GoProの牙城はいとも簡単に崩れ去ってしまうのかもしれない。あの大手カメラ光学機器メーカーのNikonがアクションカメラを発売する。しかも、ただの後追いアクションカメラなんかじゃない。なんと、裏表にカメラのレンズが付いているのだ。察しのいい方なら気づくかもしれない。
前後にレンズとセンサーが2つという意味を。
いままでのアクションカメラといえば、ライダーの向く方向のみ撮影だった。もしかしたら、全く関係ないところを向いていたり、綺麗な風景を素通りしていたり、撮影者の後ろでとても面白い瞬間を撮り逃していた事なんて無数に考えられる。しかし、360度撮影となるとどうだろう。
人間の視野角度120度と言われている。その見えていない部分240度の世界を見る事ができる。しかも自由自在に。そう自由自在にというところが他のデバイスにはないポイントなのだ。
Nikon KeyMission 360
KeyMission 360は前後に配置されたレンズで自分を中心に360度撮影する事ができる。肝心のセンサーを確認したい。センサーはレンズ毎に分かれて前後二つに配置される。レンズ二枚とセンサー2つという盛込み具合だ。Nikonと言えば、カメラ機器メーカーというよりも光学機器メーカーである。
Nikonの一眼レフカメラに使われている素子(センサー)はSONY製と言われているから、このアクションカメラにも同様の技術が盛り込まれている事を期待したい。もちろん動画の撮影解像度はスタンダードになりつつある4K画質だ。ハイビジョンテレビで写しても、もちろん鮮明な動画を再生できる。そして嬉しい事に電子手ブレ補正もある。
実際にKeyMission 360を使って撮影された動画がこちらだ。まずは再生してみてほしい。どうだろうか。度肝を抜かれる程の映像が広がっていただろうか。実は初めて再生した時「普通に再生」してしまった。この360度を試せぬままに。肝心の機能を使うには画面右上のスライダーを確認してほしい。
このような十字スライダーが表示されている。これをポチポチ動かすのだ。そうするとただの動画はあたかも今その場にいるかのような世界を見せてくれる。これが、我々サイクリストの世界にもたらす恩恵は大きい。後ろで起こっている展開や、仕掛けるその瞬間など、考えただけでも胸が踊る。
それら鮮明な決定的瞬間を、光学機器メーカーとして名を馳せたNikonが捉えるのだからこれは期待したい。ただ、マウントのラインナップやAnt対応などまだ未知の部分は多いと言える。
これまでGoPro一色だったアクションカメラ市場にカメラ専業メーカーのNikonの参戦する意味は大きい。今後熾烈なシェア争いが起きそうな市場だが、旅の記録やレースの記録として重宝されそうだ。KeyMission 360は2016年春に発売予定だ。