今年のツール・ド・フランスでMTNキュベカが使用していたことで話題になったENVE。そのENVEが新たな軽量リムを発売する。ENVE SES 2.2だ。驚くべきはその軽さだ。なんとリム重量281g(カタログ値)。ENVEのリムは品質がよくリム重量のばらつきが少ないので期待してもよいだろう。
以前ENVE(EDGE時代)にROAD 25というモデルが販売されていた。このモデルの重量はカタログ値274gであった。ただ時代はワイドリム(幅が広い形状)が主流になってきておりリムメーカーのENVEも当然この流れに乗ってきた。その新たなリムプロファイルと変更点を見ていこう。
ENVE SES 2.2
このENVEのロープロファイルモデルは古い方が(初代ほど)軽かった。時には250gという時代もあったが徐々に重くなり前作で270g近辺に落ち着いている。ただ、ENVE SES 2.2と281gと”重い”リムなのだが(ENVEのロープロとしては)一体何が変わったのだろうか。
まず、時代とトレンドに合わせたワイドリム化である。リム幅は27mm(前後)だ。前作のROAD 25は21.7mmであった。要するに6mmもワイドリム化している。なお余談だが最新のMAVICのアルミホイールは大体20mm、Lightweightのリム幅はクリンチャー、チューブラー共に20mmだ。そう考えると27mmがいかに幅広いかがわかる。
さらに大幅に変更されたのはリム内径だ。前作ROAD 25は14mmだったのに対して、ENVE SES 2.2は18.5mmとなっている。私は外経と内径両方重要だと考えている。リム幅に相当する外経はエアロダイナミクスの為だ。ENVEのSMARTシステムはフロントリムのほうが幅広い。これは「drag2zero」が研究開発をし生み出した結果だ。
リム内径はタイヤの転がり抵抗に起因する。クリンチャーやチューブラーでその性能は変わるだろうが、幅広い土台はタイヤのヨレを抑える。詳しくは当ブロクでも以前記載した「転がり抵抗を比較 23Cと25Cのタイヤは違うのか?」を参照されたい。
リムハイトは25mmから変更なしだ。以下に過去のROAD 25からの変更点をまとめたい。
ENVE 2.2 Tubular Rim
- Weight: 274 -> 281g
- Rim depth: 25mm -> 25mm
- Rim width (outer): 21.7 -> 27mm
- Rim width (Inner): 14 -> 18.5mm
まさにトレンドに合わせたリムになったといえるだろう。
販売は8月 $975から
販売は海外で8月から行われる予定だ。もちろん超軽量なリムだからアンダー1000gは可能だろ。しかし軽ければ良いというものでもない。ハブにGOKISOを使ってリムはワイドリム化したENVEを備えても良いだろう。いつの時代も自転車機材は軽量化が好まれるが、次第に「リム幅」「リム内幅」は広がっていくと予想される。
愚直に軽さを追求した過去の時代から、「タイヤのヨレ」や「エアロダイナミクス」といった機能部分に特化したリムが今後も多く登場していくだろう。自由度が高い手組みホイールの旨味を生かした構成は考えるだけでも楽しい。
できるならば、ゴキソのハブにCX-ray、ENVEのクリンチャーなんて夢のカスタムをしてみたいものだ。
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