1,158g! 新型Craft Racing Works CS4045 第2世代 インプレッション:次世代リムが実現する超軽量体験

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Craft Racing Works(以下、CRW)のCS4045が第2世代へとアップデートされた。CS4045は、軽量性、空力性能、そして剛性という3つの重要な要素を、高次元で調和させたホイールだ。

重量は前作の1,178gからさらに削減され、1,158gとなった。単に軽量化されただけでなく、リム内幅は21mmから前後ともに24mmへと大幅に拡大されている。これにより、現代のワイドタイヤが持つポテンシャルを最大限に引き出す設計となっている。

先にお伝えしたい重要なこととしては、CRW CS4045 Gen2シルバーモデルの日本への割当が12本のみだという。購入方法については、本記事の最後に記載している。ガレージブランドらしく製作本数が少なく、非常に貴重なホイールになっている。

日本のわりてはわずか12本、しかもプレミアムポリッシュハブだ。

CRWホイールの最大の特長は、メーカーが謳う「カーボンスポークを活かすためにゼロから設計した」という思想に集約される。そのこだわりは、フロント16本・リア20本という大胆なスポーク構成や、ハブ側にスポークをねじ込む独自のスポークパターンといった細部にまで見て取れる。

兄弟モデルであるCS5060は、市場で評価の高い各社ホイールの優れた要素をベンチマークとし、それらを昇華させることで独自の高性能ホイールとして名を馳せた。例えば、以下のような点が挙げられる。

  • エアロダイナミクス: ROVAL RAPIDE CLXに匹敵する前後異形リムプロファイルの追求
  • スポークテクノロジー: CADEX ULTRA 50のような高性能カーボンスポークの採用
  • 構造効率: Lightweightに代表される効率的なスポークパターンと本数の最適化
  • 軽量化への挑戦: ROVAL ALPINIST CLXクラスの圧倒的な軽さの実現
  • タイヤインターフェース: ENVE SES Gen3が示すワイドリム内幅の採用とタイヤ性能の最大化

そしてCS4045は、これらの卓越した基本設計思想を受け継ぎ、フロント40mm、リア45mmというリムハイト構成でありながら、実測重量1,158gという驚異的な軽さを実現したホイールだ。

限界まで肉抜き加工したオリジナル軽量ハブを使用する。

これは、軽量ホイールとして名高いROVAL ALPINIST CLX II(クリンチャーモデル参考重量1,265g)と比較して約107gも軽量であり、伝説的なLightweight Meilensteinのチューブラーモデル(公称1,165g)をも凌駕する軽さである。

このような革新的なホイールを生み出したCRWは、台湾の大手自転車パーツメーカーで開発経験を積んだエンジニアたちが、理想のホイールを追求するために立ち上げたホイール専業ブランドだ。

その名はまだ国内では広く知られていないかもしれないが、CRWのルーツは深く、2015年からOEMとして他社ブランドの高性能ホイール製造を手掛けてきた。そして2018年、満を持して自社ブランド「CRW」を設立した。

2020年からは自社ハブの設計・開発にも着手するなど、着実に技術力を高めている。同社は少数精鋭のエンジニアを中心とした開発チームで、他に類を見ない特色ある製品を世に送り出しているのだ。

筆者もこれまで数多くのホイールをテストしてきたが、CRWのホイールが放つ個性は際立っていると感じた。

バルブホールも一体成型に。

効率を追求したスポークパターン、独自の特殊なリム設計、そして何よりもリムハイトからは想像もつかないほどの軽さ。これらの要素が複合的に作用し、多くの点で既存の製品とは一線を画す、あるいは凌駕すると感じさせるポテンシャルを秘めていた。

本記事では、この新型CS4045 Gen2について、前作からの進化点、際立つ技術的特徴(素材選定、リム、スポーク、ハブの設計思想など)、そしてそれらが実際の走行性能にどのように結びついているのかを、詳細なインプレッションと共にお届けする。

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CRWが追求する「最適解」

CRWホイールの核心にあるのは、メーカー自身が語る「考えうる限りの最高の設計」を追求する姿勢である。

その具体的な表れとして、高性能カーボンスポークの採用、前後で異なるリムハイトとプロファイルを持つ異形リム設計、前後で最適化されたスポークパターン、そして前後輪ともに駆動効率と制動効率を高めるタンジェント組、さらには独自の特殊なリムプロファイルといった、数々の特徴が挙げられる。

CRWの設計思想は、単に個々の構成部品の高性能化を追求するに留まらない。むしろ、「ホイールセット全体」として各要素が調和し、性能が最適化されることを最も重視している。

メーカーが繰り返し強調する「カーボンスポークを活かすためにゼロから設計した」という言葉は、まさにリム、ハブ、スポークの統合設計に対する彼らの強い自負と、システム全体での性能最大化へのコミットメントを示していると言えるだろう。

全てタンジェント組という特殊なスポークパターン。

この新型CRW CS4045 Gen2の構造もまた、単に最新技術を無秩序に寄せ集めたものではない。「カーボンスポークの性能を最大限に引き出す」という明確かつ一貫した設計思想が、その隅々にまで貫かれている。

リム、スポーク、そしてハブが相互に作用し、その性能を極限まで高め合うよう最適化された、まさに「システムエンジニアリング」の結晶である。

CRWのホイール設計における顕著な特徴の一つに、前後で異なるリム設計(前後異形リム)の採用が挙げられる。

これはENVE SESシリーズやROVAL RAPIDE CLXといった最先端のホイールシステムにも見られるアプローチであり、CS4045も同様に、前輪と後輪でリムハイト、リム内幅、リム外幅を変化させている。

