クリート位置の調整は一度悩み出すと、終わりのないドロ沼のような状況におちいる。数ミリの違いが踏み込みの感覚を変えペダリングを狂わせる。クリートは自転車と人をつなげる重要な機材といえる。今回紹介するのはクリート調整のアイデアツールERGON TP-1だ。単にクリートの形状通りにプラスチックが型どられた単なる板だ。しかし、これが優れものなのだ。
ERGON TP-1の特徴
ERGON TP-1の特徴と言ええば、方眼のメモリが付いた台座にクリートの穴が空(あ)いていて固定する。何かしらの目印を付ておけばクリート位置が記録されるという「ただそれだけ」の商品だ。しかし、その利便性は測り知れない。
例えば左右のクリート位置を同じにしたいとする。その場合両手を合わせるかのように、両方のシューズの裏と裏を合わせ微妙に調整したことはないか。この場合何度も何度も調整しても左右差が取れなかった。恐らくシューズ自体の精度の問題や取付け中のズレなどが考えられる。
ERGON TP-1を使えば方眼上で細かなピッチでメモリーできる。方眼が良い仕事をしわずかな調整もこなしてくれるのだ。このタダの穴が空(あ)いたプラスチックは小さなところにいろいろな配慮がある。
前後の調整
クリートをただ見ただけでは、どこにペダルシャフトがあるのか判別はできない。取付けて見ないことにはわからないからだ。ところが、このERGON TP-1は上の画像のようにあらじめシャフト部に目印がある。この目印を元に前後のバランスを調整する。
ようするに、母子球と小指の付け根付近を結んだ理想とされる位置に素早く調整ができる。闇雲に取付けてしまうようでは不安でした方がない。このメモリは一見変哲もない線だが、確実にパワーを生む部分でクリートを取付けるために重要なギミックと言える。
左右の位置調整
人それぞれ骨盤の大きさが異なる。そのためクランクアームからどれほど離れた位置で取付ければよいかは異なってくる。本ツールではあらかじめシャフトの模様が描かれておりどれほど離れたかが一目で把握できる。
今まで行っていた調整のように、シューズを裏返してクリートにらめっこしていてもこの辺はわからない。したがって、クランクスレスレの調整も簡単に確実にできるのだ。
まとめ: クリートではなくシューズを動かす意味
このアイデアツールを使って思うことがある。このツールは調整の思考を変えてくれる逆転の発想のツールだということだ。クリートの位置を変えるツールではなく「シューズの位置を変える」ツールだということだ。
今までは、靴を裏返してクリートを確認しながら位置を変えていた。このツールはペダルとクリートを不動のものとし、シューズの位置のみを決定すれば良い。クリート位置の調整という本質は、一体化した不動のペダルとクリートを軸としてシューズをどう配置するかにつきる。
いつの間にかクリートを動かしていたと勘違いしていたが、本質はシューズを動かしているのだ。調整の思考すらも変えてしまうこのERGON TP-1で、今のベストポジションを記録して見てはどうだろうか。ソールにマジックで目印を書いたり、調整の時間が短縮できるなら安くて良い買物である。
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