INFOCRANKパワーメーターリリース
INFOCRANKは”クランクアーム内蔵型”パワーメーターである。StagesPowerやパイオニアペダリングモニターはクランクの側面に取り付けられた構造だ。このINFOCRANKはクランクの中に設置されたひずみゲージで測定を行う。
では、2014年の新作パワーメーターを詳しく見ていくことにしよう。
ひずみゲージ内蔵デザイン
ひずみゲージを内蔵したデザインを用いているのがINFOCRANKだ。通常のパワーメーターは各メーカのクランクを流用し、構造を変えぬままセンサーを取り付けている。INFOCRANKはセンサーを外部に露出させず、クランクアームに内蔵されている。
これにより、StagesPowerのようにフレームに干渉する問題も気にすることはない。
計測は接線方向のみ
きになる測定方法について。INFOCRANKの測定は”接線方向”のみだ。したがって、パイオニアペダリングモニターのように、法線方向(回転に寄与しない)の測定はできない。しかし左右に独立したセンサーがそれぞれ備わっている。
ひずみゲージはどこのメーカか
INFOCRANKの特徴に”高い測定精度を誇るKIP測定器”とある。このKIPについて、私はもしやと思い、突っ込んで調べた。どうやら、今回もROTORPOWERと同じく、元々のパワーメーターとしての仕組みは外部から持ってきている。
ROTORPOWERは米国A.I.P社のMEP-5を元にして作られている。その証拠にROTORPOWERの技術責任者はA.I.PのMEP-5の開発者だ。今回のINFOCRANKも同様に”BREAKAWAY INNOVATIONS社”のKIP Moduleを使用している。
写真の通り、全く同じ構造である。
バッテリーが長持ちする
左右に搭載されたバッテリーライフについて。一日3時間の使用で1週間4回使った場合の寿命は1年間だ。これは驚きの長寿命である。今までのパワーメーターの中では一番電池のもちが良い。
INFOCRANKはどれくらい正確なのか
INFOCRANKの測定精度はどれくらい精度が高いのか。INFOCRANKはトルクの誤差を±1%で捉える。分解能力は±0.2Nmである。
INFOCRANKはパワーメーターが抱える問題、”ドリフト”にも対策がねられている。ドリフト自体を除外して測定する機能を有している。
対応通信規格
対応する通信規格は、もはやメジャー企画になったANT+だ。ガーミンエッジシリーズで使用可能である。
販売地域はWORLDWIDE
販売地域は、StagesPowerと異なり全世界だ。気になる価格は$1750だ。安いと見るか、高いと見るかは人それぞれだろう。
INFOCRANKで国産ブランドに夢を見る
今回INFOCRANKを見て私は思った。同じような構造でパイオニアとシマノでパワーメーターを作れないかと。シマノはペダルのどの位置を踏んでいるのか測定する仕組みを作った。パイオニアペダリングモニターは法線、接線方向を測定でき、効率という概念を生み出した。
いつの日か、シマノクランクにパイオニアペダリングモニターの機能が搭載され、より洗練される日は来るのか。コンポーネントで世界を制したジャパンブランド。次はSRMに代わり世界を制する国産パワーメーターの誕生が待ち遠しい。
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