これにより、前輪と後輪それぞれに求められる空力特性、剛性、操舵性といった要件の違いにきめ細かく対応した、極めて合理的な設計と言える。

特に新型CS4045 Gen2で特筆すべきは、リム内幅が24mmへと大幅に拡大された点である(前モデルでは21mmが主流であった)。近年、ロードバイク用リムの内幅は23mmへと拡大するトレンドが見られるが、CS4045 Gen2はさらなるワイドタイヤ化の潮流を見据え、それを先取りするかのように24mmという設計を採用している。

このワイドなリム内幅に伴い、装着するタイヤは28mm幅以上が推奨されており、ホイール全体の空力性能も28mm以上のタイヤとの組み合わせで最適化されるよう設計されている。これにより、タイヤとリムの一体感が高まり、より優れた走行性能と快適性の両立が期待できる。

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驚愕の軽さ:1,158gを実現した「ワケ」

ホイールの重量は、多くのサイクリストにとって最も関心の高いスペックの一つだ。理屈はさておき、まず伝えたいのは、このCRW CS4045 Gen2の”実測”重量が、わずか1,158gであるという事実である。

軽い。

繰り返しになるが、これはカタログ値ではなく、リムテープを含んだ状態での実測重量である。

  1. CRW CS4050 Gen2 (40/45mm):1,158g
  2. LightWeight MEILENSTEIN TU(参考):1,165g 
  3. Nepest NOVA-45:1,218g
  4. ROVAL ALPINIST CLX(33mm):1,248g
  5. CADEX Max 40:1,249g
  6. CRW CS5055 (50/55mm):1,251g
  7. COSMIC ULTIMATE 45:1,255
  8. Nepest MAUI-45:1,288g
  9. CRW CS5060 (50/60mm):1,290g
  10. ZIPP 303 NSW:1308g
  11. Lun HYPER D45:1,367g

この数値は、市場で最軽量クラスとされるROVAL ALPINIST CLX II(公称1,265g)よりも約107g軽量であり、さらには究極の回転体であるLightweight Meilensteinのチューブラーモデル(公称1,165g)さえも下回る、まさに驚異的な軽さと言えるだろう。

自転車パーツの世界では、カタログ重量と実測重量が大きく乖離することも残念ながら珍しくない。しかし、CRWの製品はその点でも誠実であり、どのモデルもカタログ重量とほぼ同等、あるいはそれ以上に軽量に仕上がっているという報告が多く聞かれる。

一部で囁かれるような重量に関する懸念は、CRWに関しては杞憂と言ってよいだろう。

このリムハイト(フロント40mm/リア45mm)からは想像しにくいほどの軽さは、まさに目を瞠るものがある。実物を手に取ると、その軽さに「本当にこのスペックで合っているのか?」と疑念を抱いてしまうほどだ。

では、なぜCRWのホイールはこれほどまでに軽量化を達成できたのであろうか。

軽量化の鍵:徹底された設計思想と技術

ブレーキローターの溝を最小限にし0.1gを削っている。

CS4045が達成した1,158gという驚異的な重量は、単一の技術的ブレークスルーによるものではない。リム、スポーク、ハブといったホイールを構成する個々の部品すべてにおいて、文字通り徹底的な軽量化策を施したことによる、いわば積み重ねの成果だ。

その軽量化へのこだわりは並々ならぬものがあり、例えばディスクブレーキローターを固定するハブのスプライン(溝)を一部切削するといった、大胆な試みも見られる。これは、コンマ数グラム単位での軽量化を追求する執念の表れと言える。

しかし、CRWの軽量化はむやみに部材を削っているわけではない。応力解析を徹底的に行い、例えばローター固定用スプラインに関しては、ロックリングを規定トルクで締め付けていれば、ブレーキ時に発生する強大な力のほとんどはスプラインには直接伝わらないことを突き止めたという。

つまり、安全性を十分に確保した上で、限界まで無駄を削ぎ落としているのである。

ハブボディの肉抜きも限界まで行われている。

ハブボディも同様に、FEM(有限要素法)解析などに基づき、応力のかからない部分を限界まで肉抜きし、丹念に削り込まれている。ハブシェルは、スポークを固定するためのフランジ部分だけを残し、それ以外の箇所は可能な限り排除されているかのようだ。

その表面は、まるでレーシングカーの部品のように、可能な限り掘削が施されている。それはあたかも、高性能チェーンリングの裏側を思わせるような、執拗なまでの作り込みである。

スポークに必要なフランジだけを残し、限界までスポークを外側に配置している。

それ以外にも、以下のような軽量化への徹底したこだわりが見て取れる。

  • リム: 素材には高品質な日本製東レT700およびT800カーボンファイバーが採用されている。UD(ユニディレクショナル)カーボンをペイントレスフィニッシュで仕上げることにより、塗料分の重量を削減している。
  • スポーク: 高強度かつ軽量なカーボンファイバースポークの採用は、ホイール全体の重量削減に大きく貢献している。
  • ハブ: ハブシェルには軽量で高強度な7075-T6アルミニウム合金が用いられ、CNC加工によって精密に成形されている。さらに、フリーハブボディの肉抜き(ディンプル加工)や、前述のディスクブレーキローター固定用スプラインの一部削減といった、細部にわたる徹底した軽量化が図られている。

