ハゲ頭は空力と冷却において最高の性能を発揮すること実験で明らかになった。
第12回国際スポーツ工学協会大会(オーストラリア、クイーンズランド州ブリスベン)で、アデレード大学機械工学部のFitzgeraldらが発表した論文「Bicycle Helmets—Are Low Drag and Efficient Cooling Mutually Exclusive?」によると、ハゲ頭はエアロヘルメットよりも優れた空力性能と冷却性能を備えていることが判明した。
本研究はヘルメットが空力性能と効率的な冷却を同時に実現できるかどうかを判断する目的で、11種類のハイエンドな「エアロヘルメット」について空力学的研究を実施した。各ヘルメットの空気抵抗は、特注のサイクリング用マネキンを用いて、速度40km/h、ヨー角範囲0°から±25°、速度50km/h、ヨー角0°で測定された。
ヘルメット表面に36個の熱電対を埋め込んだ特注の加熱型マネキンヘッドフォームを用いて、各ヘルメットの冷却能力の熱試験を実施した。
結果は以下の通り。
- ハゲ頭よりも空力性能が優れていたのはTTヘルメットだけだった。
- ハゲ頭よりも全てのロード用エアロヘルメットの空力性能が悪かった。
- ハゲ頭よりも温度が-1℃低いヘルメットは2つだけだった。
まとめ。
- 頭はとても傷つきやすく、しかも1人1つしかないので、ヘルメットなしでレースに出るのはクレイジーである。(ヘルメットなしで長い髪のままレースに出るのはより最悪である)。
- ロード用エアロヘルメットはハゲ頭より遅い。しかし、通気性があれば冷却性はほぼ同じ性能を備えている。スピードを気にせず、主に安全性を重視するならば、安くても安全なヘルメットを手に入れたほうがハゲ頭よりよい。
- 純正ヘルメットの空力特性は、通気孔の一部または全部にテープを貼ったり、ハードシェルやソフトシェルを使ったりすることで、簡単に改善することができる。レース当日、特に短距離では、これらがハゲ頭に対する妥協点になる。
- TTヘルメットは、頭-首-背中(と耳)の間の隙間を埋めるため、ハゲ頭よりも勝る。
00年代以前はほとんどのプロライダーがヘルメットをかぶっていなかった。そして、安全性の問題は完全に横に置いて、結局のところ科学が彼らの味方をしていたのかもしれない。特にパンターニの驚異的な登坂タイムがそうだ。
パンターニの特徴的な頭は、この時代の多くのレースと多くの超級山岳で勝利を収めてきた。ライバルたちの頭髪の量と比較すると、パンターニの頭は空力性能と冷却性能に非常に優れていたと推測できる。
以上の結果から、ハゲ頭は数あるエアロヘルメットよりも優れた空力性能と冷却性能を備えているが、安全面を考慮するとヘルメットをかぶったほうが良いことを示唆している。
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