寒い冬の時期になると、外の気温と身につけるウェアに悩まされる。
朝家を出るときは寒く感じるが、気温が上がると汗ばみ、峠を登って運動量が上がると服を脱ぎたくなる。だから寒くなる時期のウェア選びがとても難しく感じていた。そんな悩みを持っているのならば、一度アソスの気候に応じたウェア調整を試すといいかもしれない。
7年程前から秋、冬、春先までの7ヶ月間アソスウェアを使いまわして対応してきた。その内容は以前「冬におすすめのウェア7選。寒い時期の装備まとめ。」のとおりだ。
ただ、いまこうやって記事を書き直しているのには理由がある。気づかないうちに現代の最新ウェアは格段に進化していた。端的にいうと「薄くて、あたたかい」。これまで身につけていたウェアは、数年前のモデルということもあって性能や生地がアップデートされていなかった。
今回の記事は、長年愛用するアソスの最新ウェアに迫る。薄くても、十分な暖かさと、気温変化に対応した着こなし方を紹介していく。レイヤリングについてまとめ、別記事でウェアのインプレッションを紹介していく。
寒冷地スイスとアソス
アソスは寒冷地のスイスで誕生した。45年以上の歴史を持つ老舗サイクルウェアブランドで、独自の開発、高品質な製品、数年にわたる製品の改良、400ものオリンピックと世界選手権で採用された。現代でもアソスの哲学は不変だ。
スイスという寒冷地地方特有の厳しい環境下、過酷な条件でストレステストが行われたあとアソスのウエアは生み出される。
アソスが掲げる開発目標は「サドルでの絶対的な機能性」だ。アソスは「ウェア」という言葉を使わず、自分たちが生み出した製品を「装備品(equipment)」と言い表す。
全天候レイヤリングシステム
アソスの製品は、レイヤリング(複数のウェアを組み合わせ)でどんな環境にも対応するよう設計されている。それぞれのアイテムは、季節を問わず互いに補完し合い、どんな環境でも個人個人に合った微気候を調整し身体を適応させる。
アソスレイヤリングシステムは、1年をライディング・シーズンに分け、わかりやすく数字と色で分類している。
- 1/3 SUMMER(夏)
- 2/3 SPRING FALL(秋)
- 3/3 WINTER(冬)
- X/3 ALL YEAR(通年)
ライダーはこれらのウェアから、ミッドレイヤー、アウターレイヤー、補完的にスキンレイヤー、そして必要なグローブやソックスといった小物を選択し、様々な環境に調整するようにできている。
そこで、アソスのレイヤリングをベースに、日本の気候で7年間ほど試した着こなしの例を今の秋の時期を例にして紹介する。
15℃前後の秋
実は、秋の気温帯のウェア選びが一番難しい。朝10℃前後で昼過ぎにかけて20℃まで上昇していく条件下だ。
- 早朝:気温が低く、体が暖まっていない。
- 昼前:気温が上がり始め、体も動き出し汗ばむ
- 昼:気温が上がり、汗をかく
これら3つの状況をウェアで調整する必要がある。このような条件下における基本的な組み合わせは以下のとおりだ。
- ジャケット:MILLE GT Spring Fall Jersey C2(メンズ 春秋〜初冬向け 長袖ジャージ)
- ベースレイヤー:Spring Fall Skin Layer(春秋向け メンズ 長袖インナー)
- パンツ:MILLE GTS SPRING FALL BIB SHORTS C2((春秋冬向け サーモビブショーツ))
- ウォーマー:GT Spring Fall Leg Warmers C2(フリース素材 レッグウォーマー)
基本的にこの装備で、ベースレイヤーとウォーマーで調整している。
一例だが、上記の図を参考に気温別に使い分けると以下のようになる。
- 22℃:ジャケット+パンツ
- 17℃:ジャケット+スキンレイヤー+パンツ
- 12℃:ジャケット+スキンレイヤー+パンツ+レッグウォーマー
人によって感じ方が異なるが、秋は朝の気温が我慢できるか否かでベースレイヤーとウォーマーを単純に使い分けている。
- 朝の気温が我慢できる:ベースレイヤーとウォーマーを身に着けない
- 朝の気温が我慢できない:ベースレイヤーとウォーマーを身につける
さらに秋から冬の微妙な時期では、ベストのMILLE GTS Spring Fall Vest C2をあわせるという使い方だ。
意外なほど簡単かもしれないが、この組み合わせで秋頃の服装をまとめている。秋のウェア選びで悩んでいる方は参考にしていただけると幸いだ。
次回は、それぞれのウェアについて実際に使ったインプレッションをお届け予定だ。