最後のダメ押しで、ハブ表面を迷路状に切削加工している。

これらの要素から、CS4045の驚異的な軽量性は、単に軽い素材を使用しただけに留まらないことが理解できる。「執念」とさえ形容できる細部への軽量化努力が、グラム単位での削減を丹念に積み重ね、ホイールシステム全体の軽量化に貢献しているのである。

個々の高性能パーツを単に寄せ集めただけでは到達し得ないレベルの軽量化が、ホイールシステム全体としての最適化によって実現されているのだ。

このような徹底的な軽量化の追求は、特に登坂性能や加速性能を重視する競技志向のライダーや、自身の自転車の総重量を極限まで切り詰めたいと願う軽量化マニアにとって、他に代えがたい非常に強い魅力となることは間違いないだろう。

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驚異のフロント16本スポーク

フロントはわずか16本のスポーク構成。

スポーク本数がフロント16本・リア20本という構成を聞いて、ホイールに造詣の深いサイクリストならば、ある製品を思い起こすかもしれない。それは、究極の回転体と称されるLightweight Meilensteinの、いわゆる”体重制限モデル”だ。

Lightweight Meilensteinにはフロント20本スポークのモデルも存在するが、より軽量性を追求したバージョンでは、ライダーの体重に制限を設けることを条件に、フロントスポークを20本から4本削減した16本構成でホイールを成立させていた。

CRW CS4045もまた、これと同様のフロント16本・リア20本という大胆なスポーク構成を採用している。さらに、スポークの組み方もLightweightと同様に、前後輪ともにタンジェント組(スポークがハブフランジから接線方向に伸び、隣り合うスポークと交差する組み方)である。

CRWホイールの設計における重要なポイントの一つは、まさにここに集約されていると言えるだろう。フロント16本というスポーク数は、ディスクブレーキを搭載したロードホイールとしては極めて少なく、カーボンスポークを採用したホイールの中でも特にミニマルな設計である。

参考までに、主要な他社製ディスクブレーキ用フロントホイールのスポーク本数と組み方を以下に示す。

  • CRW CS4045:16本(タンジェント、タンジェント)
  • Lightweight Meilenstein EVO:16本(タンジェント、タンジェント)
  • ROVAL RAPIDE CLX II:18本(ラジアル、タンジェント)
  • CADEX 50 ULTRA Disc:21本(ラジアル、タンジェント)
  • Nepest NOVA:21本(ラジアル、タンジェント)
  • DT SWISS ARC 1100 DICUT DB:24本(ラジアル、タンジェント)
  • BONTRAGER AEOLUS RSL 51 TLR Disc:24本(タンジェント、タンジェント)
  • ENVE SES (New Straight Pull Spoke):24本(タンジェント、タンジェント)
  • 参考:DT SWISS 180/240ハブ使用時の標準的な組み方:24本(タンジェント、タンジェント)

わずか16本という少ないスポーク数でホイールが構造的に成立している理由は、CRW独自の設計手法にある。

高弾性・高強度なカーボンスポークの特性を最大限に活かし、かつフロントとリア共にタンジェント組を採用することで、ペダリング時に発生する駆動トルクや、ディスクブレーキ作動時にホイールハブにかかる強力な制動トルクを、効率的にリムへと伝達する。

同時に、コーナリング時などに求められる十分な横剛性も確保できるのである。

特にフロントホイールにおいては、ディスクブレーキローターが装着される左側だけでなく、反対側の右側もタンジェント組とすることで、全16本中、左右それぞれ8本のスポークが均等に近い形で制動時の負荷を分担する設計となっている。

これは、例えばスポークを左右非対称に配置する2対1組(2:1レーシングパターン)の21本スポークホイール、(この場合、ローター側のスポーク数は14本となるが、制動負荷を主に担うのはそのうちのドライブサイド側とは逆方向にトルクを受けるスポーク、すなわちハブの回転を抑える方向に働くスポーク群となる)と比較した場合でも、負荷分散という観点からは有利な設計と言える可能性がある。

フロントホイールのスポーク本数が少ないことは、軽量化に寄与するだけでなく、空力性能の向上という面でも明確なメリットがある。

一般的なディスクブレーキ用フロントホイールの多くが24本程度のスポークで構成されていることを考慮すれば、フロント単体で8本ものスポークが削減されることになり、その分だけホイール回転時の空気抵抗も減少することは容易に想像できるであろう。

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空力性能

現時点では、CRW CS4045に関する独立した風洞実験データは公表されていない。しかし、リム構造の基本設計を共有し、リムハイトのみが異なる兄弟モデルCRW CS5060(フロント50mm/リア60mm)に関しては、ベンチマークとされるROVAL RAPIDE CLX IIとほぼ同等の空力性能を示すテスト結果が報告されている。

ROVAL RAPIDE CLX IIとCRW CS5060の空力性能テストは以下の通りだ。

  平均パワー(w) 平均時速(キロ) 横風(度) 向かい風/追い風(時速) CdA(平方メートル) 時速40kmのワット数(w)
TEST1:CRW CS  190 35.2 2.0 0.2 0.277 261
TEST2:Roval CLX 190 35.2 1.3 0.3 0.275 260
TEST3:Roval CLX 190 35.5 1.3 0.1 0.273 258
TEST4:CRW CS 191 35.5 1.5 0.1 0.274 259
ROVAL RAPIDE CLX II(2回平均) 0.2740 259
CRW CS5060(2回平均) 0.2755 260

