on cloud 6 waterproof レビュー サイズ感は幅広だがCoastより狭い

4.5
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スイス発のパフォーマンスブランドOnが提唱する「ソフトな着地と爆発的な蹴り出し」という思想は、ランニングシューズの世界に革新をもたらした。その哲学を普段の生活の多様な要求に応える形で昇華させたのが、ブランドの象徴的モデル「Cloudシリーズ」である。

「Cloud 6 Waterproof」(以下、Cloud 6 WP)は、単なる前モデルのアップデートに留まらない。これは、一つのシューズであらゆる状況に対応したいと願う現代人の生活環境や、特にハイテクシューズの需要に対する、Onからの明確な回答である。

すなわち、ミニマルな美学、ハイテク性能、そして全天候型対応能力を融合させた「オールインワンシューズ」の役割を担う一足と言える。

アウトドアと日常の境界線に

現代のフットウェア市場は、アスレチック性能と日常的なスタイルの境界線を曖昧にする大きな潮流の中いる。消費者はもはや、専門的なギアにのみ高性能を求めるのではない。

通勤や旅行で日常的に使用するアイテムにも、防水性のような技術的特徴が備わっていることを期待するようになった。この市場の変化は、アウトドアギアを都市のファッションに取り入れる「ゴープコア」トレンドによってさらに加速された。

Cloud 6 WPの存在は、この「パフォーマンス」「ライフスタイル」「アウトドア」という三つの領域が収斂した論理的帰結である。

このシューズが解決しようとする課題は明確である。それは、天候が予測不可能な日に、スタイリッシュなスニーカーと機能的な防水シューズのどちらかを選ぶというジレンマを解消することだ。

Cloud 5シリーズからの主要なアップグレード、すなわちクッション性の向上、フィット感の改良、そして防水性能の維持は、この課題解決に向けた具体的な技術的アプローチである。

しかし、この多機能性の追求は、設計上の本質的な妥協点を生み出す。防水性と通気性、耐久性と軽量性といった、相反する要素間のトレードオフである。

Cloud 6 WPは、技術的にはランニングシューズでありながら、審美眼の厳しいオフィスや街路でその価値を証明しなければならない。この二元的な要求がもたらす設計上の妥協点を深く理解し、その性能と価値を客観的に評価することが、本レビューの中心的なテーマだ。

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Onエンジンの解体

Onのシューズを特徴づけるのは、そのマーケティングのために生み出された用語の裏に隠されている独自の技術思想である。Cloud 6 WPの性能を理解するためには、その心臓部を構成するCloudTec、Speedboard、そして防水メンブレンという三つのコア技術を工学的視点から詳細に分析する必要がある。

再創造されたCloudTecミッドソール

Onの代名詞であるCloudTecは、個々のポッド(クラウドパーツ)が着地時に水平方向と垂直方向に圧縮されることで衝撃を吸収するユニークなクッショニングシステムである。Cloud 6では、このシステムが大幅な進化を遂げた。

第一に、ジオメトリの更新が挙げられる。前モデルであるCloud 5と比較してミッドソール全体が厚くなり、クラウドポッドの形状が横長に変更された。この改良は、単にクッションの量を増やすだけでなく、着地時の安定性を高め、よりスムーズな重心移動を実現することを目的としている。

具体的な数値として計測したところ、ヒール部のスタックハイトが28.3 mm、フォアフット部が19.5 mmであり、結果として8.8 mmのヒール・トゥ・ドロップとなっている。これは公式スペックの8 mmに非常に近い数値であり、日常使用に適した中程度のドロップと言える。

第二に、素材の革新がある。ミッドソールには軽量なZero-Gravityフォームが採用されているが、Cloud 6ではこれがバイオ由来の素材へとアップデートされた。これは、持続可能性への配慮というブランドの姿勢を反映したものである。

このミッドソールの進化は、市場からの「より高いクッション性」という要求への直接的な応答である。しかし、単に柔らかいフォームを増量するだけでは、走行時の安定性が損なわれ、Onが標榜する「レスポンシブな走り」とはかけ離れたものになってしまう。

そのため、ポッド形状を水平方向の安定性が高いデザインに変更し、後述するSpeedboardを改良することで、厚みを増したフォームスタックの圧縮と反発を精密に制御している。

