肺炎から再スタート、関西シクロクロス第3戦 美山向山 E1 22位

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今シーズンは厄年ではないはずだ。

しかし、今年は不運が重なりすぎて御祓いに行ったほうがいいと思う程だ。前厄、厄年、後厄と門戸厄神にお払いにいったおかげか、本当に何も無い厄年だった。ただ、今シーズンは違っている。クラッシュから、せっせと復活したと思ったところで、次は肺炎になった。

日本人の死亡の原因第5位の肺炎だが、これで2回目だ。前回は、私の年齢で肺炎にかかるのは珍しいということで、臨床試験(治験)やってくれと言われたが断った。

実は、風邪と違って肺炎をほっといても自然に治らないことを知らなかった。放置すると重症化や命に関わる合併症を引き起こす危険性があるため、放置せずに必ず医師の診察を受ける必要がある。んで、抗生物質を飲んで治療することになった。

問題は、この抗生物質の副作用がきつくて、10日間で体重が60→54kgになった。10日で6kg減るのは人生で初めてだが、人生で一番苦労せず体重が落ちた。

しかし、食欲・気力が全くなくなり、何もやる気が起きない。それに眠気がひどく仕事に支障が出るほど。練習などできるはずもなく2週間過ごした。

ブラックマンデーかよ。

GARMINの持久力スコアは開幕戦の11900をピークに一気に10948まで減った。CTLも110から60ぐらいに。持久力スコアが1000減りCTLが半分になるのは精神的にきつい。開幕戦からさらに上げて行こうと思っていた矢先、結局トレーニングを始めた8月初期に戻る感じになった。

病院の機械で肺機能を検査すると、肺年齢は54歳。これはもう終わった、と思った。とはいえ、今回よくわかったのは、当然の事なのだけど食事と運動が身体を作っているということ。そして、食事・運動も、気力がなければできない。

本当に2週間きつくて、「あー、今シーズンはもうだめだ」と諦めた。

偶然、ツール・ド・おきなわ前のマグロ先生(本業医者)と症状の話をすることがあり、色々とアドバイスや回復に向けて指南を頂いた。これがレース5~6日前だったが、ここから徐々に回復して何とか自転車に乗れるようになった。

150Wぐらいから初めて200Wでこげるように。肺炎になると息を深く吸えなくなる。深く吸い込むとあるところで、胸(肺)に痛みが出て咳が止まらなくなる。取り込む酸素量も減るわでパワーが本当に出なくなるのだ。さらに薬の副作用がきついので、出せても200Wほど。

こんな感じで絶望していたが、マグロ先生をはじめ、ACTIVIKEのABEさんが体調を気にかけてくださり回復の為に色々と送ってきて頂いた。本当にありがたい。結局薬の影響か、体重は55kgまでしかもどらなかったが、どうしてもレースを走りたいと思い美山へと向かった。

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美山E1:22位 平均140W、2周で降りるつもりで

前回の御坊は既に肺炎だったわけだが、この時はまだ気づいていなかった。酸欠と、視界が狭まってきて、まっすぐ走れず1周目で最後尾まで落ち、2周で降りた。周りに迷惑をかけてしまうので降りたのは正しい判断だった思う。

今回の美山も完治はしておらず走れるわけがないので、2周で降りるといつもの知り合いには伝えてスタートラインに立った。まぁ、こんなフィジカルじゃどう考えても持たない。ただ、少しでも走りたい気持ちがあり、スタートラインに立てただけでも嬉しい。

この日は雨でドロドロになっていたが、スリッピーではなくグリップはかなりする。雨が降っていたが、逆に止むほうがコンディションが悪化する。泥の水分が抜けて固まり始めると、タイヤにまとわりつくので重くなる。雨が降り続けたほうがよい。

タイヤは細めのマッドで。ワウトやマチューもマッドタイヤは30Cを使用する事が多いが、これは泥の付着をできるだけ減らすためだろう。「マッドタイヤは細め」がセオリー。

空気圧は1.60 bar, 1.67barにする。

スタートは3列目。レースを途中で降りるつもりなのでどこでもいいと考えていた。コータの後ろでスタートするが、タイヤはライノだった。

やっぱりマッドをつけている。私は4枚目のギアでスタートしたが、みんな軽めのギアでスタートしているのでこれは選択を誤ったと思いながらスタート。

左側で落車があり、回避しながら走るも、第二コーナーでさらに落車足止め、さらに直線でヨ〇くんが落車して「ヨ〇くんが転ぶとこちゃうやろwww」と。テクニックは一番あるのに今シーズンはヨシ君もツイてない。ヨシくんも一緒にお祓い連れていこうかな。