このテストでは、両ホイールともに同一条件(28mmタイヤ、TPUインナーチューブ、同サイズのカセットスプロケットおよびディスクローター装着、タイヤ空気圧4.82bar)で測定が行われている。

結果として、ROVAL RAPIDE CLX IIがCRW CS5060よりも平均して約1ワット低いパワーで走行可能であったとされている。この差は実験誤差の範囲内とも考えられ、両ホイールの空力性能は極めて近接していると評価できるだろう。

CS4045はCS5060と比較してリムハイトが低い(フロント40mm/リア45mm vs フロント50mm/リア60mm)ため、純粋な空力性能という点では若干劣る可能性がある。

しかしながら、その重量がわずか1,158gであることを考慮すると、クライミングホイールに匹敵する軽量性を持ちながら、一定レベル以上の空力性能をも併せ持つ、極めてバランスの取れたオールラウンドホイールである可能性が高いと言える。

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ハブシステム:精密加工と高性能の追求

ホイールの回転性能と剛性を左右するハブにも、CRWの並々ならぬこだわりが見て取れる。

ハブシェルには、軽量かつ高強度な7075-T6アルミニウム合金が使用され、CNC(コンピューター数値制御)による極めて精密な切削加工が施されている。これにより、高い寸法精度と優れた機械的強度、そしてシャープで機能美あふれる外観を実現しており、その仕上がりは「工芸品」と評しても過言ではないだろう。

CS4045のハブには、細部に至るまで徹底的な軽量化の痕跡が見られる。例えば、フリーハブボディの表面にはディンプル(小さなくぼみ)加工が施され、わずかながらも重量を削減しようという意図がうかがえる。

0.1gを削ろうとする努力が見られる。

さらに大胆なのは、ディスクブレーキローターを固定するためのスプライン(溝)の数を、一般的なセンターロック規格のものから一部削減している点である。これについてメーカーは、ローターロックリングを規定トルクで適切に締め付ければ、制動力の伝達に支障はなく、安全性も確保されていると説明している。

image: Craft Racing Works

リアハブのフリーハブ機構には、36T(歯)のスターラチェットシステムが採用されている。これは、ペダルを踏み込んでから駆動力がホイールに伝わるまでの遊び角(エンゲージメント角)が10度となるもので、ロードバイク用途としては比較的オーソドックスで信頼性の高い設計と言える。

この10度というエンゲージメント角は、ロードバイクにおいてはダイレクトかつ素早いパワー伝達を可能にし、特にテクニカルな登坂路や頻繁な加減速が求められるクリテリウムのような場面で有利に働く。

このハブは、DT Swiss社のスターラチェットシステムに類似した構造を有しており、将来的にはより歯数の多い54Tのラチェット(エンゲージメント角約6.67度)へのアップグレードも可能であるとされている。

市場にはより細かいエンゲージメント角(例えば3度~6度程度)を持つ高性能ハブも存在するが、36Tスターラチェットは、その構造のシンプルさ、高い信頼性、そしてメンテナンスの容易さから、多くのブランドで長年にわたり採用実績がある、バランスの取れたシステムである。

image: Craft Racing Works

CRWがこのスターラチェットシステムを採用し、かつアップグレードの可能性についても言及している点は、標準仕様ではコストと性能のバランスを考慮しつつも、より高性能を求めるエンスージアストユーザーへの拡張性も視野に入れていることを示唆している。

そして、ホイール回転性能の要となるベアリングには、高品質なセラミックベアリングが標準装備されている。具体的には、フロントハブに6902サイズのベアリングを2個、リアハブには同じく6902サイズを2個と、フリーハブボディ側に6802サイズのベアリングを2個使用するという構成である。

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インプレッション

CS4045を評価する上での結論を先に述べれば、こうなる。

登坂性能を特に重視するクライマーや、平坦路での高速巡航から起伏に富んだ丘陵地帯までを一台でこなしたいと考えるオールラウンドな走行性能を求めるライダーにとって、極めて魅力的な選択肢となるホイールである。フロント40mm、リア45mmというリムハイト構成は、優れた空力性能と必要十分な剛性を確保しつつ、高速巡航性能と軽快な登坂性能との両立を目指した、バランスの取れた設定と言える。

単に軽量性のみを追求して登坂性能を高めるだけでなく、空力性能とペダリング剛性にも細心の配慮を施した設計がなされている。これにより、高速巡航からテクニカルな登りまで、多様な走行シーンにおいて高いレベルのパフォーマンスを発揮することが期待できるのである。

漕ぎ出しの軽さと加速性能

公称1,158gというホイールセット重量は、静止状態からの漕ぎ出しにおいて、その慣性モーメントの小ささとして明確に体感できる。特に、信号からの発進やコーナー立ち上がりでの再加速といった、俊敏性が求められる場面において、ライダーのペダル入力に対するバイクの反応は極めて鋭敏である。

この鋭いレスポンスは、高弾性なカーボンスポークと、7075-T6アルミニウム合金から削り出された高剛性ハブシェルがもたらす、ダイレクトなパワー伝達効率の高さに起因していると考えられる。

この点は、CS4045が持つ大きな魅力の一つとして感じられる部分である。リアハブに採用されている36Tスターラチェット機構もまた、ペダルを踏み込んだ瞬間の駆動伝達の速さに貢献し、加速時におけるダイレクト感を一層高めている。

