JCFシリーズ戦のワイルドネイチャーに参加。砂が名物で超絶苦手なコースだ。関西シクロクロスの合間だったためエントリーしたが、普段とは違うレース走りたかったのと、全日本のスタートグリット確保、普段からスリックタイヤで走っているので砂の練習もかねて走ることにした。
とはいえ、不運にも夜勤明けで睡眠はほとんどとれていない。遠出の単独遠征ということもあって安全を優先して車で仮眠を取りながら現地に向かった。万全のコンディションではないものの、やれるだけやろうと割り切る。ねむい。
今回は完全にエリアもカテゴリもアウェイなのだが、普段とは違う雰囲気や選手と走れるのは楽しみだった。
コースレイアウト
ワイルドネイチャーのコースの大部分は砂が占めている。砂の下りはコクサイデのミニ版nようだ。乾いた砂は粒子が細かいため、マイアミの砂利と水分を含んだ砂と比べると走るのがさらに難しい。フロントが埋まるのと、リアのトラクションがかけづらいためパワーが必要になる。
砂区間は全体の6割ほどを占めている。ホームストレート後からピットまで、シケインを超えた後、白い屋根を超えたあたりからの登り区間、そして名物の砂の下りと、芝と砂が交互に登場する。
林区間は2か所あり、駐車場側のコースは幅の狭い芝が続く。例年よりも林区間が長くなっており、コーナーも多くなっていた。直線的に駆け抜けられるコーナーもあるが、小さなヘアピンもあるためタイムロスが生じやすい。
砂のコースが難しいのは砂の状況判断にある。砂の状況、フィジカル、コースを抜けた後、全てを考えて最善の選択をしなければならない。走ったほうが早ければ走ったほうがいい。ただ、モロに体力が消耗するためできれば走りたくない。
最善とは何か。刻々と姿かたちを変えていく、気難しい砂と対話しながら走る必要があるのだ。
乗れるなら乗ったほうがいい。しかし、走るよりも乗車が遅いと判断したのならば瞬時にランに変えたほうが良い。この状況の見極め、判断力、乗ることへのこだわりを捨てる事、策として何が一番「速い」のかを「選択」する能力が求められる。
というわけで、苦手です。
試走の段階では砂の乗車率は100%だったのでレースでも走れると思った。ただ、レースになると、皆さんご存じの通りそうはいかないわけで。
ワイルドネイチャーMM40 2位
MM40に出るのは今年2回目なのだが、誰がどれくらい走れるのかわからなかった。そのため、石川さんと、太田さんに着いていこうというのが作戦。お二人とも上手いので序盤のうちにどこ通るのか見たかったというのもある。
スタート前にイナーメの小嶋さんにマッサージをしていただく。いつも使っているのはCXオイルなんだけど今回はHOTオイルにした。この日は北風で体感温度が低いのと、夜勤明けの突貫レースのため、いつもよりも明らかにカカリが悪い。だから十分に上げておきたかったというのもある。
タイヤの空気圧については普段のF1.63bar, R1.72barと0.03bar下げただけだった。同じタイヤを使ってME1を優勝したたつーみ選手は体重が何キロも重いのにもかかわらず1.3barだったという。0.4bar(私が下げたのはたった0.03bar)も空気圧が低いと別物のタイヤになる。
どうでもいいことだが、この日の機材はたつーみ選手とタイヤもバイクも色も一緒だ。ただ走りは(以下略)
チューブラー並みに低い1.30barの空気圧かつ、わりと体重があるたつーみ選手がチューブレスの1.3barを使いこなせているのは、優れたバイクコントロールのテクニックとMTBで鍛えた走りが支えているのかもしれない。
わたしが1.30barで走ったらヨレて使えないだろう。たつーみ選手はインサートを入れていたようだ。
召集の際、M35の召集があっという間に終わってM40の順番が来たのを知らずにその場で待っていて並ぶのに遅れてしまった。親切な方が譲って頂きました。ありがとうございます。。。
スタートは混乱もなく砂区間に入っていく。相対的に砂さばきが下手くそなのがこの第一コーナーでわかったのだが、一気に遅れてしまった。順番的には6~7番ほどでピット前の砂区間を終える。そのあとは林区間に入っていくが、なんとか先頭パックになだれ込めた。
石川さん、太田さんの後ろで走るが、やっぱり上手い選手の後ろは走りやすい。最近のレースはパックで走る事が少なかったのだけど、こうやって人と列をなして走るのはやはり楽しい。勝負している感がある。一人で走るのも良いのだけど、展開がないのはマジで退屈でつまらない・・・。
前回の烏丸の白石さんとの勝負もそうだが、抜きつ抜かれつがとても心地いい。1周目、2周目ともに砂を乗車でクリアした。2周目は良いラップを刻めた。ペース的にも無理せず心拍もいい感じ。一旦は石川さんをパスし3周目へ。このペースで行くのは大丈夫そうだった。