途中で藤川先生が、声をかけてくれた。また藤川さんと走りたいと一瞬思ったが今は無理だ。藤川さんを見送る。

さらに走ると3回目の落車があり、この日はカオスだった。そして4回目も重なり舗装路に出るころには40番台(もうどうでもいいや、という気持ち)を走る。ただ、この日落ち着いていられたのは理由がある。

「シクロクロスまた走れて楽しい」

ということ。もう今シーズンはダメだと思っていたが、なんとか普通の人間に戻れてスタートを切れた。当たり前だと思っていたことができなくなり、それができるようになると途端にありがたみを感じる。

しかし、200W以上のパワーが出ずにイーブンで走る事しかできないが、やはり泥の攻略が楽しく特に下りが特に楽しい。登りはパワーが出せず抜かれるが、下りはできるだけブレーキをかけず、パワーが出ないなりにアドバンテージを稼げた。

雨の菖蒲谷や八幡浜でロックセクションなどクレイジーなコースを走っていただけに美山の下りはイージーで楽しかった。ピットの36隊タモさんから「IT大丈夫かよ!?」と言われたが、今日は「下りが楽しい」と答えられる余裕があった。

とはいえ、パワーメーターで200W付近、瞬間的にも250Wぐらい、登りは230Wぐらいで走るしか術がないのだが、この日は走るのが本当に楽しくて、登りでパワーが出ず下車する以外は、ノーミスだった。

一時は上中選手と一緒に走れる所まで上がることできた。

やはり人と走るのは楽しい。「今日のコース楽しいなぁ」と話す余裕も出てきて、スルスルと14番手まで上がることができた。ただ、後半になると、一定ペースを刻んでいたものの呼吸が怪しくなる。

レース30分経過したころ、前回のように呼吸がかなり浅くなってきてDNFが頭をよぎる。

今のフィジカル的に長時間の持久系はまだ無理だと理解した。またベースを積み上げていかないと。30分過ぎたあとは、ペースを落としてできるだけごまかして省エネで走る方法に変える。

いまできるのは、ちょっとした良いライン、走り方、ブレーキングをしない走りだ。

次第に、前半に抜いた7名ほどの集団が上がってきて一気に抜かれる。落車に巻き込まれたオーガさんも登りで追いついてきた。下りでなんとか先行したものの、やはり平坦はパワーが違うので離されていく。また競れる所まで戻したいところ。

今回こそはなんとかフルラップしたいと思って、マジで呼吸キツイけど耐える。下りまで我慢すれば何とかなる。下りが楽しいなんてそうそう無い。最終周回は登りの入り口からパワーがかけられず下車、歩きながら登り、下りは楽しく走る。

順位は散々な22位だが、今の体調、ほぼゼロになったフィジカルを考えると結構満足のいく結果だった。何より60分の間、パワーが低くても耐えられたのがいい。前回は10分持たなかったわけだから。60分の平均パワーは140Wと普段の60分平均よりも100W近く低く、見るも無残ではあるが。

しかし、パワーが無い事はわかっていたので、ライン取りや下りのブレーキングなど、細かなコントロールに気を配って走ることができた。開幕戦はパワーが出過ぎていると感じるほど、パワーで押し切ったが、今回は丁寧な走りができた。

下りやコーナーでブレーキポイントを徐々に減らしていく、MTB的な走りも楽しく思い出せた。しかし、常に思うのは病気にかからずフィジカルが万全だったらどんな走りができたのだろうかと何度も考えてしまった。

「覆水盆に返らず」と思うようにしているのだけど、失ってしまったことを嘆いてもしょうがない。ただ、また上位で走っているライダーと競いたいという気持ちがある。またあそこに戻れるように、一つ一つ努力していくしかない。

走った後は、なぜか清々しい気分だった。湘南CXをパスして2週間、肺炎をなおすことに専念したが思ったよりも早くレースに出られたのは良かった。復帰とは言えないリザルトと内容ではあるが、なによりスタートラインに立てたのは収穫でもある。

しかし、いま目指す場所はここではない。また元に戻せるかはわからないけど、やらなければさらに後退してしまうことは間違いない。では、きつい練習をやって、フィジカルを戻せるのかというと、その保証もない。肺炎の後遺症も残ってはいるけど走ることはできる。

できることをひとつひとつこなして、また元に戻すしかない。諦めたらそこで試合終了なわけだけど、今年は心折れる事が多い。次はJCX烏丸MM、烏丸E1と続く。2週間でどこまで戻せるかわからないが、少しは走れるようにまた練習。

今週の土日もロードを乗り込んでフィジカルを元に戻すぞ。

絶対、まだやれる。

 

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