この卓越した軽量性と高剛性の組み合わせは、特にストップアンドゴーが多いクリテリウムレースや、アタックとカウンターアタックが繰り返されるようなロードレースの展開において、他のホイールに対する明確な競争優位性をもたらす可能性を秘めている。

登坂性能

ホイールの軽量性は、登坂性能に最も直接的に影響を与える要素である。

CS4045がその真価を最も発揮する場面の一つが、ヒルクライムであると言える。登坂においては、ホイール外周部の重量が軽いほど、回転させるために必要なエネルギーが小さくなる。これはライダーの体力消耗を効果的に軽減し、より速いペースでの登坂や、勝負所でのアタックを可能にするだろう。

CS4045の際立った軽量性は、ダンシング時のバイクの振りの軽さにも繋がり、リズミカルで効率的なペダリングを助ける。また、前述した高いペダリング剛性は、ダンシング時に左右にバイクを振る際や、急勾配で大きなトルクをかける際のパワーロスを最小限に抑制する効果が期待できる。

メーカーの製品説明にも「登り坂を粉砕(smashing up climbs)」というアグレッシブな表現が見られることからも、その優れた登坂性能に対する並々ならぬ自信がうかがえる。

コーナリングおよびダウンヒル性能

CS4045のリムハイトはフロント40mm、リア45mmという設定であり、これは50mmを超えるような極端なディープリムと比較して、横風の影響を受けにくく、ステアリングの応答性が素直であることを意味する。

そのため、テクニカルなコーナーが連続するような下り坂においても、ライダーはバイクをコントロールしやすいと感じるであろう。

ホイールの高い横剛性は、コーナリング中にホイールがヨレる(変形する)のを効果的に抑制し、ライダーが狙ったラインを正確にトレースすることを助ける。これにより、ライダーはより安心してバイクを傾け、積極的にコーナーを攻めることが可能になる。

ただし、フロントホイールのスポーク本数が16本と比較的少ない点は、軽量化と空力性能には大きく貢献するものの、特に体重のあるライダーや、非常にアグレッシブなブレーキングとコーナリングを繰り返すようなハードなライディングスタイルを持つライダーにとっては、極限状態における剛性感やコントロール性に何らかの影響を与える可能性も皆無ではない。

メーカーはカーボンスポークの高強度とタンジェント組による効果的な負荷分散を主張しているが、この点については、ライダーの体重、パワー、そしてライディングスタイルによる実体験に基づいた評価がより重要となるであろう。

システム許容重量100kgの上限に近い体重のライダーや、プロフェッショナルレベルの競技者は、この軽量性と剛性のバランスについて、より慎重な判断が必要となるかもしれない。

走行性能:多様な路面状況への対応

CS4045の総合的な走行性能は、平坦路での巡航から荒れた路面、そして横風が吹き付ける区間まで、多様な状況下でその真価が問われることになる。

フロント40mm、リア45mmという前後異形リムハイトは、平坦路での高速巡航において、空気抵抗の低減に貢献する。特に、薄く成形されたエアロ形状のカーボンスポークは、ホイール回転時の空気の攪拌を抑え、速度維持を容易にする効果が期待できる。

ハブに標準装備されているセラミックベアリングは、回転部分の摩擦抵抗を低減することで、より滑らかな回転フィーリングと巡航効率の向上に寄与すると考えられる。近年のハイエンドホイールにおいては、セラミックベアリングの標準採用はもはや珍しいことではなく、むしろ必須のスペックとなりつつある状況だ。

セラミックベアリングに期待される効果は、一度スピードに乗った後、その速度をどれだけ楽に維持できるか、すなわち、より少ない力で巡航し続けられるかという点にあり、これが平坦路における巡航性能の重要な評価ポイントとなる。

CS4045の空力設計と低摩擦ベアリングは、この点においてライダーに明確なアドバンテージをもたらす可能性がある。

振動吸収性と快適性

カーボンファイバーという素材は、それ自体がある程度の振動減衰特性を持つとされる。しかし、CS4045は基本的に高い剛性を特徴とするレーシングホイールであるため、路面からの微細な振動や衝撃が、ライダーに比較的ダイレクトに伝わりやすい傾向がある。

特に荒れた舗装路などでは、路面からの突き上げを明確に感じることがあり、しなやかな乗り心地を特徴とするスチールスポークのホイールセットと比較すると、快適性という点では劣る可能性がある。

一方で、CS4045のリムはチューブレスレディ対応であり、推奨タイヤ幅も28cから45cと比較的広く設定されている。この点を最大限に活かし、例えば28cや30cといった太めのチューブレスタイヤを、従来よりも低い空気圧で運用することにより、快適性を大幅に改善できる余地がある。

実際に、筆者が30mm幅のチューブレスタイヤを3.4bar程度の低圧で使用した際には、ワイドリムとの相乗効果によって、荒れた路面でもまるで浮遊するかのようなスムーズな走行感を得られた。

これは、純粋なロードレース競技に出場するようなシチュエーションを除けば、現代のタイヤ性能を生かし快適性を引き出す。多くのサイクリストにとって、より楽に、そして楽しく長距離を走行するための有効なセッティングと言えるだろう。

したがって、CS4045の方向性、走行性能プロファイルは、「絶対的な快適性」よりも「効率と反応性」を優先した、レーシング志向のセッティングである可能性が高い。

快適性については、タイヤ選択(幅、種類、構造)と空気圧管理によって、ライダーが自身の好みや走行条件に合わせて能動的に調整していくべき領域と位置づけられていると考えられる。

