カルノパワー買って飲んでみた。
はじめに断っておくが、この記事はカルノシンを否定しているわけではない。SNSやBLOGで情報を発信すると様々なご意見、様々な物事の見かたが存在する。また、カルノシンを売りたい、プロモーションしたい人が業界に一定数いることも理解している。
そして、ここ数年でカルノシンやカルノパワーがSNSやYoutube、有名なインフルエンサー、サイクリストたちが盛んに取り上げるようになり知名度が上がってきているのも事実だ。
ただ、私はいち消費者として、
「筋中における緩衝作用を求めたとき、カルノシンではなく、ベーターアラニンを摂取するという結論に至った」
というだけなのだ。
そして、結果を言ってしまえば、私は2013年からベータアラニンを飲み続けているため効果がなかった(既に補われていた)ということと、
ベータアラニン飲んでるならカルノシンは不要、宗教上の理由でカルノシン飲みたい人は海外でカルノシンの錠剤買った方が安い、というのがこの記事の結論だ。
本記事を読み進めてもそれ以上、それ以下の事は残念ながら書いていない。
しかし、ベータアラニン?、海外の錠剤のほうが安い?という情報を知らない場合はいくらか有益になる。既にベータアラニンを飲んでいる賢い読者の方は、あえてカルノシンに乗り換える必要もない。
余談だが、ベーターアラニンについては2013年に某製薬会社の元チーム員であるI氏から教わって以来ずっと飲み続けている。当時松木選手も聞いていたと思うので、おそらくあれ以来ずっと飲んでいるんじゃないだろうか。
今回の記事は、カルノパワー(カルノシン)を飲んだ結果をお伝えする。
カルノシンのエビデンス
サプリメントに関する情報は、国立健康・栄養研究所食品保健機能研究部健康食品情報研究室のデータベースを確認することや、国際スポーツ栄養学会(ISSN)が報告したサプリメントについてのレビューのエビデンスレベルが高いサプリメントの資料を真っ先に読むことが望ましい。
当ブログなんかを見るよりも先にな!
有効性については以下の通り。
俗に、「疲労回復によい」「運動パフォーマンス向上によい」などと言われているが、人においては信頼できる十分な情報が見当たらない。
運動選手の男性12名 (平均21.6±2.2歳、ベルギー) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、運動テスト開始35分前にカルノシン20 mg/kg体重を単回摂取させたところ、運動開始前の血中重炭酸濃度の増加が認められた。一方、運動後の血液pH、血中乳酸塩、重炭酸濃度、運動パフォーマンスに影響は認められなかった
Does low serum carnosinase activity favor high-intensity exercise capacity? (血清カルノシナーゼ活性が低いと高強度運動能力に有利か?) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24408989/
次に、サプリメントの効果で最も参考になるのが、国際スポーツ栄養学会(ISSN)が報告したサプリメントについてのレビューだ。国際スポーツ栄養学会は、これまでに報告されたサプリメントの研究結果をまとめている。
サプリメントの効果のエビデンスに応じて3つのレベル(A〜C)に分類されており、エビデンスレベルAの「明らかに安全で、効果のある強力なエビデンスを示すもの」は以下だ。
筋肥大を高めるサプリメント
- クレアチン
- プロテイン
- HMB
- EAA(必須アミノ酸)
パフォーマンスを高めるサプリメント
- ベータアラニン
- カフェイン
- 炭水化物
- プロテイン
- クレアチン
- 重炭酸ナトリウム
- リン酸ナトリウム
- 水とスポーツドリンク
以上が、強いエビデンスをもって有効と報告されている。
カルノシンとベータアラニンどっち?
結論からいくと、筋中における緩衝作用を目的とするならば、ベーターアラニンを飲んだほうが効率が良く、費用的なコストパフォーマンスが高い。以下の論文ではカルノシンを経口摂取しても、筋中でカルノシンが生成されるには時間がかかることから、実際はあまり効率的ではないことを示唆している。
β-alanine supplementation to improve exercise capacity and performance: a systematic review and meta-analysis(運動能力とパフォーマンスを向上させるためのβ-アラニン補給:系統的レビューとメタアナリシス)
The absorption of orally supplied beta-alanine and its effect on muscle carnosine synthesis in human vastus lateralis(ヒト外側広筋における経口投与したβ-アラニンの吸収と筋カルノシン合成に及ぼす影響について)
「カルノシン」を摂取しても、肝臓で一度ベーターアラニンとヒスチジンに分解される。次に骨格筋で、ベーターアラニンとヒスチジンから「カルノシン」が合成される。
「あれっ?」と思われた方がいるかもしれない。
カルノシンを飲んでもカルノシンとして使えないのだ。カルノシンは肝臓で一度、ベーターアラニンとヒスチジンに分解されてから、骨格筋でベーターアラニンとヒスチジンを使ってカルノシンを合成する。
このひと手間、あえて増えてしまう「ラグ」が非効率と指摘されている。
まとめ:ベーターアラニンでおk
筋中における緩衝作用を目的とするならば、ベーターアラニンやビーツ飲んでおけ。というのが結論だ。それ以上でもそれ以下でもない。ただどうしても、
「ワイは、カルノシンを分解してからカルノシンをもう一度つくりたいんや!」
という方は、カルノシンを飲んだほうがいい。
ただ、その際も海外のNow Foodsが1粒500mgで100カプセル入って5000円ぐらいだからこっちかっておいたほうがいいだろう。
最も好ましいのは、ベーターアラニンの粉末だ。
7年間はNow Foodsのベーターアラニン、ここ数年はグロングとJ&Coのベーターアラニンを試したが「アラニンフラッシュ」はJ&Coのほうが感じられた。そのため、リピートしているのはJ&Coだ。参考にしてほしい。あと、カプセルに入っていると吸収に時間がかかるためパウダーを選んだほうがいい。
緩衝作用を目的とするサプリメントは、カルノシンではなくベーターアラニンを摂取しよう。
¥2,438 (¥5 / g)