■EUROBIKE2012で発表されたROTOR POWER
EUROBIKE2012に行きたい。出張ないかな。
つまるところMEP-10AとROTOR POWERは非常に酷似していることがわかる内容となっている。
公式にROTOR社が発表した重点的なポイントを上げる
・精度
ROTOR POWERについての精度がわかった。
対外的公表値2.0%、だがROTOR内部のテストによると概ね+/-0.5%の精度が保たれている
0.5%の精度で売り出すのかは今後のデーター次第というところか。
・気温への対応
温度変化にセンサーは敏感には反応しない
・1度行えば再校正は不要。
ゼロイングは、チェーンリング交換時に1度行えば良い。
言い換えれば、一度ローターパワーをインストールし、初期キャリブレーションを行えば
定期的に、ギアを入れかえなければ、再び校正する必要はない。
再び校正する必要はない。
再び校正する必要はない。
再び校正する必要はない。
大事なことなので3回言いました
・重量556g
・AIP社との関係
上記説明をされているROTORの担当パワーデザイナーがAntonio Brivioさんだが、
Antonio BrivioさんはAIPの技術代表だ。
・バッテリー駆動時間は300時間
・12月に16万で発売
今日のブログは、上記のROTORパワーデザイナさんのアントニオさんの発言を元に、ROTOR POWERに搭載されるMEPSystemを、現在唯一MEP搭載しているクランクMEP-10Aと比較し、ROTOR POWERで搭載されそうな機能と、改善されそうな機能を細かく見ていく。
なんと写真も、動画もあるよ。
■ROTORPOWERの発表
事前の予想通り、左右独立センサーという事は確定。センサーの精度はテスト環境で0.5%という高精度の世界に突入した。センサーはROTORのパワーデザイナさんがアントニオさんということでA.I.P社のMEPでほぼ確なんだろうけど、既存のMEP-A10は重量が1.5kgもあり、実用性に非常に掛ける製品のようだ。そのまま流用することは考えにくくROTOR POWERの開発の際に改良が加えられてくることは間違いない。再度色々と調べていくとMEPは、既存のQuarqやSRMといったスパイダーアームで歪を計測するタイプと異なる機構を持ったパワーメーターであることがわかる。
■MEPセンサー
今回ROTOR POWERで知りたいのはROTOR POWERそのものではなくてA.I.PのMEPということになる。クランクアーム部はMASシステム以外は3D+であるから特に興味がわかない。MASやらMEPやらさん文字が出てきたので整理すると、
MAS:ROTOR Q-RINGSのチェーンリングの角度を微妙に変えるマイクロアジャストシステム
MEP:A.I.P社の左右独立出力測定センサー
という整理。
ということはMEPをさらに調べてみるとROTOR POWERの概要がもっと分かるかもしれない。
■市販されているMEP搭載クランク
MEPが搭載され実際に市販されているクランクはMEP-10Aというパワーメーターだ。
価格は30万、重さは1500gで、用途は生体反応などを見る用途。
MEPは何かの略なのだろうが調べてみた。
Pedaling Efficiency Meter
逆から読んでMEP、そのモデルの10AがMEP-10Aということだ。
■MEPのセンサーとスパイダーアーム
このMEPはどのような方法で出力を測定しているのか気になる。通常のQuarqやSRM、P2Mはスパイダーに内蔵された歪みゲージで出力を測定しているが、A.I.Pが謳う”革新的なMEP”とは、どのような方法で左右独立して測定をしているのか調べた。MEP-A10はクランクアームとスパイダーアームが分解できる機構になっている。分解した時にセンサー部は、スパイダーアームとクランクどちらについているのかというと、クランクアーム部にセンサーがついている。確かにスパイダーアームのみで出力の測定をしていたら、引き足時に発生する回転方向とは逆のネガティブな力の測定は不可能だ。クランクアーム部にそれぞれ左右独立して出力センサーを配置することにより引き足時のネガティブな出力の測定を実現していることになる。
この点が既存のスパイダー計測型のパワーメーターとは異なる点であり革新的といっている部分なのだろう。
■センサー数
MEP-A10では8つのセンサーを備えているとあるが、Rotor Powerは4つとアナウンスされている。これは左右で4つづつ、合計8個なのかはわからないが、数が多ければそれだけサンプル数が増え精度が上がるものの、製造原価も上がるだろうし、一つのセンサーの精度が高そうだから4つでも、精度が+/-0.25%の場合なのでセンサー数はにしなくてもよい事かもしれない。
■センサーはどこに配置されているか