横風区間での走行安定性

メーカーはCS4045の設計において、「乱気流の横風の中での転がり(rolling through turbulent crosswinds)」を考慮したと謳っている。

フロント40mm、リア45mmというリムハイトは、50mmを超えるようなディープリムと比較して、横風を受けた際にホイールに対して作用する空気力(特に横方向の力)が絶対的に小さく、結果としてハンドリングへの影響が少ないことが期待される。

実走テストにおいても、他の同程度のリムハイトを持つエアロホイールと比較して、CS4045が横風に対して優れた安定性を示す場面が確認できた。

これは、単にリムハイトが低いというだけでなく、リム全体の断面形状、採用されている薄型カーボンスポークの空力特性、そしてホイール全体の重量バランスなどが複合的に寄与している可能性を示唆している。

この良好な横風安定性は、CRWがリム形状の設計だけでなく、ホイールシステム全体として横風対策を施していることの証左であり、その設計の巧妙さを示すものと言えるだろう。

耐久性と信頼性

高性能ホイールを選択する上で、初期性能の高さだけでなく、長期間にわたる耐久性と信頼性は極めて重要な評価項目である。CRW CS4045は市場に登場してからの期間が比較的短く、特にカーボンスポークという先進的な技術を採用しているため、この点に関する情報は慎重に評価する必要がある。

カーボンスポークの長期耐久性

メーカーは、CS4045に採用されているカーボンスポークが、従来のスチールスポークと比較して引張強度が大幅に高く、そのため金属疲労による破断が起こりにくいと主張している。

海外で行われたCS4045の長期使用テストでは、11ヶ月間にわたり11,200kmの走行距離、獲得標高121,920メートル以上という過酷な条件下で使用した結果、特に大きな問題は発生していないと報告されている。

これは、一定の条件下におけるカーボンスポークの長期信頼性を示す一つの好材料と言える。また、万が一スポークが破損した場合でも、メーカーから交換用スポークと交換手順が提供される体制が整えられていることは、ユーザーにとって安心材料となるだろう。

しかしながら、カーボンスポークは自転車用ホイールのコンポーネントとしては比較的新しい技術であり、長年にわたる広範な使用実績という点では、伝統的なスチールスポークに及ばないのが現状である。

そのため、予期せぬ大きな衝撃(縁石への強打、落車など)に対する耐性や、紫外線暴露・高温多湿の変化といった日本特有の環境要因による経年劣化の具体的なパターンについては、今後さらに多くの実使用データと長期的な観察が必要となるだろう。

ハブおよびセラミックベアリングの長期性能

CS4045のハブは、軽量かつ高強度な7075-T6アルミニウム合金からCNC加工で精密に製造されており、内部には36Tのスターラチェット機構が採用されている。この構造は、高い信頼性とメンテナンス性で定評のあるDT Swiss社のスターラチェットシステムに類似しており、実績のある設計と言える。

これらのハブコンポーネントは、適切な潤滑と定期的なメンテナンス(清掃、グリスアップなど)を行うことで、長期間にわたり安定した性能を維持できると期待される。

標準装備されているセラミックベアリングは、理論上、高品質なスチールベアリングよりも長寿命で摩擦抵抗が低いとされる。しかし、その実際の性能と寿命は、ベアリング自体の品質グレード(ABEC等級など)だけでなく、ハブシェルのシール性能や使用環境(特に雨天走行の頻度や泥濘路の走行など)に大きく左右される。

image: Craft Racing Works

CRWのハブに搭載されているセラミックベアリングに関しては、海外のレビューにおいて、豪雨の中を長時間走行した後でもベアリングシールが水の侵入を効果的に防ぎ、回転性能に悪影響は見られなかったという報告も存在する。

これは、ハブのシール設計と品質がある程度高いレベルにあることを示唆している。

一方で、ハブの軽量化のために施されたフリーハブボディのディンプル加工や、ディスクローター固定用スプラインの一部削減といった大胆な設計が、長期的な応力集中や摩耗に対してどのような影響を与えるかについては、現時点では断定的な判断を下すことは難しい。

image: Craft Racing Works

image: Craft Racing Works

これらの先鋭的な設計が、長期的な耐久性を損なうことなく機能し続けるかどうかについては、さらなる長期使用実績の集積と検証が待たれるところである。

エアロダイナミクスへのアプローチ

CS4045の空力設計は、リムプロファイル、スポーク設計、そしてそれらの統合的な最適化によって成り立っている。

フロント40mm、リア45mmというミックスハイトのリムは、空力性能と横風安定性のバランスを考慮しつつ、特に後輪においてホイール周りの気流の剥離を遅らせることで全体の整流効果を高めることを狙った、現代的なバランス型の設計アプローチである。

リムの外幅は約31.6mmとされており、これは一般的な28c幅のタイヤと組み合わせた際に、タイヤのサイドウォールからリム側面にかけての空気の流れをスムーズにすることを意図している。

いわゆる「105%ルール」(タイヤの実測幅がリムの最大外幅の105%を超えない場合に、タイヤとリムが一体となった翼断面形状を形成しやすく、空力的に有利とされる経験則)に近い状態を作り出すことを意識した設計と考えられる。

これにより、タイヤとリムが一体となった滑らかな翼断面形状を形成し、ホイールシステム全体としての空気抵抗の低減を目指している。CS4045の空力設計は、最先端の極端なワイドリムや、複雑な波形プロファイル(例:ZIPP NSWシリーズなど)を採用しているわけではない。

