2万5千本売れた2000円台のフロアポンプGORIX GX-33Pインプレッション

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「2万5千本売れたフロアポンプ」というキャッチコピーを見て、なぜそんなに売れたのか不思議でしかなかった。最近のネットのレビューはほとんどあてにならないし、食べログの投稿も操作されている時代だ。「2万5千本売れた」と言われても、売れているから良い製品だとは限らない。ただ、日本人は皆が使っているモノを欲しがり、よく売れているモノを好意的に捉える傾向がある。

というわけで、私はこのおそらく日本で一番売れているであろう(?)フロアポンプをテストすることにした。本来であれば、プロショップでよく使われているドイツのSKSレンコンプレッサー(2台所有)や、レザインの芸術的な造形美のフロアポンプ、はたまたSILCAの5万円以上する高級ポンプのほうがインプレのウケが良いことは知っている。

ただ今回テストするGORIX GX-33Pの販売価格は、2699円から5%OFFの2564円でさらにAmazonポイントが1pt着くので実質2563円のポンプだ。はたして本当に使用できるポンプなのだろうか。その2万5千本売れた2000円台で購入できるGORIX GX-33Pをインプレッションしていく。

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安かろう悪かろうなのか

金銭感覚が麻痺したサイクリストたちにとって、2000円台で購入できるフロアポンプの存在は信じられないかもしれない。携帯ポンプですら同じくらいの値段だ。据え置きのフロアポンプで2000円台の価格設定はある意味、ポンプとして存在するためにギリギリの価格とも思えてくる。そうなると「安かろう悪かろう」というポンプなのではないか、と心配になってくる。

安い製品といえば、チープなプラスチックや樹脂をふんだんに使って、強度的に問題のある粗悪品も多い。ユーザーの手元に届くまでに何重にもコストがかかるわけだから、原材料費を考えても質の高い素材や、手の混んだ機能をふんだんに入れることは考えにくい。それらを加味しつつGORIX GX-33Pの材質や作りを見ていくことにした。

使用している材質を確認すると、シリンダー部はスチールで作られていた。スチールといえばロードバイクフレームにも使用されており、最も古くから使用されている材質だ。いわゆるクロモリブデンの「クロモリ」もそうだし、ニッケルクロムモリブデン、マンガンモリブデンと様々な材質が使われている。

スチールが好まれて使われる理由としては、強度や耐久性が強く高い事があげられる。また、素材が丈夫で壊れにくいという特徴がある。そして素材の強度が強いので、スッキリとした細いパイプが作れるといった特徴もある。ただ、重量がかさんでしまうというデメリットもあるが、それはフレームでクロモリを使用する場合の話であって、むしろフロアポンプであれば安定性が高まるというメリットに変わる。

実際の重量はおよそ1.2kgだ。数値にすると重く感じてしまうが、実際にはそれほど重くは感じない。というのも据え置きにしておく場合が多く、重量面で問題を感じることはない。GORIX GX-33Pは価格を抑えながらもしっかりとした素材を使用し、ポンプに求められる剛性面での問題は特に見当たらなかった。

ただ、使われている材質と実際に使えるかはまた別の話だ。ポンピングすると不安定だったりするフロアポンプも多い。次章からは重要な使い方やポンピングの感触について確かめていく。

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使い方

この手のバルブヘッドに共通している使い方がある。バルブにバルブヘッドを差し込み、空気圧ゲージが振れるまで奥に差し込む。差し込みが甘いと、空気圧ゲージはゼロをさしたままだ。この場合、空気を入れていくと途中で空気が入り切らず、バルブヘッドが空気圧に負けて飛んでしまう可能性がある。

バルブとの接続方法は、英式、米式、仏式が使用可能だ。ロードバイク用タイヤにも空気を入れることができるし、ママチャリにも対応している。今回はロードバイクに限って使い方を確認していく。ロードバイク用として使う場合は専用のバルブヘッドをまず差し込む。差し込んだあとはレバーを引き上げてバルブから空気がもれないようにする。

ただこれだけの作業なのだが、この手のバルブヘッドを使ったことがない人は空気が漏れてしまったり、途中でヘッドが外れてしまったりする。コツとしては十分にバルブを差し込みつつ、固定用のレバーを引き上げる。外すときはレバーをもとに戻して抜くだけだ。この際に空気が漏れる音がするが、タイヤ内の空気が抜けているわけではないので安心してほしい。

ヘッドの差し込みが浅かったり、斜めに入っていたりすると空気が漏れてしまう場合があるので、まっすぐ奥までしっかりと差し込もう。

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ポンピング

フロアポンプのポンピングで注目したいのは「安定性」「ストロークの高さ」「排出量」の3つだ。特にストロークの高さは重要だ。海外ブランドのポンプにありがちなのは、背の高い欧米人に合わせて設計されておりポンプのストローク量が長すぎて、ハンドルを一番上まで上げにくい製品がある。

