エアロシューズカバーとエアロソックス、どちらが性能が高いのだろうか。すでにエアロソックスを持っている場合、シューズカバーを追加で購入する価値はあるのだろうか。Rule28がこの疑問を解決するために風洞実験で検証した。
実験の舞台は、シルバーストーン・スポーツ・エンジニアリング・ハブの風洞実験室で、TTポジションのエリートライダーにエアロソックスとエアロシューズカバーを用いて3回のテストを実施した。
ライダーポジション、システム重量、ケイデンス、その他すべての装備は、テストの間、一定に保たれた。
用いたシューズはFizik Tempo R5 Powerstrapで、時速40~60kmで30秒間のテスト走行を行い、5km/hずつ増加させた。以下の3種類のオプションがテストされた:
- Rule28 エアロソックス & カバーなしのシューズ
- Rule28 エアロソックス & カバーシューズ
- Rule28 UCIシューズカバー & ソックスなし
結果は以下の通り。
Test Option | 40 kph | 45 kph | 50 kph | 55 kph | 60 kph |
Rule 28 Aero socks with uncovered shoes | 194.7 | 272.3 | 371.6 | 494.4 | 637.4 |
Rule 28 Aero socks with covered shoes | 188.7 | 268.7 | 367.0 | 487.8 | 633.1 |
Rule 28 UCI Overshoes with no socks | 187.3 | 266.3 | 362.7 | 482.4 | 626.5 |
カバーのないシューズとエアロソックスの比較
Test Option | 40 kph | 45 kph | 50 kph | 55 kph | 60 kph |
Rule 28 Aero socks with covered shoes | 6 | 3.6 | 4.6 | 6.6 | 4.3 |
Rule 28 UCI Overshoes with no socks | 7.4 | 6 | 8.9 | 12 | 10.9 |
Fizik Tempo R5 Powerstrapのような比較的段差が少ないシューズであっても、シューズの表面を滑らかにすることで、空気抵抗の大幅な低減につながることがある。
脚ではなく靴だけを覆うシューズカバーでは、時速45kmで3.6W(エアロソックス使用時と比較して最も低い)、時速55kmで6.6W(エアロソックス使用時と比較して最も高い)の空力改善結果だった。
これは大きな改善ですが、UCIシューズカバーはさらに空力効果が高い。UCIシューズカバーは、時速45kmで6.0W(エアロソックス使用時と比較して最も低い)、時速55kmで12.0W(エアロソックス使用時と比較して最も高い)の空力を改善する結果だった。
- Rule28のシューズカバーがもたらす空力効果は、素材とデザインの違いに起因している。
- Rule28のシューズカバーは、使用する素材に対して多くの開発資金が投じられている。
- Rule28のシューズカバーに使用されている生地は、抗力低減に優れたクラス最高の素材だ。
次に、シューズカバーのフィット感と特徴も空気抵抗の低減に役立っている。すべてのシューズカバーは、靴と脚の間の移行をスムーズにしますが、Rule28のシューズカバーはヒールカップを囲むことで、靴のカカトから発生する抵抗を低減し、さらに改良された薄型のトゥボックスも備えている。
結論としては、スピードを追求するならば、UCI Rule28シューズカバーが適している。しかし、シューズカバーの代わりにエアロソックスを使用する時と場合がある。シューズカバーの靴カバー部分は通気性がない。
そのため、暑いコンディションで走ったり、シューズのフィットを調整する必要がある場合、シューズカバーは暑く汗をかき、シューズの調整の妨げになってしまう。
また、ヒールカップを囲むことで、優れた空力性能を発揮するが、シューズカバーを履いての歩行は最小限にとどめる必要がある。
空気抵抗を優先させるためには圧倒的にオーバーシューズタイプだ。しかし、実際に使用することを考慮すると、歩いたりするシチュエーションには向いておらず、タイムトライアルやレース専用になる。