体重データとエビデンスを追加。
毎日ごはんを思う存分食べ過ぎていませんか?いやいや大丈夫、それを補うために「トクホ飲料」なんてモノを飲む人も多いのでは?
巷では「健康飲料」と称し「からだすこやか茶」等のいわゆるトクホ飲料が好調に売れている。なぜだろうか。これらの商品のキャッチコピーは「脂肪と糖に効く」や「脂肪吸収を抑える」といった効果をアピールしているものばかりだ。本当にそんな効果はあるのだろうか。
私も実は「トクホ飲料」なるモノを飲んでいるのだが、一体なぜコーラだとかサイダーが「トクホ」になってしまうのだろうか。そこには、どのような飲料でもトクホになってしまう「難消化性デキストリン」という関与成分が影響していた。
今回は、何でもトクホ化してしまう難消化性デキストリンの粉末だけ買って12ヶ月間試してみた長期間に及ぶ体重減少の効果を公開したい。難消化性デキストリンは本当に「脂肪と糖に効く」や「脂肪吸収を抑える」といった効果が期待できる「魔法の白い粉」なのだろうか?
トクホ
トクホとはなんだろうか。トクホとは「特定保健用食品」の事で、消費者庁に効能表示を許可された食品を指す。何らかの効果が期待できることを国が認めた物だ。例えば難消化性デキストリンのように、脂肪や糖の吸収を抑えるという効果もその一つとして認められている。
では最近のトクホ飲料に難消化性デキストリンはどれくらい含まれているのだろうか。主要トクホ飲料の難消化性デキストリンの含有量を、以下のようにまとめてみた。
- からだすこやか茶350mlあたり:5.25g(1ボトルあたり5.25g)
- 十六茶W350mlあたり:7g(1ボトルあたり10g)
- メッツコーラ350mlあたり:3.65g(1ボトルあたり5g)
からだすこやか茶は350mlあたり5.25gの難消化性デキストリンが含まれている。1ボトル飲むと5.25g摂取できると有る。価格は350mlにして157円程だ。
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十六茶Wは350mlあたり7gの難消化性デキストリンが含まれている。1本500mlあたり10gの難消化性デキストリンを摂取できる。ただ非常に値段が高く1本あたり172円ほどする。
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次に「立つんだジョー!」でおなじみだった、メッツコーラ。350mlあたり3.65gの難消化性デキストリンが含まれている。1ボトル飲むと5g摂取できる。Amazonで100円ほどで買える。
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どの「トクホ飲料」もおよそ500mlあたり5g~10gの難消化性デキストリンが含まれている。なんでもかんでもトクホ化できる難消化性デキストリンとは一体何なのだろうか。そしてなぜコレほどまでに使われているのだろうか。
難消化性デキストリンとは
難消化性デキストリンというと何とも効果が期待できそうなネーミングである。しかし、中身はデンプンの一種だ。難消化性デキストリンは、読んで字のごとく「消化しにくいデンプン」の事である。
そしてその消化しにくいデンプンには、我々の体にもたらす以下の5つの良い効果がある。
- 糖の吸収スピードを遅らせる
- 腸の調子を整える作用
- 脂肪の吸収スピードを遅らせる
- 内臓脂肪や中性脂肪の低減する
- ミネラルの吸収を促進させる
これだけ見てたらまさに「魔法の白い粉」だ。それぞれ利点があるが、普段から体重を気にする人、健康診断で中性脂肪を指摘された人、ダイエットをしている人には朗報といえる。特に脂肪の吸収、糖の吸収のスピードを遅らせる事は非常に嬉しい。普段から脂肪を気にしている人は恩恵が大きいだろう。
