stages powerのセンサーを探る
様々なクランクに対応しているのがStages Powerだ。しかし、ひずみゲージには制限がある。金属がひずむ特性は、形状により特性が異なる。それゆえStages Powerは、金属系のクランクにしか対応していないのだ。
とするとカーボンクランクはどうだろうか。残念ながら対応していない。SRAM REDのクランクと、カンパのクランクはカーボンアームなので対応しない。カーボンは特にひずみが経年変化で変わってしまうからだ。
センサー部について詳しく見ていく。
Stages Powerの計算方式
- P2*((Fav*9.8*L)*(R*0.1047)
- 上記の式から出力の計算を行なっている。
- P(w):ワット
- Fav(kg):回転毎の平均力
- 9.8:重力加速度
- L(m):クランク長
- 0.1047:定数
この0.1047はROTOR POWERのトルクの話で出てきている。気になる方は参照して欲しい。トルクと回転数の積なので、1回転が2πラジアンであり、それを60秒で割ると0.1047という係数が算出できる。
Stages Powerの利点
左クランクで計測する利点について。スパイダーアーム型と比較することわかる。スパイダーアーム型で測定する場合、チェーンリング、スパイダーアーム、ク ランクといった機材の駆動損失からアルゴリズムを用いて出力を計算している。
この際にチェーンリングが一番ネックとなっている。各社とも剛性が違うチェー ンリングなのでQuarq社の場合はチェーンリング交換後、対応シートに従ってQualvinとiphoneを用いて補正しなくてはならない。また、左クランクで測定することは、チェーントルク、ドライブトレインといった駆動部分の駆動損失を、複雑な計算式を用いる必要がない。従って、フィルタリングし出力を算出する手間を省く事ができ、スパイダーアーム型よりも計算が簡素化することができる。
stages powerの構成
Stages Powerは校正の必要は無い。データの結果をベストに保つ場合は、0リセットを実行する必要が有るようだ。
Stages Powerは接着剤でついている。その耐久性は4000psiだ。ちなみに4000psiは281kgf/cm2程。Stages Powerの重さは20g。形状は横65x縦30x厚み10。この中にバッテリーやケイデンスセンサーなどが内蔵されている。
Stages Powerの材質は、防弾ガラスと同じ、ポリカーボネイト製だ。クランクの内側に設置されていることからも落車時の破損も外のメーターと比べて一枚上だ。
スマートフォンとの親和性について。Stages Powerは加速度計ベースのケイデンス測定を内蔵している。この点はP2Mと同様であるが、ANT+とブルートゥースの両方のプロトコルに対応している。
ブルートゥースの使い道としてはiPhone4SやiPad3を用いてファームウェアアップデートが行える機能を有している