最も上げやすいのはやはりドイツのSKSレンコンプレッサーの650mmだ。身長155cmの妻でも使用できるし、私の身長170cmだとジャストサイズといえる。のむラボのノムさんも愛用しているのを知ってから私も長らく愛用しており、実家にも1本、関西の自宅にも1本(こちらは50周年記念アニバーサリーモデル)おいてある。レンコンプレッサーが良いところはストローク量が短いことだ。

GORIX GX-33Pは高さ610mmだ。レンコンプレッサーの長さ650mmより40mmほど短い。しかし実際に使ってみると下まで押し込みやすい印象だった。正直な感想を述べると、610mmだろうが650mmだろうがあまり大差がない。ただし、700mmになると少々長く感じる。そう考えると小柄な女性でも使いやすいサイズといえる。

ストローク量は小柄な日本人にちょうどよいサイズ感だということがわかった。次に重要なのはポンピングのしやすさだ。比較対象は愛用しているSKSレンコンプレッサーなのだが、やはり押し込んだときの軽さはSKSレンコンプレッサーに軍配が上がる。そもそも製品価格が6倍くらい違うので比較すること自体が可愛そうなのだが、GORIX GX-33P自体のポンピングが重めだ。

空気圧が低い状態のポンピングは入れやすいと感じるが、空気圧が高まってくると次第にポンピングが重くなってくる。どのポンプにも共通していることなのだが、高い空気圧になればなるほど力を入れて空気を入れる必要がある。押し込んで行くとやや反発が強く感じることがあった。また、ストローク量が比較的短いため通常よりもポンピング回数は多くなる傾向にある。

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ゲージの精度

ポンプ自体にゲージがついているが、Panaracerのエアゲージと比較するとわずかに誤差があった。とはいえ使用するには問題はない。ママチャリであればざっくりと4BAR程度入っていることがわかればよいが、ロードバイクの場合は0.1BAR刻みで調整する場合が多い。ロードバイクの空気圧のようにシビアな調整方法の場合は、そもそもフロアポンプのゲージを使わない場合のほうが多い。

正確と言われるSKSレンコンプレッサーのゲージも実際にはあまり使っておらず、別途Panaracerのアナログゲージを使用している。使い方としては、調整したい空気圧よりも少々多めに空気を充填し、アナログゲージを使用して徐々に空気を減圧していくという方法を取る場合が多い。

シクロクロスの場合はさらにシビアな0.01bar刻みで調整していくからアナログゲージでも測定することができず、デジタルケージを使用する。ここからは個人的な意見だが、どんなメーカーであってもフロアポンプ自体のゲージはざっくりとした目安として使い、細かな空気圧の調整は1つの空気圧ゲージを固定して使い続けたほうがいい。

そのほうが確実に空気圧の調整ができるし、仮に他人のフロアポンプを使用した場合でも空気圧の誤差が生じることはない。

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デザイン

フロアポンプにカラーバリエーションという考え方はそもそも無かった。GORIX GX-33Pは10種類のカラーバリエーションから好みの色を選ぶことが可能だ。ビアンキ好きにはたまらないチェレステカラー、あまりお目にかかることはないピンクは女性にも人気がありそうだ。無難な黒は最も定番だが、せっかく10種類もカラーバリエーションがあるのだから、バイクに合わせて色を選びたい。

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まとめ:2万5千本売れた理由

ここまで様々な角度からGORIX GX-33Pを確認してきた。まとめとして、2万5千本も売れた理由をあらためて考えてみよう。まず価格が非常にリーズナブルである事は導入のハードルを下げてくれる。フロアポンプが2000円台で購入できるなら多少失敗しても良いかなと思えてくる。

実際の使い勝手面でいえば、ポンプ自体の高さが小さくストローク量も少ないため小柄な女性や日本人の体型には合っている。ただ、その分ポンピング回数は増えるし、高圧になってくると力を入れないと空気が入りにくいと感じることがあった。

とはいえ、2000円台のフロアポンプとして考えるとバルブヘッドもよくできているし、ママチャリにも使えることを考えると非常にリーズナブルなポンプだと思う。もう一つ良いと感じたのは、本製品はロードバイクやママチャリに限らず、ボール、海で使用する浮き輪、子供用のプール等にも使用できる。

私はベビーバスを膨らませる際に、本製品があったら良かったなと思った。キャンプや海に行く機会が多い方も本製品があれば、浮き輪やプールを膨らます手間が省けるだろう。

そういう意味では、ロードバイクに限らず、ママチャリからレジャー用品と多種多様な使い方が可能だ。2万5千本売れた背景には、ロードバイク乗り以外にもママチャリやレジャー用途で使用する人が買い支えている可能性がある。とはいえ、ロードバイクを始めたばかりでいろいろと買い揃えねばならない時期には本製品で十分事足りる性能だ。

様々な用途に使え、リーズナブルなフロアポンプを探していた方はGORIX GX-33Pを試してほしい。ちなみに一番安いところを楽天、Amazonと調べたが、Amazonなら2699円から5%OFFの2564円でさらにAmazonポイントが1pt着くので実質2563円だ。非常に安く様々な用途に使用できるのでサブポンプとして1本置いておくのも良いかもしれない。

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