ミネラルの吸収促進作用は、運動をして汗をかく場合有益といえる。実験によると、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛の吸収を促進することが確認されている。持久系アスリートの鉄欠乏性貧血にも効果があり、4週間15g摂取で改善したとのデーターも有る。
なぜ嫌な脂肪や糖の吸収を抑えつつ、必要なミネラル系の吸収を促進できるのか疑問に思った。どうやら、胃や腸で等が吸収される際に難消化性デキストリンが「うまく邪魔」をしてくれるらしい。この効果により吸収を抑えてくれるのだ。
というわけで早速自分で試してみた。
効果
いろいろ調査した所、難消化性デキストリン自体は粉末で販売されている。まさに「魔法の白い粉」として売られているのだ。お値段は400gで864円だ。1gあたり2.16円10gあたり21.6円となる。なんでもトクホ化できる魔法の白い粉としては安い印象を受ける。
今回は、Amazonで評価の高かった「難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)400g激安100%パウダーシリーズ」を購入した。色々とレビューを読んでいると面白い。まさにステマの領域だ。
医療系の学校に通ってます。
そこで生理学の先生が、「難消化性デキストリンは糖の吸収を穏やかにしてくれる。他のダイエットサプリメントはでたらめだけど、生理学的にきちんと証明されてる。女性たちは高価なダイエットサプリメントを買わずにこれを飲んでみなさい。」と仰っていたので購入してみました。実行して約一か月、まさかの減量成功。マイナス3㎏。
というわけで飲んでみないとわからないので、私も自分自身で人体実験することに。
購入自体後、定期的に飲み始め12ヶ月程体重の推移と、身体の様子を観察した。しかし初めは目立った体重の効果は無かった。しかし下記に公開した日々の体重データーを確認すると、長いスパンで見ればゆるやかに体重が減少していっていることがみてとれる。
無理せずダイエットができている。ただ、私の場合は一般的な成人男性よりも運動量が多い。元々運動が好きだし、ある程度の持久系トレーニングをしている。また食べ物も気をつけているので全てが全て当てはまるわけではないかもしれない。しかし難消化性デキストリンの別の側面で、ウエイトコントロールを容易にしている可能性があるのだ。
血糖値
引き続き、炭水化物をめいいっぱい取らないようにしているが、その差異発見したのは「昼飯後に眠くならない」や「お腹が減りにくくなる」ということだ。なぜかというと、血糖値が急激に上がることによりさらに食欲が増す。そして血糖値が下がることにより眠気が襲うというものだ。
難消化性デキストリンは等の吸収をゆるやかにすることから、急激な血糖値の上昇が抑えられる。甘いモノを食べたあとに更に甘いモノを食べてしまうのは、急に血糖値があがり、また下がった際、体がまた血糖値を上げようとする。その際に糖を欲してしまうのが原因だ。
出典:水嶋昇他
健康・栄養食品研究
Vol.2 No.4 1999
難消化性デキストリンは少なからずこの悪循環を抑えてくれる作用をもたらしている。また、当ブログのFacebookページには次のような有力な情報も寄せられている。
はじめまして。友人の誰かがシェアしていたので拝見させていただきました。管理栄養士をしており、大学病院がの予備研究に協力して24時間血糖値測定を1ヶ月実施した際、デキストリンを含む食物繊維と血糖値上昇抑制は確認しました。期間中4kgの減量もしています。ただし、早食い(特に糖質、炭水化物)をすると効果が明らかに落ちます。ベジファーストの元になった論文にも炭水化物は15分以上かけてゆっくり摂取と書いてあります。他にもいくつか条件がありそうな現象が示唆されたので、今後の研究と発表を待ちたいところです。
大学病院の研究でも優位に血糖値の上昇を抑制することが確認されている。そして4kgもの減量を可能にしたという。また早食いには効かないそうなのでよくかんで食べることはやはり基本である。
飲み方
