チューブレスタイヤをパンクさせてしまった。修理方法はぼんやりと理解していたが、実際にやってみると使用するパッチや加硫接着剤にいくつか種類があったため、使用した修理剤などを記録としてまとめた。あわせて穴のあいたチューブレスタイヤを修理する方法もまとめた。
今回の修理の前提条件としては自宅で修理することを想定している。外出先でパンクした場合は、チューブを入れたり、シーラントで穴がふさがるため外で修理をしないと割り切っている。したがって、今回の記事は自宅で丁寧にチューブレスタイヤを修理したい方を対象としている。
用意するものは以下の3点だ。すべて日本メーカーながら安い。
- マルニ工業(大阪)タイヤパッチE-118
- マルニ工業(大阪)スーパーバルカーンG 業務用加硫接着剤
- サギサカ(愛知)修理ローラー 300円ぐらい
マルニ工業は聞いたことがあるかもしれない。サギサカはBMCやマリポーサなどの代理店であるフタバの親会社だ。
パッチには「チューブ用」と「タイヤ用」がある。チューブ用は種類が多い。一方でタイヤ用のパッチは数が少ない。タイヤ用は強力な補強層があり、タイヤのキズ口の拡がりを抑える効果がプラスされている。間違ってチューブ用をタイヤに貼り付けないようにしよう。使用したのはタイヤパッチ E-118だ。
スーパーバルカーンGはパッチとタイヤの加硫反応を促進させる接着剤だ。メーカー公式ではスーパーバルカーンGがタイヤ用、バルカーンがチューブ用に指定されている。バルカーンは長期間放置するとゲル状になるため保管に向いていないが、スーパーバルカーンGは長期保管してもゲル状になりにくい。
修理ローラーはサギサカ製を使用した。ヤスリとローラーが一体化しておりパッチとタイヤを貼り付けたあとに、パッチを押し付ける際に便利なツールだ。
修理手順は以下の通り。
- タイヤ裏の補修箇所にやすりを必要であればかける。(補足情報あり)
- スーパーバルカーンGを広く薄く塗布する(1回目)。
- 3~4分乾かす。
- スーパーバルカーンGを広く薄く塗布する(2回目)。
- 3~4分乾かす。
- タイヤパッチの裏フィルムを剥がし補修箇所中央部に貼る。
- ハンマー、ローラー、万力で圧着する。
注意が必要なのは1の「ヤスリがけ」だ。
というのも、マルニ工業のタイヤパッチのマニュアルには「ヤスリがけしない」と記載があるが、マルニ工業のサイトで公開しているpdfの手順(2016年8月版)では「広めにサンドペーパーでバフする」とある。どちらも正しい可能性があるが、今回はシーラントが付着していたことと接着を強める狙いもあり最新版の手順を踏襲した。
スーパーバルカーンGを塗布するのは通常1回だけで良いと思っていたが、マルニ工業のマニュアルによると、2度塗りするのが加硫反応を促進させ好ましいという。今回は(どうせ1回しかやらんし)手間ひまをかけて2度塗りした。2度目を塗る際は、必ず完全に乾いてからにしよう。
タイヤパッチを貼る際は、タイヤ側とパッチ側どちらも触れないようにすること。貼り付けたあとは、サギサカの修理ローラーを使用して圧着させる。万力があればなお楽に接着できる。最後は万力を使用して圧着の仕上げを行った。
修理が終わったチューブレスタイヤにシーラントを入れて破損箇所を経過を観察したが、特にシーラントも漏れてくることはなく完全に穴は塞がったようだ。ちょっと怖いが、先日のシクロクロスレースに投入しても問題なかったため修理は成功したようだ。
チューブレスタイヤに穴が空いてしまっても、捨ててしまうのはもったいない。トレッド面がまだまだ使える場合は修理して最後まで使い切りたいところだ。今回の方法はチューブレスタイヤだけでなく、クリンチャータイヤの修理にも応用できる。
タイヤは消耗品だが、まだまだ使えるようであれば修理しながら寿命まで使い込んでみてほしい。
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