ただ、区間区間で少しづうミスするようになる。なぜかフロント側のブレーキをかけてもいつもの操作感覚とは違うブヨブヨする感じ。
コントロールがアンマッチするような違和感が続き、気になって砂の処理でミスるようになる。あれほど乗車できていた砂区間もコントロールができなくなり降りた。
石川さんに抜かれて振出しに戻る。石川さんは、きれいなラップと落ち着きのある走りでラップを刻んでいることが後ろで走っていても伝わってくる。こうなってくると、自分の崩れたラップとの差がどんどん開いていくことは、シクロクロッサーなら承知のとおりだ。
とはいえ、まだまだ終わっていないのであきらめずに走る。別カテゴリの選手に追いついて抜くときに接触してしまった。私がどちら側から抜くかを言わずに「抜きます!」とだけしか言わなかったので、抜く際に同じ方向に寄って来てしまいテープの外に出されてしまった。
前を走っている選手には当然後ろに目が着いていないので、追い抜く選手がどちら側かいうのが親切だし、竹之内選手は抜く際にとても丁寧で、おしりや背中をタッチしていたがそういう配慮が必要だった。
私は転びそうになりながらも耐えて、仕切り直しでスタートしたが芝区間を抜けると結構な差になっていた。ぱっと見、取り返すことは難しそうな距離だった。白い屋根の横の砂は右のラインが正しかったようだが、時間の経過とともにどんどん砂が細かく崩されて走りにくくなっていた。
最後の砂区間は乗車できずにランで処理する。レースになると体力も無くなってきて、ペースが落ちて乗れなくなる。石川選手ははるか先に行ってしまっていた。さらに後ろからは太田選手が迫ってくる。
なんとか逃げ切って2位だったが、残り2周はアクシデントもありラップタイムが一気に落ちた。後半のレース運びと内容は全くダメだった。惨敗だ。
レース後、シューズやSTI、ハブが血まみれになっていて鼻血でも出たのかと思っていたが、右手が血だらけだった。レース中は全く痛くなく、終わるまで一切痛みも感じなかったのだが、血と匂いを嗅いだ瞬間一気に痛くなってきた。
走っているときにやけにブレーキやハンドルを握る感覚がふわふわしておかしいなと思っていたが、おそらく動かす感覚が無くなっていたっぽい。
ゴール後も血が止まらないのを見て、思い出したように痛みが出てきた。これはマズイと思ってすぐさま救護室へ。太田さんと久しぶりに会うので話したかったが、血の量がぱっと見マズイ。
救護室に行くとすぐさま「歯ブラシで傷口をゴリゴリする」という処置が行われた。傷口の汚れを綺麗にするための適切な処置なのだが、この世のものとは思えない痛み。インターバルのきつさのはこれの1/10ぐらいか・・・(マジで)。
「歯ブラシでゴシゴシする」は東海CX名物らしいので、わたしもこれで東海CXを走るシクロクロッサーになれたのか・・・。処置してくださった先生ありがとうございました。超痛かったですが、治りも早そうです。
この出血があろうがなかろうが、リザルトは全く変わっていないだろう。単純に石川選手が強かった。レース内容的には、ランに変えた途端後半に一気にラップタイムが崩れた。組み立ても良くない。全く持ってダメな走りだったが、走るたびに改善点が見つかるのは良いことだ。
気づいた改善点としては、ひとつひとつのコーナーは雑だし、コーナー出口の脱出スピードが遅い。無駄な動きが多い。走ったほうがセクションのクリアが早くても乗車にこだわってしまった。まだまだ下手くそすぎる。ひとつひとつ改善していく必要がある。
機材についてもチューニングを怠った。空気圧に関してはもう少し調整すべきだった。という感じでダメな部分ばかり出てしまった。走り方も、機材の扱いもまだまだ満足にはならない。改善が必要ではあるんだけど、基本的な練習を積み上げていくしかない。
今回は救護室に直行してしまい、石川さんとそれほどお話できなかったのだが、烏丸で娘さんの走り方が良いなと思っていたので、どうやって自転車教えているのかMTBとCX両立して続いているのかお聞きしたかった。これもまた次回に。
次戦はマキノ、マイアミと続く。今年は過去のレポートに書いた通り調子が全く上がってこない。全日本はパスしようかとても悩んでいる。こんな状態で走っても上位に絡めるわけがなく失礼な話だよなぁとか、帰りの車で考えていた。
ただ、今回のように走ればまた何か変わるかなぁ、という葛藤もある。
悶々と答えは出ぬまま、楽しいシクロクロスは続く。東海シクロクロスでアウェイでしたが、多くの応援ありがとうございました。基礎練習からやり直しだ・・・。