SMART ENVEの生みの親が開発!世界最速のエアロスーツENDURA D2Zとは

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ざっくり言うと↓

  • SMART ENVEで有名な”SMARTさん”が開発。
  • 市販品で世界最速のエアロスーツ。
  • ゼッケン一体化www

photo:endurasport

SMART ENVEの名前の由来にもなったSIMON “SMART”(サイモン・スマート)氏が開発協力したエアロスーツが……ヤバイ。。。とにかくエアロダイナミクスに優れ、現在手に入るエアロスーツ(ワンピ)で最も空気抵抗が小さいというのだ。開発されたエアロスーツには、新開発のSST(surface silicone topography)が搭載されている。

SSTというと、トレーニング用語の「スイートスポットトレーニング」と混同してしまいがちだが、全くの用語だ。Surface Silicone Topography(以下SST)は文字通り、表面にシリコンの「くの字形」の立体素材を施しており、このSSTが空気の流れを整え、エアロダイナミクスを向上させている。この特殊な構造を見て思い浮かぶのは、競泳水着のSPEED社レーザーレーサーだ。

今回の開発には、あのSMART ENVEの生みの親でもある”SIMON SMART氏”が携わっている。あわせて風洞実験室のD2Z(drag2zero)で徹底的にテストが繰り返された。そして最速のエアロスーツが生まれることになった。

今回は、入手できるエアロスーツの中で最も速い実験結果が得られた「Endura D2Z AERO RoadSuit」をご紹介する。新開発のSSTとはいったいどのような仕組みを備えているのだろうか。

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Endura D2Z

Endura D2Z Aero 2018、Roadsuitデータチャート

今回のテストは実に挑戦的だ。D2Zラボは、比較対象のブランドを名指しでテストしている。なんともアメリカンである。SPECIALIZEDやTREKも同様に、他社フレームを名指しでテストしているが、アチラの国ではプロモーション戦略的にアタリマエのことなのだろう。

今回テストされたエアロスーツは、カステリボディペイント3、ビオレーサー、アソスと有名ブランドが名を連ねた。その中でも最もエアロダイナミクスに優れていたのが、今回話題として上がっているEndura D2ZAERO RoadSuitである。

これはサイクリストにとってとても魅力的な”機材”だ。サイクリスト達は、常に最速を求め続ける。でも、なぜだろう?
空力抵抗を低減していくことは、出力に対するスピードが向上する。そして、より低い出力でもライバルと同じスピードを維持できる。これらを達成する効果的な方法として、エアロダイナミクスの向上が望まれる。 サイクリストと空気抵抗は、全くもって切っても切れない関係だ。

サイクリストが受ける抵抗の、およそ80%は空気抵抗だ。サイクリストへの抗力を低減することは、物体を進ませる上で最も大きな意味を持っている。 よって、エアロスーツやヘルメット、シューズカバーの選択は、スピードを高めることや、タイム短縮に重要な要素となる。

ただ、エアロスーツは体に密着していればどれもこれも同じに見える(以前は密着しているだけで良い、という考えで止まっていた)。しかし、やや飽和してきたジャージ素材の変更技術だけではなく「生地表面に整流効果を持たせる」というアプローチをENDURAとD2Zは考案してきた。

この素材の表面に特殊な加工を施すのは、ビオレーサーはスリット式の凸凹状の生地が思い浮かぶ。こちらもトラック競技で実戦投入されているが、今回のENDURA D2Zはまた別の技術だ。

ほとんどのジャージメーカーは、エアロダイナミクスを最適化するために「縫い目」だったり、ジャージの「カット」に注目する。しかし、Enduraが開発したD2Zシリーズは、これらとはまったく別のコンセプトを採用した。ジャージ表面に、特殊なパターンのシリコン(SST)を直接印刷し、空気抵抗を削減する構造を開発した。

今回、様々な風洞実験を繰り返し開発された「SST(surface silicone topography)」とはどのような技術なのだろうか。

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SST:surface silicone topography

SSTは、生地表面にシリコンを融着している。生地表面を空気が抜ける際に、整流効果をもたらし、エアロダイナミクス向上に寄与する。この技術は、EnduraとSimon Smartが協力してDrag2Zeroラボで開発(新技術として特許出願中)された。

SSTを用いた実際のテストでは、ワールドツアー選手が参加し検証された。このSSTはD2Zラボの風洞実験室で数年間にわたり研究された成果だ。シリコンのパターン(3Dシェブロン)は実験データーから得られた最適な位置(上腕部と側面)に配置されている。結果的に、体の周りの気流を整え、エアロダイナミクスを向上させ、サイクリストが受ける抗力を低減する。

