マイアミの前日、コータローさんといつも通りロード練習した。ロードとCXバイクで脚力差がでないように、区間ゴール残り1分まで集団でペースで進み、最後1分は出し切るように全員がもがけるという短時間のメニューを組んだ。んだけど、C1昇格後初レースということで色々思うところはあったのかなと想像する。
「明日は同じC1で!」と言って別れた。マイアミ当日。コータローさん隣には世界最高峰のシクロクロスサーキットを転戦する竹之内悠選手が並ぶ。C1初レースのKTRさんと竹之内悠選手が並ぶから関西シクロクロスは面白い。
Photo:高丸さん。
ただ、竹之内悠選手の勢いにフルラップできない人が続出。同時にスタートしたコータローさんの背後に竹之内悠選手が迫る。後ろからはヨシくんが追いかけてきているという状況。進路はコータローさんが居る。ロードレースだったら、罵声がとんでも(とぶのが普通)おかしくない状況。
コータローさんの後ろに竹之内悠選手がどんどん迫る。関西シクロクロスの観客も慣れたもので「先頭来てるよー!」と教えてくれる。
気づいたコータローさんは、「どうぞお先に」と、竹之内悠選手に道を譲る。
と、それと同時に追い越しざまに竹之内悠選手はそっと横に並び、「背中をポン」とたたく。
お互いに肩を組みながら数秒間進む。ちょっと、感動してしまった・・・。
何か二人で言葉をかわしたようだが、見ていた観客も皆笑顔だった。やっぱり竹之内悠選手はシクロクロスの正真正銘のプロ選手なんだなと思う。見る側も楽しめる。竹之内悠選手のアマチュア選手に対する紳士さを見たのはこれが初めてじゃない。
どならない。
私がまだ下位カテゴリーで、C1のレースを応援していた時の話だ。その日は東近江にシクロクロス全日本チャンプ竹之内選手が凱旋帰国していた。もちろん速さと美しい走りは、その日の観客を魅了した。普段見れないトッププロの走りを、肌で感じる滅多に無い機会だった。
スタート後、周回が進むにつれていよいよ選手がばらけ初めてくる。そうすると、力の無いものはラップ(周回遅れに)される。ある周回中、竹之内選手の前に今にもラップされようとしているもたつく選手が居た。観客は固唾を飲んで見守っていた。竹之内選手が背後に迫った時、やや減速しながらこう、声を発した。
「そこ行かせて欲しいなぁ(笑」
だった。
帰りの車でコータローさんが最下位でゴールして100%だったことを知った。竹之内悠選手は1%だった。ただ、他の人が経験できない体験をコータローさんは初のC1のレースで経験したんだと思う。実力の半分も出せていない気がする。だってロードで3週間前にコータローさんのCXバイクと対決してロードの私が負けたんだから。
「周回遅れの気持ちなんて、トップ選手がわかるわけないよな。」なんて事をギャラリーが言っていた事がある。ただ、本当のところはどうだろう。。
私は毎週この時期になると海外のシクロクロスレースを見る。世界最高峰のシクロクロスレースだ。Worldcup cyclocross round 4 bogenseで竹之内悠選手が走るのをYoutubeで見ていた。あとで竹之内悠選手のブログ(YuTakenouchi/竹之内悠)を見たらマイナス4ラップで降ろされていた。世界最高峰は厳しい。
厳しいステージに上がれば上がるほど、世界が変われば変わるほど置かれる状況、求められる結果は変わっていくんだと思う。
この日関西シクロクロスは記念すべき200回大会だった。京都車連の方々の素晴らしい運営でここまで続いてきたんだと思う。1%と100%のシクロクロッサーの物語は、この記念すべき大会からまた新たに始まっていくんだろう。
シクロクロス、最高かよ。
竹之内悠選手のブログ:YuTakenouchi/竹之内悠
Twitter:@YuTakenouchi
Instagram:yu_takenouchi
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