SGX-CA500はオートラップ対応へ
SGX-CA500はオートラップへ対応した。SGX-CA900の対応はファームアップで行われるかもしれないが、実質レースで一番必要である機能が追加されたことになる。
フルフィンガーグローブ装着時でも高い操作性を誇る抵抗膜方式のタッチパネルを採用。
必要な情報の拡大や縮小、ページ切り替えなども直感的に操作が行えます。目的に合った画面のカスタマイズも可能です。
走行中必要となるLAP操作はハードボタンで確実に行え、加えてオートラップ機能も搭載しています。
SGX-CA500は廉価版か
新型パイオニアペダリングモニターと同時期に発売されるサイクルコンピューターSGX-CA500は、はたしてSGX-CA900の廉価版なのだろうか。具体的に既存のモデル(SGX-CA900)より45,000円も安いとあればその性能が気になるのだ。
今回は新型パイオニアペダリングモニターのリリースと合わせて発売予定であるSGX-CA500とSGX-CA900の違いを追う。
SGX-CA900とSGX-CA500の違い
まずはパイオニアペダリングモニターの購入を躊躇していたのはそのサイクルコンピューターの値段ではないだろうか。はじめに発売されたサイクルコンピューターは75,000円という非常に高額なサイクルコンピューターであった。これでは即決即断することは非常に難しい。
ペダリングを解析するという魅力的な機能のハードルは価格であったことは間違いない。そんな要望がパイオニア社に届いたのかは定かではないが、SGX-CA500は30,000円という価格で登場する。45,000円も価格を下げたその理由は何なのだろうか。その違いを見ていくことにしよう。
ディスプレイはモノクロへ
ディスプレイは小型化されモノクロ表示になった。そして解像度も下がっている。しかしそれらと引き換えに低価格化を目指したことはユーザーとしてはありがたい話だ。ではどのような違いがあるのかディスプレイ面に特化して見ていこう。
- ディスプレイ:カラーLCD → LCD
- 解像度:320x240pixel → 160x128pixel
- ディスプレイサイズ:2.2″タッチパネル → 1.87″タッチパネル
まずディスプレイはカラーからモノクロ表示になっている。雰囲気はまるでガーミンシリーズのディスプレイ表示と似ている。やはりお手本として市場に一番流通しているEdgeシリーズに近くなることはユーザーとしても嬉しい。
ただ一つSGX-CA500にすることでおなじみのベクトル表示もモノクロ表示になる。回転に寄与するプラスの力は”赤”で示された。そして回転に寄与しないマイナス方向は”青”で表示されていたものがモノクロ表示ではどうなるのか。
プラスは黒で、マイナスは白(黒で囲われた)で示される。効率と、方向だけ理解したければそこまで問題にはならないはずだ。次にディスプレイのサイズが小さくなったことにより解像度も下がっている。しかし見づらいということはないはずだ。ガーミンEdge500を横にして少し大きくしたぐらいのサイズだ。
SGX-CA500の無線方式とWifi
SGX-CA500の無線通信方式はSGX-CA900を踏襲している。パワーメーターのメジャー
通信方式はANT+である。それに合わせてパイオニアペダリングモニターは”Pioneer Power Meter”とう通信方式を用いている。この通信方式はベクトル表示等をするためにANTでは不可能な情報のやりとりを行う。
それに合わせてSGX-CA500はWiFiに対応した。既存のSGX-CA900はUSBでPCにつなぐことで走行データーをアップロードしたが、SGX-CA500はWifiで家庭のWifi親機につなぎファイルをアップロードする。これにより自転車にサイクルコンピューターを取り付けたままデーターを送るといった非常にユーザビリティに特化したデバイスとなっている。
SGX-CA500に追加されたSBASとは
SGX-CA500に追加されたGPSの機能でSBASという規格がある。GPSよりもさらに高い精度で位置情報を捉える。車のカーナビにも搭載されているSBASとはどのような技術なのだろうか。
SBASについての説明は、独立行政法人電子航法研究所の資料が詳しい。SBASはGPSで不足する機能と性能を補うシステムである。そもそもGPSは地球の地表2万km上空を「周回」している。そうクリテリウムのように。しかしSBASはそれとは異なる。
SBASは静止衛星でずっと静止(例えば日本の上空に)している。SBASは単体で使われることはない。GPSと協力してより精度の高い情報を補足している。その補足情報として「誤差補正情報」と「完全性情報」を生成している。
パワーメーターにも測定精度があるようにGPSにも位置の測定精度が有る。GPSにSBASの情報を補足することにより位置情報の精度が向上することになる。
使用に関する機能
SGX-CA500は以下のようにSGX-CA900から機能変化が施されている。
- 記憶容量:8GB → 4GB
- 駆動時間:変化なし
- USB接続方式:MiniUSB → MicroUSB(スマホのやつ)
- 防水:IPX6 → IPX6/7
- 重量:126g → 75g(edge500は58g)
- サイズ:70x85x21.5 → 60x58x18(edge500は48x69x22)
- 保証:2年
上記の通り、小型化と軽量化、そして防水性能の向上がなされている。
GarminEdge500とSGX-CA500の比較
気になる比較画像はこちらだ。やはりペダリングベクトルの表示のために横長になっている。私はSRMのPC7のようでなかなかカッコイイと思っている。
いよいよ国産パワーメーターの時代が来る
いままでパワーメーターといえば海外のSRM、Quarq、Powertapがメジャーであったことは間違いない。そしていま日本で一番普及しているパワーメーターは間違いなくパワータップである。しかしそれは「ホイール縛り」を意味する。そしてレースでお気に入りのホイールを使えないということを意味する。
そしてパイオニアペダリングモニターに追い風といえるのは、海外のレートの変動である。今海外のパワーメーターを買おうとするととんでもない値段になっている。レートが上がり昔のようにありえない値段で買うことができなくなった。
ちなみにPower2Max Type-Sも近々発売される。しかし海外のレートの影響を受けセンサーのみで「¥155,400」である。Rotor 3D + センサーでは「¥182,700」である。ところが、パイオニアペダリングモニターのアルテグラの予想価格は「センサー、チェーンリング、クランク」で$1549である。
実際の国内販売価格は不明であるが、近い値段になる事が予想される。これは非常に楽しみなパワーメーターである。コンポーネントでシマノがメジャーブランドになったように、日本発のパワーメーター(もといペダリングモニター)がパワーメーター界のメジャーブランドになる日はそう遠くない。
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