毛細血管 心筋編
持久性トレーニングがラット心筋線維及び毛細血管の形態に及ぼす影響
以前お勉強したのは骨格筋の毛細血管。今回は心筋の毛細血管編。これ、忘年会が落ち着けば追記するということだったのですがいつの間にか新年会の季節になり、放置してしまったので調べてみました。最近色々調べてはいますが、ただ単に今自分がしているLSDやベーストレーニング、高強度トレーニングが本当に意味があり効果があるのか?とはじめは疑う部分があり、自分で痛い目をみないとわからない性格ですから痛い目を見て、なぜそうなったのか調べてまとめて記録していくという単純な作業が、このブログになっています。検索もできるし、コメントも頂けるし一石二鳥。練習サボると更新しないからすぐバレるので練習する気になるし笑
今回も筑波大学の論文からです。持久性トレーニングがラットの心筋繊維と毛細血管にどの様な影響を与えるのか以下の条件で行なっています。
前回と同様、数週間に渡り、複数のプロトンで構成されるラットさんを2通りの方法で走らせるだけ走らせて、科学の進歩のために××して毛細血管の発達を見るという内容。ここは変わりませんでしたが、今回は三通りのグルペットを作り、比較を行っています。
まず環境ですが、ラット用トレッドミルを用意しそこでトレーニングをラットに課します。期間は12週訳二ヶ月ちょい。いまの時期から春のシーズン間際までですね。
トレーニング強度は以下の通りです。
なにもしない c群
45m/min 傾斜0度 a群
30m/min 傾斜10度 b群
トレーニングプログラム終了後、安静時心拍の測定をし、心臓を摘出して、心臓の重さや、毛細血管を測定するというもの。
結果はa,b群ともに、
徐脈になる
心室の重量が増える
毛細血管数は減少するが、毛細血管は太くなる。
詳しいデータは論文を見ていただくとして、持久性トレーニングは心筋繊維と毛細血管のバランスの取れた「心肥大」を起こし、さらに毛細血管は枝分かれによる血管新生ではなく、血管の直径が太くなることにより、表面積を維持する事がわかった。
よく心臓が大きくなったというのは本当に質量が上がり、血管が拡大するようだ。この点が、骨格筋と異なる点であり、持久力トレーニングは心臓を大きくするという効果が得られることが数値としてこの実験からわかる。ちなみに、a群と、b群だとb群の方が心臓の肥大が大きくなる傾向が見られる。ということは、心臓を強くするなら、高強度がやはり有効のようだ。
トレーニング一つにしても、心筋と、骨格筋とでは毛細血管の成長する内容が全く異なるがトレーニングしたらやっぱり成長するんだという当たり前の事も値として理解できた。
まとめると、持久性トレーニングを行うと、
骨格筋
•毛細血管数増加
•筋繊維1本あたりの毛細血管数増加
•血管新生する
心筋
•心筋繊維密度は減少
•毛細血管は太くなる
•血管新生しない
ということです。
人間っておもろいね。
参考文献
スプリントおよび持久トレーニングがラットの骨格筋線維および毛細血管の発達におよぼす影響
CAPILLARY ADAPTATION IN RAT SKELETAL MUSCLE AFTER SPRINT AND ENDURANCE TRAINING
NII論文ID(NAID) : 110001943276
持久性トレーニングがラット心筋線維および毛細血管の形態に及ぼす影響
Effects of endurance training on the morphology of the cardiac myocyte and capillary in the rats
NII論文ID(NAID) : 110001943276