これは、競合であるHokaのような「マキシマリスト・クッショニング」とは一線を画す、「制御されたクッショニング」というOn独自の設計哲学の表れである。

Speedboard:推進力と制御の要

ミッドソールに内蔵されたSpeedboardは、CloudTecシステムと足を繋ぐ重要な役割を担う。Cloud 6ではナイロン6をブレンドした素材が使用されており、この液体射出成形ポリマープレートが着地時に蓄えた運動エネルギーを前方への推進力に変換する。

シューズの背骨として機能し、ねじれを抑制して安定性を提供すると同時に、爆発的な蹴り出しをサポートする。

Cloud 6に搭載されたSpeedboardは、純粋なスピード追求ではなく、一日中快適に着用するための性能に最適化されている。形状と素材が微調整され、中足部の安定性をさらに高め、長時間の歩行やランニングにおける疲労を軽減するよう設計されている。

このプレートはCloudTecのポッドと協調して機能する。ポッドが着地時の衝撃を吸収し、Speedboardがそのエネルギーを捉えて推進力のある「スナップ」感を生み出す。この二つの技術の相乗効果こそが、On特有の走行感覚の源泉なのである。

防水バリア:保護性能と妥協点

Cloud 6 WPの核となる機能は、その防水性である。アッパーにはPFAS(有機フッ素化合物)フリーの防水メンブレンが採用されており、外部からの水の侵入を完全にブロックしつつ、内部で発生した水蒸気(汗)を外部に排出する透湿性を備えている。

この高性能なメンブレンを支えるため、アッパーの素材には特別な配慮がなされている。非防水モデルと比較して、より目が詰まった2トーンメッシュが採用されており、素材自体が硬質である。これはメンブレンを保護し、シューズ全体の耐久性を向上させるための必然的な選択である。

しかし、ここにあらゆる防水シューズが直面する根源的なトレードオフ、すなわち「防水性」と「通気性」の間の対立関係が存在する。Cloud 6 WPのメンブレンは雨水の侵入を防ぐ上で非常に効果的であるが、その代償として空気の流動を著しく制限する。

結果として、特に温暖な気候下や長時間の使用において、シューズ内部の熱や湿気がこもりやすくなるという欠点が生じる。この特性は、Cloud 6 WPが全天候型でありながら、特に涼しい、あるいは湿潤な環境でその真価を発揮するシューズであることを示唆している。

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実環境における性能

技術仕様の分析だけでは、シューズの真の価値を測ることはできない。ここでは、実際に使用しつつ、客観的なラボデータを統合し、Cloud 6 WPが想定される使用環境においてどのような性能を発揮するのかを客観的に評価していく。

クッショニングとレスポンス:「硬質な雲」というパラドックス

「雲の上の走り」というマーケティングメッセージとは裏腹に、Cloud 6 WPの履き心地は独特である。着地時の初期の柔らかさと、その後に続くしっかりとした反発性のある土台という二面性がある。これは「硬質でありながら快適」という、一見矛盾した感覚である。

実使用で感じた知覚としては、長時間のウォーキングや軽いアクティビティにおいて快適で、疲労を軽減する効果がある。しかし、Hokaブランドのシューズに見られるような、足が深く沈み込むような豪華なクッション性とは明確に異なる。

履き始めは「少し硬い」と感じ、数日間の慣らし期間が必要になる。

実際の使用による主観的な評価は、客観的なラボデータによって裏付けられている。デュロメーター(硬度計)による測定では、ミッドソールのフォーム自体は平均よりも硬い33.0 HAという数値を示す。

しかし、圧縮可能なCloudTecポッドの構造が、この硬さを補ってクッション感を生み出しているのである。この事実が、「硬質だがクッション性がある」というユーザー体験の根拠となっている。

性能の限界については、その重量(約276gから296g)と硬めの走り心地から、本格的なパフォーマンスランニングシューズではないことが明らかである。時速12km(キロ5分ペース)程度の軽いジョギングであれば問題なく対応可能だが、それ以上の強度を求めるランナーには不向きである。

全天候対応能力:防水性と通気性の実態

シューズの最大のセールスポイントである防水性能は、実環境において非常に高い効果を発揮する。激しい雨や浅い水たまりの中を走行・歩行しても、足が濡れることはなかった。

