パイオニアペダリングモニターをBikeradarが酷評し2点

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Bikeradarのペダリングモニター評価は星2つ

海外の有名サイト”Bikeradar”にパイオニアペダリングモニターのレビュー記事が掲載された。その評価は星2つ(5段階評価)である。これは相当低い。私の知る限り過去にパワーメーターで評価2が付いたのは初期型のPower2Maxである。

それにしても、なぜ評価2が着いたのか。内容を読んでいくと、センサーや、製品のデバイス(電子機器部分)に原因がない事がわかる。

そして今回、BikeRadarが酷評するに至ったトルクの向き(ベクトルの方向が狂う)問題がある。実際になぜ起こってしまったのだろうか。今回は、BikeRadar掲載されている”おかしなベクトル表示”を、私が自身のバイクで再現してみせよう。

低評価は耳の痛い話だ

Bikeradarの評価は2である。Power2Max初期型は評価2、Quarqは評価4である。これは海外での販売に影響を及ぼさなければよいが。Bikeradarのキャッチタイトルは、『12箇所で出力を測定する独自のパワーメーター、しかし改良の余地がある』とある。

Power2Maxの時のキャッチタイトルはこうだ。『低価格のパワーメーターが登場、しかし温度変化に難あり』とある。誤認していけない点をあげる。前者(パイオニアペダリングモニター)と後者(Power2Max)では、構造上の問題(パイオニアペダリングモニター)と、ひずみゲージ(Power2Max)を指している。

まず大前提で、センサー部の問題は無いとBikeRadarは断言している。では”何が”問題で評価2を付けるに至ったのだろうか。

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パイオニアペダリングモニターをテストした構成

今回BikeRadarが用意したシステムは以下のとおりだ。

  • Powertap(ハブ型)
  • パイオニアペダリングモニター(クランクアーム型)
  • Vector(ペダル型)

そろそろ”測定精度の指針違うメーター”同士を比較してどうこう言うのは止めにしたい、ところではあるが未だ続くパワーメーター界の悪い風習だ、と苦言を言っておきたい。もっと厳密に測定して測定機材を「パワーメーター以外の測定器」にすべきだ。

値が不確かなパワーメーターどうしで測定しあっても比較の真意が見えない。測定精度の指針を統一すべきだ。と、言っても始まらないので次。

ベクトル向きのズレ問題が発生

実験に使う装置の取り付けは、パイオニアのスタッフ2名が行った。キャリブレーションも同様だ。問題は、ベクトルの向きがおかしい、と苦言を示している。Bikeradarに掲載されている画像を確認しよう。

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上記の通り、明らかにベクトルがおかしい。では私も再現出来たので掲載。

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どうだろうか。全く同じだ。そして右側という条件も合致していまいか。この異常なベクトルが表示されるには理由がある。ではその理由を見ていく。

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OSBBとの相性問題

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パイオニアペダリングモニターはBBの選択が限られる。特にSPECIALIZEDのS-WORKSの場合BBがOSBBである。そして、このOSBBはプラスティック製の樹脂のスリーブを噛ませて、そこにBBを圧入する。

私のマシンでもドライブ側が通常のクランクの回転に対しBBが逆回転する。そうするとあの異常なベクトルが表示されるのだ。上に記載しているパイオニアペダリングモニターをテストしたフレームはS-WORKSのVENGEであろう。FACT11のロゴも見える、間違いない。

とすると、OSBBである。同様の事象が発生してもおかしくない。

回転させない対策

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方法は完全に固定するか、もしくはpraxisworksのスペシャライズドOSBB用Collet Systemを使うかだ。今後の状況しだいで色々試してみたい。Collet Systemは先にスリーブが付いた方をノンドライブ側を圧入する。

ドライブ側をねじ込み挿入する際、ねじ込む結果、スリーブが拡張する。それが元々の樹脂のスリーブに固定される。そして、利点は左右のベアリングがつながった状態でシェルに収まっていることだ。結果として、安定性と軋みが少なくなる。

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唯一の欠点はBBといえる

通常の、シマノ純正ホローテックBBではズレの報告はない。しかし、圧入タイプのOSBBであったりBB30の場合逆転しずれる報告がある。私もその一人だ。唯一パイオニアペダリングモニターの”デバイス以外”で抱える問題である。

しかし、デバイスとしての完成度や値の正確性、温度変化への対応は突出している。機能が優れている分、BBの問題がより見えてしまう。パイオニアペダリングモニターにとってベクトルとは重要な要素だ。

パワーメーターとしてみると、非常に良い製品といえる。今回Bikeradarが酷評したのは、総合的に見てベクトルの”狂い”やフレームとの相性問題を危惧したのだろう。パワーメーター単体で見れば特にデバイスとしての問題は無い。

サイクリストがペダリングモニターを活かすために

パイオニアペダリングモニターはパワーメーター以外の新たな領域に踏み込んだ唯一無二のデバイスである。今回はその肝となるベクトル表示部分の問題が、フレーム相性により発生したのは残念である。

もし完璧な状態でかつ、BBのセンサーも逆回転しなかったなら、Bikeradarはどんな評価をつけていたのだろうか。3なのか、それとも4か。いづれにしろ採点は一つの見方であると、私は言いたい。

事実としてペダリングの可視化は画期的なものだ。それを使いどう工夫するのか。高い評価をつけるのも、低い評価をつけるのも使い手次第である。ようは、原理を理解して使いこなせるか否か、である。豚に真珠になる恐れのあるデバイスとも言える。

より使い手の思考や、考えが試される装置がパイオニアペダリングモニターではないか。言うなれば効率100%を求めるサイクリストには向かない。妥協点を理解して閾値を探る、そんな試行錯誤ができるサイクリストこそ、
”初めて生かせる解析装置”なのだ。

というレビューにもまけず、大幅に改良した
次期新型のパイオニアペダリングモニターが発表される
当ブログのパイオニアペダリングモニター関連記事
Pioneer Pedaling Monitor System review

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