ENVEがこれまで、自社製カスタムロードバイク専用に製造していたSES ARワンピースハンドルバーを単体リリースした。新型ハンドルの第二弾も予定されており、ポガチャルやUAEが使用しているSES AEROワンピースハンドルバーも今後登場する。
製造から塗装まで、ユタ州オグデンのENVE本社で製造される。新型ハンドルの特徴は、コンパウンドフレアドロップ、エルゴシェイプ、エアロプロファイル、IN-Routeインターナルルーティングシステムだ。
今回の目玉は、ARとAEROともに「IN-Route」というENVEとクリスキングが共同開発した内部ルーティング方式を採用していることだ。
IN-Routeシステムを採用
ENVEのIN-Routeシステムは、もともとENVEカスタムロードのためにクリスキングと共同開発されたものだ。ホース類をフレームやフォーク内部に隠し、より使いやすいインターフェースを実現するために生まれた。
IN-Routeシステムは、ホースとワイヤーをハンドルバーからステムへ通したあと、ヘッドチューブ前方からルーティングを行う方式だ。1.125″のステアラーを持つフォークを使用し、ステアラーと1.5″アッパーヘッドセットベアリングの間にワイヤーとホースを通す仕組みだ。
トップ側のベアリングカバーとスペーサーはENVE IN-RouteステムやSES AR、AEROハンドルバーの形状に合うように設計されている。
ENVEは、昨今普及しているケーブル類をフレームに内装化するシステムを汎用化し、どのブランドも自社でルーティングを再発明することなく、IN-Routeを標準化したいと考えているようだ。
ENVEによれば、同様のシステムを使用しているほとんどのバイクは、若干の仕様変更で新型SES ARと互換性が確保できるという。そのためには、ホースやワイヤーをステム内部とアッパーベアリングとステアラーチューブの間に通す必要がある。
ENVEはUAEとコルナゴとと協力しながら、IN-Routeシステムを統合できるカスタムベアリングカバーを合わせて開発している。コルナゴのV4Rが正式な互換性を持つ最初のフレームモデルになった。このコンセプトは随時拡大し、ENVE以外のロードバイクでもIN-Routeシステムが普及させていく計画がある。
Made In USA
ハンドルは全てENVEのユタ州オグデン工場において自社製法で製造される。そのため、市場に出回っている他のワンピースハンドルバーよりも幅広いサイズ展開が可能になった。
- 380mm:90mm, 100mm, 110mm, 120mm
- 400mm:90mm, 100mm, 110mm, 120mm
- 420mm:90mm, 100mm, 110mm, 120mm, 130mm
- 440mm:90mm, 100mm, 110mm, 120mm, 130mm
- 460mm:90mm, 100m
ステム長は、90mmから140mmまで用意される。バーは38mmから46mmまで用意される。各ハンドルバーは、ベースバー、ドロップ、ステム、のパーツで製造され、ステムは必要な長さでカットされ、ENVEの専用治具でベースバーとドロップを接着する手間のかかる方法で製造が行われている。
接着が硬化したあと、ハンドルバーは塗装工場で下処理と最終仕上げが行われる。この工程もENVEの自社工場だ。
まとめ:高価ながらUSA製で種類が豊富
ENVEは安くない。価格はなんと17.5万円で現地通貨でも1200ドルだ。USA製ということもあり、米国の人件費や原材料費の高騰も価格に反映されているように思う。
今回、第一弾としてオールロード用のARが登場した。第二弾はAEROモデルが登場するという。ポガチャルやUAEの選手が使い、実績もあるENVEのハンドルだ。性能や信頼性は間違いなく期待できるが、価格とのトレードオフになりそうだ。
- 価格¥174,900(税込)
- ステム長: 90mm / 95mm / 100mm/ 105mm / 110mm / 115mm / 120mm / 125mm / 130mm
- ハンドル幅: 380mm / 400mm / 420mm / 440mm / 460mm (ブラケットフード CT-CT)
- 45種のサイズパターン
- 実測 重量:375.5g(ハンドル幅 420mm / ステム長100mm)
- カタログ 重量: 330g~360g