しかし、この優れた防水性は、顕著な通気性の犠牲の上に成り立っている。温暖な気候下や長時間の着用時には、シューズ内部が蒸れやすく、足が汗ばむ。

これは設計上の必然的な結果であり、Cloud 6 WPを高温多湿な夏の日に使用するには不向きな、涼しいあるいは雨天のコンディションに特化したシューズとして位置づけている。

また、すべての防水ローカットシューズに共通する弱点として、足首の履き口からの水の侵入には脆弱である。ズボンを伝って雨水が流れ込んだり、深い水たまりに足を踏み入れたりした場合には、内部が浸水する可能性がある。

トラクション分析:乾いた路面での信頼性と濡れた路面

アウトソールのグリップ性能は、都市環境における安全性に直結する重要な要素である。Cloud 6 WPのラバーアウトソールは、乾燥した路面やほとんどの濡れたアスファルト路面において、優れたトラクションを発揮する。

しかし、このシューズには重大な欠陥が存在する。それは、マンホールの蓋、金属製の格子、濡れたタイルといった、滑らかで非多孔質な濡れた路面において、極端に滑りやすくなるという点である。これは都市部での使用を主眼に置いたシューズとしては、深刻な安全上の懸念事項といえる。

この問題の根本原因は、Onの設計哲学そのものに起因する。アウトソールは一枚の連続したラバーシートではなく、個々のクラウドポッドの接地面にのみラバーパッドが配置された構造となっている。

この設計は、軽量化とポッドの柔軟性を最大化する上で効果的だが、同時に地面との接触面積を減少させる。滑らかな濡れた路面でのグリップは、水を排してゴムの接触面積を最大化することによって得られるため、多数の溝を持つポッド構造は、従来のフラットなアウトソールと比較して著しく不利になる。

つまり、CloudTecソールというシューズの核となるアイデンティティが、都市環境における最大の性能的弱点の直接的な原因となっている。これは、設計段階で選択された、避けられないトレードオフなのである。

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フィットの課題

シューズの性能がいかに優れていても、フィット感が悪ければその価値は半減する。Cloud 6 WPのフィットは複雑であり、購入希望者にとって最大の障壁となりうる要素である。ここでは、そのサイジングと快適性に関するガイドをまとめた。

「ハーフサイズアップ」の法則

Cloud 6 WPのサイジングに関しては、普段着用しているスニーカーのサイズから、少なくともハーフサイズ(0.5 cm)上げるべきであるというものである。特に、足幅が広いユーザーや、インソールを使用するユーザーは、ワンサイズ(1.0 cm)アップを検討する必要がある場合もある。

この「サイズアップ」の推奨は、特に本製品である防水モデルにおいて重要性を増す。防水メンブレンを搭載したアッパーは、非防水モデルに比べて伸縮性がなく、より硬質であるため、全体的にタイトなフィット感となる。

したがって、快適な履き心地を確保するためには、サイズ選びに細心の注意を払う必要がある。

ヒールスリップのジレンマ

Cloud 6 WPにおける最も深刻なフィット問題は、踵の浮き、すなわちヒールスリップである。この問題は、複数の設計要因が複合的に作用して発生する。

根本的な原因は、Cloud 6の設計思想にある。Onはより多くのユーザーに対応するため、意図的に履き口を広くし、全体的によりゆとりのあるラストを採用した。しかし、防水モデルのアッパーは前述の通り、標準的なメッシュ素材と比較して著しく硬く、足の形状に馴染みにくい。

この「広いラスト」と「硬いアッパー」の組み合わせが、特に足幅が狭い、あるいは甲が低い(低容積の)足を持つユーザーにとって問題を引き起こす。

硬いアッパーは足を適切に包み込むように締めることができず、幅広のヒールカップ内で踵が固定されないため、歩行サイクル中に踵が浮き上がってしまうのである。足幅の狭いユーザーにとってはこの問題が購入を断念する理由になりうる。

筆者は4Eのビジネスシューズをはくほどの幅広足であるため、ON Cloud 6は最適なのだが、初めてCloud 6を使用する方にとっては購入前の試着は不可欠だ。

このフィット問題は、単なる設計ミスではない。Onが製品のポジショニングを、より競技志向のアスリート層から、よりカジュアルで快適性を重視する一般消費者層へと拡大しようとする戦略的判断の結果として生じたものである。

