ROTOR POWERの特徴として開発者が以下の点を上げている。
・サンプリングレート
・精度
・温度変化
について、Rotorpowerは秀でているようだ。
今回、サンプリングレートについてどのようにパワーメーターに恩恵をもたらしているのか
各社のパワーメーターのサンプリングレートを確認した。
■各社PMのサンプリングレート
・SRM 200Hz
・Quarq 60Hz
・PT 60Hz
・ROTORPOWER 500Hz
SRMが200HzということでSRMよりも1.5倍のサンプリングレートをROTOR POWERは備えている。
ROTOR POWERの売りとして今回500Hzのサンプリングレートを上げているが
サンプリングレートが高いことによる測定器の恩恵はどの程度あるのか。
サンプリングレートを簡単に言うなら
・1秒間をいくつか分割して、それぞれの時点の情報(アナログ)をデジタル情報にすること。
例えば100Hzのサンプリングレートの場合
1秒間を100当分してそのひとつをデジタルデータ化する。
クランクを回転させる際に発生する力の物理量がアナログで
ガーミンに表示される数値としてのワットがデジタルだ。
極端な話クランクに取り付けられたパワーメーターはその橋渡しをしているだけ。
最初に表示したグラフを見て欲しい。
例えばケイデンス60rpmは1分間に60回ペダリング、1秒間に1回行う運動だが、
この時の運動を各社のパワーメーターは1秒間で一周するクランクの出力を
・ROTOR POWER(500Hz)は500回計測(0.002sec間隔)
・SRM(200Hz)は200回計測(0.005sec間隔)
・PT&Quarq(60Hz)は60回計測(0.016sec間隔)
計測というよりも、一秒間のデータをどれくらい細かく分解できる能力があるのかというほうがしっくりくる
上記画像で言い換えると、黒点がサンプリングした数だから20Hzとなる。
ペダリングはアナログのデータとして連続した情報で扱われるが、サンプリングしたデジタルデータは黒点のような飛び飛びの情報になる。
ROTORPOWERは0.002秒間隔でデーターを取得し、
PTは約0.016秒間隔でデーターを取得する。
SRMが他のメーターよりも用いられている理由はサンプリングレートが非常に高いので平滑化した際の値はより信ぴょう性があるからだろうか。
0秒から0.016経過した時点で
ROTOR POWERは8回のデーターを取得するのに対し、
PTは1回のデーターを取得するのみにとどまる。
例えば開始0.004秒の時点でMP1500wを記録したとする。
ROTOR POWERは1500wを計測できるが
PTは計測頻度が少ないのでMP更新はなかったことにされる。
■精度について
ROTOR POWERはLab環境で+/-0.5%の
SRMは+/-1.5%
PT&Quarqは+/-2%
精度をダーツに例えると、真ん中から外れる回数が1000回行うと
ROTOR POWERは5回
SRMは15回
PTは20回。
1000回は多いと感じるかもしれないが、
SRMのサンプリングレートで乗鞍60分を終える頃には
3600*200=720000回測定がされている。
その間、SRMは10800回事実とは異なる値を出していることになる。
サンプリングレートが一定、かつ精度が0.5%,1.5%,2%のセンサーが
乗鞍60分間で何回おかしな値を出すかというと
0.5% 3600回
1.5% 10800回
2.0% 14400回
ということになる。
■温度変化
電子機器は温度の変化により見かけひずみが発生する。
ひずみゲージはその影響をかなり受けてしまうようだ。
Rotorpowerはこの温度にも影響を受けにくいというアナウンスがされていた。
クライマーは特に高低差が生まれるから気にするところか。
■サンプリンレートとサイクルコンピューターへの転送時
パワーメーターは秒間ものすごい数のデーターを取得するが、ガーミンへ転送される際は1秒ごとのデーターになる。
言い換えると、パワーメーターはROTOR POWERの場合秒間500回取得したデーターを1秒に平滑化する。
サンプル数が多いほど正確な値がガーミンへ出力される仕組みとなる。
平滑化:数値の集計で、突出していたり、他と乖離していたりする値を、全体的に突出のない平らな状態にすること。
したがって、サンプリングレートが高いほど秒間に取得できるデーター量が増え、平滑化した際の値の確からしさが上がる。
なお、MEPの精度を測定する更に精度の高い装置を以前紹介したが、その分解精度は16bitだから
2^16回取得している。それと比べて精度が0.2%なのですごい精度だ。
そんなすごいパワーメーターが出るのが待ち遠し。
しかしアナウンスでは170mmからのラインナップになっている。
そこは残念だ。
■Ant+を用いたファームウェアアップデート
■ローター独自のデスクトップ環境での解析ソフトウェア
次回は上記にについても調べてみよう。
山本山さん添削お願いします。