Stages Powerを開発者が説明する

Stages Powerの技術者が製品を説明している資料から。Stages Powerには興味があまりなかったのが本音だ。しかし読んでみて全く異なる意見を持った。パワーに対する技術者による”思想”が出ていると。

温度変化によるひずみゲージへの影響、そして測定値の狂いについて。そして、測定方式(ハブ内蔵式、スパイダーアーム式)による測定値の誤差についても触れられている。

まずStages Power側の主張は、Powertapやスパイダー型、ペダル型に比べてダイレクトにクランクアームでデーターを取得できる点だ。別の意味で言うと、データーに余計なノイズが入らないという利点を有する。

Power Tapの場合ドライブトレインの駆動損失が影響する。スパイダー型のチェーンリングはクランクの剛性特性が関係してくる。Stages PowerはPower Tapと比べると誤差はおよそ2%である。

ペダル式とは4%の誤差が発生するとの結果が出ている。面白いのは他のブランドの測定誤差+/-2%よりもStages Powerの測定誤差2%の方が”確からしい値”であるそうだ。

また、Stages Powerの+/- 2%の精度についてはある”特定の”条件下における測定精度である事と、そして、Power TapとStageの測定差分についての見解がだされている。

以前なぜ金属アームのみなのか?(ひずみゲージを用いているのでクランクによって特性が異なるから)という事を書いたが、その点についても触れられている。そして、片側測定方式と競合するSRM,Quarqについて比較し特性の話が興味深い

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Stages powerの精度

Stage Powerは左側の出力のみ計測している。その方法はどのように行なわれているのか。それは単純な計算だ。計算式は過去にも当ブログで掲載しているので割愛する。

簡単にいうと、ドライブトレインのフリクションロスか考慮しなくていいから計算は単純だ。SRM,Quarq,Power2Maxはクランクスパイダーのひずみによって計測しており、両方のarmsから出力が成り立っている。

システムの精度を試験する為に、CycleOpsのPowerTap SL+をリアにデーター受信は複数の装置を送る。2つの方法で測定を行った所、双方のファイルにおいて平均出力の差異は3%発生していた。

Stageは左側出力100ワットの時に90rpmで測定した際に、+/- 2%の精度で見積もられており、CycleOpsの場合は+/- 1.5%で見積もられている。可能性として食い違った理由はドライブトレインの損失がある。

なお、Stageの報告ではPowertapの平均出力値よりも若干高い値を出すそうだ。2つの出力ファイルのデーターを眺めていると、確かに最大値や谷や山は同様に見えるように思ってしまう。

それはそうだが、全体的に簡単にデーターを眺めてみた程度の正確さにしかすぎない。

Stageはアルミ製のアームしか販売していない。なぜか。Stage社はデュポン社製ポリエステルフィルム樹脂製の外皮と金属箔のひずみゲージの「曲げ」でシステムの測定を頼っている。

言うなればその仕組で出力測定を行なっているのだ。正確さと一定の性能の為には、ひずみゲージは金属(アルミだったり、スチールだったり)に適応した物でなくてはならない。

例えば競合するシステムであるSRMやQuarqを見てみると、それらのスパイダーアームはアルミである(ひずみゲージはその中に配置されている)。かたやStageはアルミニウムのアーム自体にセンサーを取り付けている。

Stages Powerのクランク長

そもそも異なるクランクへの互換性はあるのか?例えばアルテグラのクランクを買ったとする。でも2年後にキャノンデールのクランクを買った場合載せ替えはできるんだろうか。

それは残念ながらできない。なぜならシステムはボンドで貼り付けられている。そしてクランクアームそれぞれ独自の取り付け位置があるので載せ替えることはできない。

では、いま使っているクランクをStageの工場に送ったらセンサーだけ取り付けてもらえるんだろうか?恐らくそれはできない。新品のクランクのみ工場で取り付けている。

stages powerの精度

一つのクランクで計測される値はどれくらい正確性があるのか?Stagesの主張はこうだ。他の会社のパワーメーターと同様に測定精度は+/-2%である。しかし他の会社を含めた広範囲のパワーメーターは、その測定精度に対しての検証がしっかりなされていない。

何に対しての測定精度であるか、が重要であると言いたいらしい。上記の主張は少し違っていると私は思う。私が調べたデータを紹介する。Power2Maxは業務用のエルゴメーターCyclus2 Recordtrainerを使って測定している。

power2maxの出力を計測し、非常に高精度な値を出している。(ただし気温や条件の良い整った環境下での話)かたやROTORPOWERに至っては、もともとのA.I.Pが製造しているMEPにおいて、Servocontrolled Test Rig (STR)と呼ばれる装置でテストを行なっている。

そのテストの内容は、静的荷重下、動的荷重下においてSTRとMEPを比較し測定が行われる仕組みをとっている。このSTRはMEPよりも高い16bitの出力測定分解精度を持っている変態装置。

なのでStageの技術者の人が言っているのは、ほんまかいなというところはある。今後測定精度でその値の信用性が一番確からしいとされるRotorPowerが出てくるが、Power Tapとの合わせ技で測定精度を測る場合、当然そのデーターには誤差が生まれる。

記事が古くなりましたのでStages Powerの記事はこちらにまとめました