より多くの足型に合うようにシューズを広くした結果、元々の顧客層であった、よりタイトで確実なフィットを求める層にとっては、フィット感が損なわれるという皮肉な状況が生まれたのである。

スピードレースシステム:利便性と固定力の両立

Onの象徴的な特徴の一つである伸縮性のあるスピードレースシステムは、利便性と固定力という二つの側面から評価されるべきである。使ってみるとこれ以上に便利なものは無い。

その最大の利点は、圧倒的な利便性にある。靴紐を結ぶ必要がなく、スリッポンのように素早く着脱できるため、多忙な朝の通勤時や旅行中の空港などで非常に重宝される。

一方で、その固定力には限界がある。ウォーキングや日常的な使用においては十分なホールド感を提供するが、ランニングのようなより動的なアクティビティにおいては、フィット感が緩すぎると感じられることがある。

より確実な固定を求める場合は、付属している通常の靴紐に交換することが推奨される。

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耐久性の検証

プレミアムな価格設定に見合う長期的な価値を提供できるか否かは、耐久性にかかっている。ここでは、実際の使用にともなう懸念事項に基づき、Cloud 6 WPの耐久性を客観的に評価していく。

ミッドソール摩耗:Zero-Gravityフォーム

最も気になる問題は、ミッドソールの側面、特に露出したフォーム部分の早期摩耗である。軽量性を追求したZero-Gravityフォームは柔らかく、地面に近いため、日常的な使用における擦れや衝撃によって、フォームがささくれ立ち、見た目と構造の両面で劣化しやすい。

この問題は前モデルのCloud 5からも引き継がれており、Onの設計において軽量性と特有の履き心地を優先した結果として受け入れられているトレードオフである。フォームの縁を保護するためのラバーアウトソールの被覆範囲が限定的であることが、この問題の直接的な原因である。

アッパーとアウトソールの寿命

シューズの他の部分の耐久性については、評価が分かれる可能性がある。

アッパーに関しては、防水モデルに採用されている2トーンメッシュは、標準モデルよりも耐久性が高いとされている。しかし、一部のラボテストでは、競合製品と比較して全体的な耐摩耗性に欠ける可能性が示唆されている。

アウトソールのラバーポッド自体は耐久性が高いと報告されているが 、歩行の癖によっては摩耗が偏る可能性がある。問題はラバーそのものではなく、それを囲むフォームの脆弱性にある。

海外のレビューでは、トラックドライバーのような過酷な条件下でも優れた耐久性を示したという肯定的なものと、短期間でも耐久性に問題があると感じたという否定的なものが混在していた。これは、シューズの耐久性が使用状況、ユーザーの体重や歩行スタイルに大きく依存することを示している。

これらの耐久性に関する知見は、Cloud 6 WPが頑丈なワークホース(たゆまず働く人や物)ではなく、あくまで「ライトデューティー」なアーバンシューズであるという位置づけを補強する。その設計は、長期的な堅牢性よりも、軽量性とCloudTec特有の感覚を優先している。

この選択は、20,000円を超える価格帯 における本製品の価値提案に直接影響を与える。消費者は、特定の履き心地を得るためにプレミアム価格を支払うが、それは従来の重厚な作りのシューズほど長持ちしない可能性があるという暗黙の了解を伴う。

この観点から、Cloud 6 WPは一部の消費者にとっては「消耗品としての贅沢品」と見なされるかもしれない。

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混戦市場におけるポジショニング

Cloud 6 WPの市場における独自の立ち位置、強み、そして弱みを明確にするためには、主要な競合製品との戦略的な比較が不可欠である。ここでは、異なる設計思想を持つ二つの代表的なモデルと比較分析を行う。

On Cloud 6 WP vs. Hoka (例:Kaha 2 Low GTX)