むしろ、実績のあるUシェイプに近いオーソドックスなプロファイルと、空気抵抗の少ない薄型カーボンスポーク、そして最適化されたスポークシステムにより、実用的な空力性能と軽量性、そして良好な横風安定性のバランスを重視しているように見受けられる。

これは、極端なエアロ形状が特定のヨー角(風が当たる角度)でのみ高い効果を発揮する一方で、重量増を招いたり、低速域での扱いにくさや横風の影響を増大させたりするリスクを避け、より幅広い状況で高性能を発揮するオールラウンド性能を優先した結果かもしれない。

CS4045に採用されているカーボンスポークは、薄く扁平なエアロブレード形状をしており、その断面積は極めて小さい。スポーク本数も前述の通りフロント16本、リア20本と比較的少なく抑えられている。これらの要素は、ホイール回転時における空気抵抗の削減に大きく寄与する。

さらに、走行中にスポークが回転してしまい、意図したエアロ形状が損なわれる(スポークの平たい面が風向きに対して最適な角度を保てなくなる)ことを防ぐため、スポークの両端がハブとリムに機械的に固定され、回転しないように工夫された設計となっていることも見逃せない。

これらのリムとスポークに関する設計要素が複合的に作用することで、特に高速巡航時における空気抵抗を効果的に低減し、ライダーが同じ出力でより速い速度を維持したり、同じ速度をより少ない出力で維持したりする効果が期待されるのである。

ペダリング剛性

ホイールの剛性、特にペダリングトルクに対する応答性(一般的にペダリング剛性や横剛性と呼ばれる)は、加速性能や登坂性能、そしてコーナリング時の安定性に直結する重要な性能指標である。

CSシリーズに共通して見られる特徴は、高弾性なカーボンスポークの採用と、それらを効果的に支えるための高剛性なハブおよびリムの設計である。

カーボンファイバーを素材とするスポークは、一般的な高品質スチールスポークと比較しても引張弾性率が非常に高いため、ペダリング時にかかる大きな力(トルク)に対して変形しにくく、ライダーのパワーをよりダイレクトに推進力に変換することができる。

実際にCS4045をテストした印象でも、高い横剛性を感じることができた。加速時や登坂時のダイレクトなフィーリング、そしてコーナリング時のしっかりとした感触は特筆に値する。言葉を選ばずに言えば、「硬い」ホイールなのである。

この点に関しては、VONOA第三世代のような柔らかなフィーリングとは正反対だ。しかし、柔らかければよい、硬ければよいという話ではなく、ホイール開発の方向性や、ターゲットとするユーザー像の違いによる。

したがってCS4045の高剛性が、ライダーが求めるシャープな加速性能や、勾配変化への素早い対応、そして安定したコーナリングラインの維持に大きく貢献していると考えられる。

ただし、高いペダリング剛性は、パワー伝達効率と加速性能を向上させる一方で、特に長距離走行や荒れた路面においては、乗り心地の硬さとして体感される可能性もある。

この点に関しては、タイヤ選択(幅、空気圧、チューブレスかクリンチャーかなど)や、組み合わせる自転車フレームの特性との相性が、ライダーの総合的な満足度を左右する重要な要素となるだろう。

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CS4045が適合するライダー像と想定される走行シーン

CS4045は、その卓越した軽量性を最大限に活かした優れた登坂性能と、実用的な空力性能および高い剛性をバランスさせている。言うなれば、登坂性能に重点を置きつつも、平坦からアップダウンまでこなせるオールラウンド性能を兼ね備えることを目指して設計されたホイールである。

具体的なターゲットユーザーとしては、厳しい勾配が連続するヒルクライムレースや、山岳コースを含むステージレースでアドバンテージを求める競技志向のライダーがまず挙げられる。

また、起伏に富んだ変化の多いコースレイアウトを好むサイクリストや、平坦路での高速巡航から厳しい登坂までを一台のバイクで高いレベルでこなしたいと考える、欲張りなオールラウンダーにも最適な選択肢となり得るだろう。

特に、自転車の軽量化に情熱を注ぐライダーや、カーボンスポークのような最新技術に強い関心を持つアーリーアダプター層、そしてコストパフォーマンスに優れた高性能ホイールを求める合理的な判断力を持つ消費者にとって、CS4045は非常に魅力的な製品となるに違いない。

以上の分析を踏まえると、CS4045がその性能を最大限に発揮し、ライダーに恩恵をもたらすと考えられるのは、以下のようなライダータイプや走行スタイルであろう。

  • 軽量性を最優先事項とし、登坂性能の劇的な向上を求めるピュアクライマー。
  • 鋭い加速レスポンスと高い反応性を武器に、レースでのアタックやインターバルを得意とするレーサー。
  • カーボンスポークやセラミックベアリングといった最新のホイールテクノロジーに強い関心があり、その性能を積極的に自身のライディングで試したいと考える、専門知識を有するライダーや新しいもの好きのサイクリスト。
  • ある程度の乗り心地の良さよりも、ペダリング効率の最大化、スピードの追求、そしてダイレクトな操作感を優先する、競技志向の強いシリアスライダー。
  • 限られた予算の中で、トップクラスの性能を持つ軽量カーボンホイールセットを手に入れたいと考える、コストパフォーマンスを重視する賢明なサイクリスト。
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CRW CS4045 スペック