写真はMEP-10Aだ。これを見るとなにやらDINコネクタのような形状の山が見える。
写真の通りMEP-10Aの場合は、クランクとシャフトの接合部にセンサーが搭載されている。VeloNewsのROTOR POWERの写真を見る所そのような機構は無く、中がぽっかり空いている写真にみてとれる。現段階でプロトタイプということもあり実際出てくる製品とはまた違うように思う。記事の内容にもあるが、センサーは内蔵されとある。少なからずMEP-10Aを踏襲するのだろう。事実、MEP-10Aの場合シャフト部とクランク部は何か電気的な何かで接続される構成になっている。ROTOR POWERはどのような構成になるか未知だが、測定のためにクランク部とシャフト部を接合する理由は次に記載する。
■センサーが2つということは
センサーが2つという事で疑問に思う事がある。それはセンサーが2つあるのになぜ一つのサイコンで受信できるかだ。先ほど記載した、クランク部とシャフト部を接続している所が肝でシャフトを通じ2つのセンサーをつなぎ、ひとつのデーターとして、サイコンに転送する必要がある。ANT+は1対1の通信であるため2つのセンサーと一つのサイコンはパラレルで動作することができない。そのため、左右で独立したデータを一度一つのデーターとしてまとめ、転送する必要があると考えるのが普通かと思う。でもこれには課題がある。
■MEPセンサーの測定内容
MEPセンサーが取得できるデーターはどのようなものがあるのか。測定できる項目と内容は以下のとおりだ。
・mmR
・mmL
・V1-V3
・V2-V4
・OZR
・OZL
・SECsv
・SENS
・km
・Cd
・Vel
※内容についてはまた明日。
■現状のサイコンでMEPの測定内容がカバーが出来ない。
MEPで測定できる情報は、ペダリングロスであったり、トルクであったりとかなり詳細な情報が取れる。しかし現在のサイコンでは、対応機種がない。しかしQuarq redがリリースされる少し前、Garminはファームウェアアップデートで左右のペダリングバランスを測定できるようになった。Garminはアップデートで対応してくれる事だろう。
■スマートフォンやPCへの対応
QuarqのキャリブレーションソフトQalvinのようにスマートフォンを使ったパワーメーターとの親和性は今後より密なものとなる気がする。実際、MEPはWindowsCE向けの解析ソフトをバンドルしており、Windows上で走るアプリケーションもある。スピンスキャンのようにPCで解析しながらペダリングロスを、測れる仕組みだ。今はIphone向けに開発するのが良いか、若しくはGCのアドオンとして組み込むなどされると嬉しい。RotorPowerで取得出来るデータは魅力ではあるが、その解析のための周辺ソフトがない事にはただ電波を発するただの重たいクランクである以外何者でもない。
■MEP-A10とRotor Power
MEP-A10から比べるとRotorPower大幅に改良されている事がわかる。まずMEP-A10は、充電する仕組みで、三時間の充電で八時間駆動という、実走を無視したクランク。かたや、RotorPowerはQuarqなどと一緒でボタン電池のようだ。重量もMEP-10Aは1500g、かたやRotor Powerは556gである。このスペインの企業と、イタリアの企業の努力は涙ものだ
そして楕円をゲテモノ扱いされて来た頃から使っている身としては感慨深いものがある。
以上のような妄想をしながら以下の動画を眺めていると楽しくて寝られなくなる。
■わくわくする動画
http://insider.bikeradar.com/aip/video/video1
http://insider.bikeradar.com/aip/video/video2
http://insider.bikeradar.com/aip/video/video3
http://insider.bikeradar.com/aip/video/video4
■おわりに
以上の点から、Rotor Powerは、精度の面からSRMを超える可能性を持ち、ネガティブパワーの計測機能からスピンスキャンやVectorと同様の性能を、そして価格面で15万程、なによりシマノの24mmアスクルに対応する全方位をカバーする軽量パワーメーターとして発売される
かもしれない。
これでなんどもいう167.5mmが出た日には、もうパワーメーター沼からでられる日がきたのだと思う事だろう。
そんな事を考えながら、来たる12月のクリスマスの発売をサンタさんと会社のボーナスに願うばかりである。
BLOG書いていたらもう夜中3時だ。寝よう。
あと2時間50分後には朝練が始まる。
長文お疲れ様でした。
明日は、SRMを超えるサンプリンレートについて考察する。