これは設計哲学の衝突である。Onの硬質でレスポンシブなミニマリズムに対し、Hokaはマキシマリストで豪華なクッション性と頑丈なデザインを特徴とする。

  • クッショニング: OnはSpeedboardによるエネルギーリターンを重視した、より硬質で接地感のある乗り心地を提供する。対照的に、Hokaは厚く柔らかい衝撃吸収性の高いEVAフォームスタックを特徴とし、反応性よりも豪華な快適性を優先する。
  • 用途と美学: Onはより高級志向で、都市的、スタイルを意識した消費者層をターゲットにしている。一方、Hokaはよりアウトドア志向でパフォーマンスを重視するユーザー(ハイカー、ランナー)に訴求する。
  • サポート: Onのサポートは構造化されたSpeedboardから得られ、扁平足などで足を固定したいユーザーに有益な場合がある。Hokaのサポートは、広い接地面とJ-Frameテクノロジーによって提供される。

On Cloud 6 WP vs. Salomon (例:XT-6 GTX)

これは、現代のスタイルコンシャスな消費者を巡る戦いであり、都市的なテックウェアと、トレイルにインスパイアされた「ゴープコア」ファッションとの間の競争である。※カッコいい言い方をしてみた。

  • 伝統とデザイン: Onはランニングから生まれ、クリーンでスイス的なミニマリストの美学を持つ。SalomonのXT-6は、元々テクニカルなトレイルランニングシューズであったが、ファッション界に取り入れられ、より攻撃的で実用的な外観を持つようになった。
  • 性能の焦点: Cloud 6 WPは舗装路と軽いアクティビティのために設計されている。一方、XT-6はライフスタイルでの人気にもかかわらず、保護用のトゥキャップ、攻撃的なラグを持つContagripアウトソール、不整地での安定性を高めるAgile Chassis Systemなど、トレイル志向の機能を保持している。
  • 共通の弱点: 両者ともに濡れた舗装路でのグリップに弱点があると。Cloud 6 WPのポッドは滑りやすく 、XT-6のトレイル向けラグは平坦で濡れた路面での接触面積が少なく、グリップが低下する。また、XT-6のGORE-TEXモデルも、Onと同様に過度の蒸れを引き起こすようだ。

これらの比較を明確にするため、以下の表に主要な特徴をまとめる。

表1:競合製品との比較特徴分析

特徴 On Cloud 6 Waterproof Hoka Kaha 2 Low GTX Salomon XT-6 GTX
主要な用途 都市での通勤、終日着用、旅行、軽いアクティビティ 日帰りハイキング、バックパッキング、悪路 ライフスタイル、ゴープコアファッション、軽度のトレイル
クッショニング 硬質&レスポンシブ(「制御されたクッション」) マキシマリスト&豪華(「沈み込む快適さ」) 中程度&安定的(トレイル志向)
デザイン美学 スイス・ミニマリズム、テックウェア ボリューム感、実用本位、アウトドア 攻撃的、テクニカル、トレイルの伝統
主要技術 CloudTec®, Speedboard® 高スタックEVAフォーム, Vibram® Megagrip Agile Chassis™, Contagrip® Outsole, GORE-TEX
防水性 独自のPFASフリーメンブレン GORE-TEXメンブレン GORE-TEXメンブレン
指摘される弱点 滑らかな濡れ路面での滑りやすさ、ミッドソールの耐久性 かさばるシルエット、反応性の低い乗り心地 滑らかな濡れ路面での滑りやすさ、舗装路での耐久性
価格帯 プレミアム プレミアム+ プレミアム

この表は、Cloud 6 WPが市場で最もクッション性が高い、あるいは最も頑丈なシューズを目指しているわけではないことを明確に示している。

その代わり、軽量感、ミニマルなスタイル、そして都市機能性という特定の組み合わせに最適化されている。この独自のポジショニングこそが、本製品の存在意義である。

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まとめ:ON Cloud 6 WPは誰のためのシューズか

On Cloud 6 Waterproofは、その意図されたニッチな市場において非常に成功した、スタイリッシュで軽量、かつ利便性の高い全天候型アーバンシューズである。

しかし、その成功は、フィット感(特定の足型において)、耐久性、そして濡れた滑らかな路面でのトラクションという点における、重大な妥協の上に成り立っている。

結論として、On Cloud 6 Waterproofは、その意図されたニッチな領域においては極めて専門性が高く、成功した製品である。

しかし、その設計上の選択は、理想的なユーザー像に明確な境界線を引いている。これは、現代のフットウェアにおいて「フリーサイズ」という概念は幻想であり、製品に内在するトレードオフを正確に理解することこそが、購入の成功への鍵であるという事実を証明している。

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