フロントホイール

image: Craft Racing Works

  • リム深さ:40mm
  • リム内幅:24mm
  • リム外幅:31.6mm
  • スポーク数:16本
  • 推奨最小タイヤサイズ:26mm
  • 推奨最大タイヤサイズ:45mm
  • チューブレス対応、フックドリム

リアホイール

image: Craft Racing Works

  • リム深さ:45mm
  • リム内幅:24mm
  • リム外幅:31.6mm
  • スポーク数:20本
  • 推奨最小タイヤサイズ:26mm
  • 推奨最大タイヤサイズ:45mm
  • チューブレス対応、フックドリム

付属品

各ホイールには、個別のシリアル番号、組み立て時の各スポークテンション、リムの真円度および振れの測定値が記載されたホイールビルドカードが付属する。これは全てハンドメイドで組み立てられ、作業を担当した職人の署名と日付が記入されている。

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まとめ:トップクラスの軽量性と硬さ

Craft Racing Works CS4045は、その際立った技術的特徴と実走から感じられる性能により、特定のニーズを持つライダーにとって、現状で考えうる限り非常に魅力的な選択肢となり得る高性能ホイールセットである。

メリット:

  • 圧倒的な軽量性: 公称重量1,158gという数値は、特に登坂性能と加速レスポンスにおいて絶大な効果を発揮する。
  • 高いペダリング剛性: 高弾性カーボンスポークと最適化されたハブ・リム設計により、ライダーのパワーをロスなくダイレクトに推進力へと変換する。
  • 優れた登坂性能とオールラウンドな走行性能の高度なバランス: 軽量性を活かした卓越した登坂力と、平坦路での巡航性能やハンドリング性能を高い次元で両立する設計。
  • 高品質な素材とコンポーネントの採用: リムには信頼性の高い日本製東レT700/T800カーボンファイバー、ハブには軽量高強度な7075-T6アルミニウム合金、そして標準で高品質なセラミックベアリングを採用。
  • 細部へのこだわりと品質管理の高さ: UDペイントレスフィニッシュによる美しい外観とさらなる軽量化の実現、そして各ホイールの製造データを詳細に記録したホイールビルドカードの付属は、製品の品質と信頼性に対するメーカーの自信の表れである。
  • 比較的良好な横風安定性: 前後異形リムハイトとエアロダイナミクスを考慮したスポーク形状により、ミドルハイトリムとしては一定レベル以上の横風耐性も備えている。

考慮すべき点(デメリットとなり得る要素):

  • 高剛性に起因する可能性のある乗り心地の硬さ: 路面状況、タイヤ選択(種類、幅、空気圧)、ライダーの体重や好みによっては、一部のライダーには乗り心地が硬すぎると感じられる可能性がある。これは快適性よりも走行効率と反応性を優先する設計思想の現れとも言える。
  • カーボンスポークの耐久性に関する長期的な実績データの不足: メーカーは高い耐久性を主張し、良好なユーザー報告も散見されるものの、伝統的なスチールスポークほどの長期間にわたる広範な使用実績はまだ確立されていない段階である。
  • 新興ブランドであることによる長期的なサポート体制への未知数: メーカーは2年間の製品保証と事故時の有償修理対応を明記しているものの、ブランドとしての歴史が比較的浅いため、長期的な部品供給体制やサポート体制の継続性については、今後の動向を見守る必要がある。

Craft Racing Works CS4045は、その卓越した軽量性と高い剛性により、特に登坂や加速といった勝負どころとなる局面で、ライダーに大きなアドバンテージをもたらす可能性を秘めた、極めて高性能なカーボンホイールセットである。

カーボンスポークやセラミックベアリングといった最新技術を意欲的に採用し、個々のパーツだけでなくホイールシステム全体として性能を最適化しようとする設計思想は高く評価できる。

一方で、その高剛性に由来する可能性のある乗り心地の硬さや、カーボンスポークという比較的新しい技術に対する長期的な信頼性、そして新興ブランドであることによるサポート面での未知数な部分も、購入を検討する上では無視できない要素となる。

CS4045の導入を検討する際には、自身の体重、主なライディングスタイル(レース志向か、ロングライド志向かなど)、走行する路面状況の特性、そして快適性に対する要求度合いなどを総合的に考慮し、自身のニーズと照らし合わせた上で、賢明な製品選択を行うことを推奨したい。

結論として、CS4045は実測1,158gという驚異的な軽さを誇る超軽量ホイールである。純粋な空力性能を追求するライダーと、絶対的な軽さを求めるクライマー、そのどちらのライダーの期待にも高いレベルで応え得るポテンシャルを秘めている。

言い換えれば、これ一つあれば、ヒルクライムから平坦基調のロードレース、さらには日常のトレーニングライドまで、ほとんどのシチュエーションに高い次元で対応できる、稀有なオールラウンド性能を備えたホイールと言えるであろう。

なお、CS4045 Gen2シルバーモデルは日本に割り当てられた数が少なくわずか12本限定だという。

ハブカラーはシルバーポリッシュ仕上げで改良版ハブが搭載されている。とにかく軽いホイールが欲しい方、最新のリム設計やスポーク本数が少なく空力性能に拘る方は、CS4045 Gen2を試してみてほしい。

CRWの購入方法はメール(shishenhui@carbonbikexpress.com)でのみ行っているという。販売価格は248,000円だ。日本のCS4045の割当は12本とのこと。非常に貴重なホイールのなので入手したい方はお早めに。

 

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