MTBやシクロに待望のローラー! ミノウラハイブリッド FG540

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ロードバイクだけ乗っていてはわからない悩みがある。ローラーの選択だ。何をおかしなことを言っているのかと思われるかもしれないが、MTBやシクロクロッサー(特にDISC仕様車の方)はレース前のウォーミングアップ用ローラーの選択肢があまりにも少ない事に落胆している。

理由は幾つかある。例えばMTBのリアエンド142mmのスルーアクスルの場合は、ほとんど固定ローラーにマウントできない。スルーアクスルの時点でアウトだ。だから三本ローラーが限られたウォーミングアップの機材になる。さらに厄介なのは、シクロクロスで使用者が増えているディスクブレーキバイクの場合だ。

現行のほとんどのディスク仕様車は135mmのクイックリリース(MTBの世界から見たら相当異質な)という不思議規格である。見るからにロードのディスク規格は過渡期であることが伺えるが、この場合であれば固定ローラーには装着可能だ。ただ、昨今のラインナップを見るとリアは142mmのスルーアクスルを採用したりと、次第にMTB規格に移りつつある。

そうなってくると、ロードバイクで当たり前のように使ってきた固定ローラーといった機材が使えなくなる。確かに3本ローラーなら乗れるが持ち運びや遠征に持って行くには少しかさばってしまう。そんな中、あのミノウラからこれらの「ごく限られたサイクリストの悩み」を解決するローラーが発売されることになった。

ミノウラハイブリッドローラー FG540である。このモデルはデフォルトでフロント15mmのスルーアクスルに対応するだけでなくフロントフォークに優しいエストラマーが搭載している。ハンドルを振ってもしなやかに衝撃が吸収される。シクロクロスやMTBさらにはロードのエンドに負担をかけたくない人にうってつけのハイブリッドローラー FG540について見ていこう。

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ハイブリッドローラー FG540

一体今までのローラーと何が違うのだろうか。機材好きの間ではGTローラーフレックスと激似ということが見てすぐにわかるだろう。おそらくミノウラは本ローラーを研究し自社のプロダクトに落とし込んだと言える。このローラーのポイントはフロント固定のリアは2本ローラーだ。

この構造は従来のリア固定ローラーのようにエンドを固定する必要がないので、フレームのダメージが少なくなる。また、フロントフォークは固定されるもののエストラマー(ぐにぐに動く仕組み)により多少ハンドルを降ることができる。これにより完全固定ではなくなり、ある程度の遊びが生まれる。結果的にフレームへのダメージも少なく、実走感に近い感覚が得られるのだ。

フロントスルーアクスル15mmに対応

スルーアクスルの話は別記事「ロードバイクに「スルーアクスル」の波が訪れようとしている」で紹介した通りだ。

一番の目玉はこの「フロントスルーアクスル対応」のローラーであることだ。ようするにMTBでも使える代物ということだ。もちろんシクロクロスのバイクにも使えるし、もちろん普通のロードフォークにも対応している。このローラーさえあれば、ロードやCX、マウンテンバイクのレースに出る人は一台で事足りるのだ。

調整方法も単純明快で前輪をまず固定する。次に後輪は自分のマシンのホイールベースに合わせて前後位置を見ながら台の位置を調整する。あとはマシンを置くだけだ。対応するホイールベースは950mm〜1,200mmまで対応する。これはMTBやCXマシンでも十分な長さと言えるだろう。

また、ヒルクライムのウォーミングアップには嬉しい傾斜を着けることができる。フロントフォークを持ち上げる三脚を調整するだけだ。高さは5段階に調整でき、0%、3%、5%、8%、10%と十分な角度をつけられる。

ローラー部の構造は三本ローラーのドラムの半分ほどだ。ローラー部の実寸は直径79mmと非常に太い。この太さゆえタイヤ自体がローラー部に食い混みにくく、静粛性も期待できる。どうしても細いドラムは騒音やタイヤの磨耗が気になるが、その辺はかなり考慮されているようだ。

もちろん、ミノウラお得意のダイアル式負荷装置も備わっている。

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まとめ:1台で3役の万能ローラー

昔テレビショッピングで「一台で三役!高枝切りハサミ!」というキャッチフレーズで万能ハサミが売り出されていた。このローラーも例えるなら一台で三台のバイクタイプに対応する優れものだろう。私はシクロクロスのウォーミングアップや今後検討しているMTBのレース用に是非とも使ってみたい一品といえる。

値段は実売4万程度と少々お高いが、冒頭でもお伝えしたとおりフロントスルーアクスルのバイクや今後主流になるディスクブレーキ規格に対応する数すくないローラー台と言えるだろう。シクロクロスやマウンテンバイクのウォーミングアップ会場で見る機会も増えるかもしれない。

ただ、どんなに便利になってもローラーとは「人間を苦しめる道具」であることには間違いない。本装置は利便性と新たな規格を見据えた素晴らしい拷問機械だ。いままで規格に縛られてローラーを使えなかった人は、是非ともレース前のウォーミングアップに本ローラーを試して欲しい。

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