今回のアイデアは、他のスポーツから見るとやや後発だ。空気の流れを整える発想は、トヨタの「アルミテープ」もそうだし、水泳のレーザーレーサー、よく知られている技術はゴルフボールのディンプル形状(ATOMICのスキー板やLAZERのヘルメットに採用)がある。

自転車界は、エアロダイナミクスの技術が進んでいると思いきや、この手のエアロスーツは少なかった。今回のSSTは、独自の構造でどのエアロスーツよりも、エアロダイナミクスに優れている。

今回のENDURA D2Zスキンスーツはエアロダイナミクスをトコトン研究している。そう、ゼッケンのすき間だ。日本のアマチュアサイクリストの間で密かに使われている「ゼッケンのスキマ」を埋める取り組みも施されている。

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エアロゼッケンポケット

Endura D2Zエアロスーツには、1%でも空気抵抗を減らしたいサイクリストの為に嬉しい機能が備わっている。それは「ゼッケン専用ポケット」だ。バカ高いエアロスーツに安全ピンを刺す愚かな行為は、今後は無くなっていくかもしれない。だれもが、エアロスーツに穴を開けたくないと思う。

Endura D2Zエアロスーツは、もはやそんな心配は無用だ。エアロゼッケンポケットは、薄い半透明のメッシュが付いており、ゼッケンを格納することができる。ちなみにUCIは当初、これらの「皆が喜ぶ画期的な構造」を禁止していたが、なんと現在(2018現在)ではUCIがメッシュポケットを承認している!(らしい:ソース見つけられず)

ということは、「エアロゼッケンポケット」の開発を、各社が一斉に行う事は目に見えている。ENDURAはいちはやく実用化し、現在、販売にまで至っている。そうなってくると当ブログの誰得記事「ゼッケンの隙間を埋めて~」は無用になるのだろうか?いや、そうはならないらしい。

「ゼッケンのスキマ」を塞いで、40kmTTで8秒縮めるソリューション "予算431円"
結論を先に述べよう。ゼッケンのあのスキマを埋めると、40kmで8秒短縮できる。そのスキマを埋める際に、私は様々なテープを試したが「日東電工 再剥離可能強力両面テープNO5000NS 20mm×20m」というテープがジャージと、ゼッケンに...

この「エアロゼッケンポケット」は、ENDURAのエアロスーツのみに採用されており、通常のジャージには備わっていない。したがって当分ニットー5000番の出番は無くならないだろう()。これからのジャージ開発戦争は、「表面特殊加工」と「ゼッケン一体化」「軽量化」の3点になると予想している。

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まとめ:既にD2Zは購入可能、なのだが……

あまり大きな声では言えないが、このSMARTさんが開発した世界最速のエアロスーツは、日本では未発売だ……。しかし、今回の発表後すぐに某自治区(ガイツー系サイクリストのスラング)で購入可能だった。。。当ブログで掲載後、何らかの圧力がかかり、購入できなくなってしまう可能性も充分ある(先手必勝)。


Endura D2Z RoadSuit

ワンピはこれ。


Endura D2Z Encapsulator Suit

長袖ワンピ。


Endura D2Z S/S Jersey

ジャージ。


Endura D2Z Bib Shorts

特殊シリコン加工が施されたパンツ。

今回、全てのラインナップがまだ購入可能な状態にある(2018/03/22執筆時点)。ホイールに何十万もかけたり、エアロロードに何十万もかけるなら、ENDURAのエアロスーツを購入したほうが費用対効果は高い。確かにジャージとしての価格は高いが、エアロダイナミクスを改善する価値は、相当高い”機材”と言える。

ライダーとバイクをそれぞれを1つの物体と見た時、空気抵抗をモロに受けるのは、フレームよりもライダーのほうだ(明らかに前方投影面積が大きい)。およそ80%を空気抵抗で消費するのだから、エアロダイナミクスに優れたフレームに変えるよりも、エアロダイナミクスに優れたエアロスーツを着るほうが理にかなっている。

フレームに50万払うよりも、エアロスーツでの空気抵抗削減のほうがコストメリットは大きい。そして「着るだけ」で実現できる。ただ、昨今の巧みなプロモーションで、「エアロフレーム」「エアロホイール」という機材についつい目を奪われがちだ。納得し難い自分自身の整理として、どのようにエアロスーツ捉えるかは、一人一人考え方次第だろう。

もしも、TTでチームジャージの指定が無いレースならば私は「Endura D2Z AERO RoadSuit」を投入する。5月の美山タイムトライアルと、鈴鹿TT等が該当するが、手が滑ってポチりそうだ。世界最速のウェアは「着るだけ」のお手軽さなのだが、このような商品がすぐさま市販されて、購入できることは、なんとも良い時代になったものである。


Endura D2Z S/S Jersey