先日まで開催されていたツールドフランス。長く厳しいレースで見事二度目の優勝を飾ったクリスフルームの情報がハッキングされてた。ハッキングされたのは、ツールドフランス期間中のことで、様々な情報が入っていたPC(パワーデータ等)に対し犯行が行われたらしい。
そのハッキングの理由については諸説あるようだが、どうやらドーピングを疑う何者かが故意にハッキングをしデータを盗み見たらしい。おそらくドーピングに関する情報(例えばメールなどのやりとり)、パワーデータと得たかった情報は多岐に渡る。
なぜ、そのような事をするのかと疑いたくなるが昨今の自転車競技において「データー」は価値がある。パワーデーターはもちろんそうだし、いつの時代も「ツール覇者」のスキャンダルは金と話題を呼ぶ。パワーデーターは公開されていないし、他のライバルたちにとって覇者のデーターは貴重な価値がある。
他チームや、新聞紙に売っても足が付くのでなかなかやれるとは考えにくいが、今まで巧みにドーピングを隠蔽してきた「口の硬い」業界ならば情報を手に入れても自分のところで止めて置くことは容易いだろう。価値があり貴重な情報ならなおさらだ。
ただ、SKYはクリーンなイメージか着いているし昨今のドーピング監視プログラム、バイオロジカルパスポートなどドーピング根絶のための技術は進んできている。フルームがドーピングをしているとは考えにくいが、疑いをこのような形(ハッキング)で暴くのはそもそも許し難い。
自転車選手は走る以外も過酷な競技だと言える。居場所を常に報告しなくてはいけないし、採血も断れない。この競技を続ける以上プライベートなんて無いのかもしれない。そしてハッキング被害と常に様々なストレスの中で戦い続けている。
ツールで勝つということは本当に尋常でないほど大変なことだ。走りきるフィジカル、様々なストレスに耐えるメンタルと双方が高いレベルで備わった選手しか成し遂げられない世界であると改めて認識させられた。
ソース: BBC
小学館 (2013-05-08)
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