量に出た。
V字キャンバー区間は思ったよりも上手くいった。ペダリングをしながら全て乗車で走ることができた。ここを乗車できるのと出来ないとでは結構な差がつく。ノブをひっかけるというよりも、タイヤの面圧をかけ続けて、足を外さずにトラクションを上手くかけて前に進ませながら粘る感じ。
途中、白石さんがペースダウンしたがメカトラだったようだ。ピットでバイク交換をして先行するも、1周ほどで追いつかれ、離される。「ああ、白石さんさすがに強いわ」と思いながらピットを通り過ぎると、ゴローさんが「自分を信じろ!」という声が聞こえる。
走っている選手の心理状態、本当によくご存じだなぁ。と半ば感心しながら2度目のパワーをもらう。ゴローさんの語録カレンダーの実写版をリアルタイムに受けているようだった。
最終周回は白石さんと2人で入る。色々と考えていたのだけど白石さんとMTBやロードを走ったら、絶対にこんな展開はありえない。もっとタイム差を付けられてしまい、レースにならないと思う。最終周回までもつれこむなんてことはないだろう。
シクロクロスという異種格闘技だからこんな展開が起こる。
すでにタイム差を考えて村田さんに追いつくのは難しく、2位争いだ。キャンバー区間を超え、登り返して平坦に入る時に白石さんが一気に前に出てくる。もはや燃えカスで踏めないが、気合で踏む。そうすると、ゴローさんが「燃えカス燃やせ!」と言ってきたのだが、なぜ私の心が読めるのか不思議だw
そう、今は最後の燃えカスを燃やす時間帯。
抜かれたが、ゴール最後まで何が起こるのかわからないのがシクロクロス。8秒差ぐらいついていたが、これが埋まらない。最終コーナーをもがいて6秒差で3位だった。惨敗だった。白石さんはメカトラで止まっているし、何度も引き離すチャンスはあった。それでも勝てなかった。
この日はいつも大事にしている「ラップタイムをできるだけ整えること」を意識して走った。しかし、対人とやりあう場合はラップタイムを刻むことよりもレース展開を優先したほうがいいのかは判断に悩む。
スタート直後はともかくとして、後半は1秒以内にラップタイムが収まった。後半に崩れやすいことが続いていたが、綺麗に1秒以内に収まっている。
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今年のリザルトを考えると、村田さん、白石さんに次いで3位は出来過ぎだと思う。何より、見ているほうも面白かったそうで、最後まで白石さんと抜きつ抜かれつのレースはドラマがあったそうな。
で、肝心の妻と子供たちはレースをレースを一切見ておらず、琵琶湖博物館に行っていたそうだ。村田さん家もそうだったようだ。とはいえ、久しぶりの表彰台は単純に嬉しかった。何より、村田さん、白石さんと同じ表彰台ってのがまた良い。
今年は思うようなリザルトが出せないけど、一つ一つ改善して基礎練習を重ねていくしかない。フィジカルも上げる必要がある。
この日は走っている位置も良く、多くの応援を頂いた。いつも走っている位置とは違い過ぎて、「IT今日どうした!?」なんてレース中に質問された。案の定返すほど余裕はありませんでした。でも、応援ありがとうございました。
次回は愛知WNPでJCFシリーズ戦MM40。全日本前最後のレースになるけど、全国から強いおっさんたちが集まって来ると思う。どこまで走れるか楽しみながら挑戦したい。初戦から徐々に順位は上向いてきているけど、こういうときこそ抜かりなく、地道に、あたり前のことをやりつづける。
今週もコツコツと基礎練習です。