難消化性デキストリンの大きな効果は理解できた。しかし、大量に飲んだ場合害はないのだろうか。元々デンプンの一種の為副作用などは少ない。ただ便が緩くなったりする場合があるので注意が必要とのことだ。また、運動量が多いアスリートの場合も注意したい。
難消化性というだけあって、消化を妨げている。運動後に体が回復し、栄養分を欲している時に飲むのは避けたほうが良いだろう。体が一番栄養を吸収するゴールデンタイムを難消化性デキストリンが阻害してしまうかもしれないからだ。
運動していない、活動量が少ない場合は難消化性デキストリンの恩恵を受けられるが、栄養の吸収が必要なときはむしろ使用しないほうが良い。要するに、適材適所、場合によって使い分けが必要だということだ。
私はタニタのデジタル測りで5g〜7gを摂取している。まれに手元が来るって10g入れてしまったことがあるが特に問題はなかった。さらに香りを楽しむコーヒーや、お茶と様々なモノに入れている。副作用や気になる体の症状は全く出てこないので安心して飲んでほしい。
なお、食前に5g一気に取るのか、それとも1日でこまめに5g取るのかという疑問があるが、私は水筒400mlに7g程を溶かして会社に持っていっている。毎日続けることと、少しづつ継続して飲むことで、一定の効果が得られるはずだ。
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アルコールの相性
自分の体で実験しているのだが、アルコールを飲む前に難消化性デキストリンを摂取すること。どうしてもアルコールが進むと、食べる量も増えてしまいます。もちろん脂っこい物が多く、唐揚げ、ポテトフライ、炭水化物と・・・、飲んだら必ずセットで登場する食べ物に対抗シなくてはなりません。
しかし、アルコールと難消化性デキストリンの組み合わせは問題ないのでしょうか。この相互の相性については全く問題ないと結論付けられています。この事実は、大手製薬メーカーの大塚製薬でも公言している事実で、消費者庁、米国食品医薬局(FDA)にも認められています。
アルコールと難消化性デキストリンの相性は問題がなく副作用も無い為安心して良いでしょう。
まとめ 摂取量
わざわざ高いお金を出して、トクホ飲料を買う必要はないようだ。粉末をお気に入りの飲料へ入れれば、中身は変わらないし、何より安い。ちなみに飲料だけでなくソイジョイのチョコにも難消化性デキストリンが入っている。
身も蓋もない事を言うと、2Lの安い水に難消化性デキストリンの粉末を溶かした自作トクホ(しかに消費者庁に認められていないが)と先に紹介した「魅力的なネーミング」を持つトクホ飲料とは大差ない。売り方と、気持ちの問題でしかない。
私は炭酸水とコーヒーが好きなので500mlあたり5gの難消化性デキストリンを入れてて好んで飲んでいる。値段も安い。そして炭酸水の難消化性デキストリンは未だ販売されていないのもポイントだ。
パンやコメを好んで食べる方は、糖を摂り過ぎる傾向にある。その糖を摂り過ぎる事は肥満の原因の一つになる場合もある。低炭水化物ダイエットが流行っているが、糖によって急激に血糖値を上げないことが大きなポイントだった。なお実験中なのは難消化性デキストリンで炊いた米。まったく味に変化もなくわからない。
難消化性デキストリンは糖の吸収を阻害し、血糖値の上昇を抑える。結果的に血糖値を上げにくくするメリットがある。難消化性デキストリンは至れり尽くせりだが、やはり規則正しい食生活とバランスのとれた食事をしたいものだ。
しかし、難消化性デキストリンの効果は各社飲料にこぞって採用されており、効果を示す論文も出ていることから効果は期待できるといえる。私も実際に食生活を変えずに緩やかに体重が減少していったことから、難消化性デキストリンの効果はやはりあると言える。
私のように体重コントロールに難儀している方や、主食にパンやコメが好きな方はぜひ難消化性デキストリンを1度試して欲しい。かならず食前に飲むことをお勧めする。明日の昼飯からでも始めてみてはどうだろうか。
ただの水があの「トクホ」に化けるかもしれない。