SRAM RED E1のクランクが優秀過ぎる。
先般の記事において、パワーメーターとチェーンリング一体型のSRAM REDクランクセットは、機材としていかがなものかという指摘をした。ユーザーの事を何にも考えていない機材だと思った。しかし、クランク単体はとても素晴らしい機材のようだ。
新型E1のクランクは圧倒的に他社製品よりも軽い。そしてQ-FACTORが狭い。そしてカーボンクランクでありながら、中華クランクよりも価格が安いのだ。RED E1 クランクの優秀なスペックを紹介する。
SRAM RED E1 クランクアーム仕様
- 重量:307g
- Q-Factor:145mm
- 価格:70,000円
SRAM RED E1のクランク重量に関しては、メーカー発表の通り前作D1から30g程軽量化されている。この値はメーカーの公称値であるため、多少は上振れするかと思っていた。しかし、蓋を開けてみれば、実測重量が307gという超軽量のカーボンクランクに仕上がっていた。
この重量は驚異的といえる。
最近、巷で人気のELILEE(エライリー)のカーボンクランクの重量は346gだ。超軽量カーボンクランクで価格が安く、EASTONチェーンリングのホール形状を流用しているためパワーメーターも付けられるなど人気がある。
ただし、ELILEEの価格はどんどん上昇しており海外で購入しても円安のため8万円近くするようになった。国内の価格も値上げされ87,500円程する。
しかし、SRAM RED E1のカーボンクランクの国内定価は70,000円なのだ。ELILEEのクランクを買うよりも安上りになっている。そしてAmazonやYahoo、楽天では更に割引し販売されているのだ。
Amazonで63,801円、Yahooショッピングで64,020円、最も安いのが楽天の60,819円からさらに3,104ポイント付与される。
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私はエライリーのカーボンクランクをAliexpressで購入した。しかし、SRAM REDクランクはいまや中華カーボンクランクを買う必要がない価格になっている。腐っても、ワールドツアーでプロ選手たちが使うSRAM最高峰のREDクランクだ。
そしてRED E1のQ-FACTORは145mmだ。12速対応のクランクとしては最も狭いQ-FACTORになっている。FC-R9200が148mm、ELILEE X320が149mmと比べると、狭いQ-FACTORが好みの人にはうってつけのクランクに仕上がっている。
RED E1クランクのスピンドルはDUBであるため、使用するためにBBを変更する必要がある。しかし、DUB規格に対応した様々なBBが販売されているため、入手に困ることはないだろう。
これ以上軽いクランクを求めると、THM Clavicula SEのカーボンクランクの298gになってしまう。しかし、クランク単体が266,200円程であるため、わずか9gを削減するには現実的な選択とはいいがたい。
SRAM8穴パワーメーター
クランクアームはSRAM 8穴式を採用している。
クランクアーム単体でも8穴式のチェーンリングを取り付けられるが、シングルチェーンリングの場合がほとんどだ。ロード用ダブルチェーンリングの選択肢はほとんどない。そのため、8穴式のパワーメーターを使う必要がある。
サードパーティー製のパワーメーターとしてはSIGEYIとMageneの2種類がある。どちらもパワー計測精度がassiomaとほとんど変わらない。それでいて安価だ。そして重量も軽い。
- SIGEYI SRAM 8bolt:107g
- Magene SRAM 8bolt:140g
SRAM RED E1と組み合わせた場合の完成重量は以下の通りだ。参考に競合他社のクランク重量(チェーンリングなし)を掲載した。すべて実測重量だ。
- SRAM RED E1 + SIGEYI:414g
- SRAM RED E1 + Magene:447g
- ELILEE + XCADEY:450g
- ELILEE + SIGEYI:451g
- ELILEE + P2M:461g
- FC-R9200-P:610g
RED E1+ SIGEYIの組み合わせは強烈だ。FC-R9200-Pと比べて200g近い重量削減効果がある。クランク単体だけでこれだけの重量削減は驚異的だ。1gを軽量化するために何万円もかけるロードバイク機材において、RED E1クランクとSIGEYIパワーメーターは強力な武器になる事は間違いない。
もちろん、純正のSRAMパワーメーターも存在する。しかし、冒頭でも記した通り、チェーンリング一体式のため避けておいたほうがいいだろう。
まとめ:中華カーボンクランクより安くて高性能
SRAM RED E1クランクは、ELILEEの中華カーボンクランクよりも軽く、価格も1万円ほど安い。安価な中華カーボンクランクがどんどん登場しているが、SRAM RED E1クランクは、グランツールで多数の勝利と実績がある。
願わくば、SRAMを国内で扱うメニーズやダートフリークが、この記事を見てクランク単体の値上げをしないでほしいものだ。むしろ、中華カーボンクランクに押されがちな市場でゆいつ、価格と性能で勝負できるクランクという強みを生かしてほしい。
そして、12速化に伴いQ-FACTORが145mmというのは嬉しい。できるだけQ-FACTORを狭めたいライダーはSRAM RED E1クランクを使うのがいいだろう。
サイズ展開は、160mm、165mm、167.5mm、170mm、172.5mm、175mmと豊富だ。価格、実績、ブランド力など、SRAM RED E1のクランクは最高峰ながらコストバリューと価値のある製品に仕上がっている。
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