ハイエンドロードバイク比較レビュー Tarmac SL8、Super Six EVO、Madone、Aeroad、Propel 選び方ガイド

スポンサーリンク

ロードバイク選びは「何を優先するか」がすべてだ。

優先付けの手助けになるように、大手5ブランドを例に最新のハイエンドモデルの特徴をふまえた「選び方のヒント」を深掘りしていく。各モデルの設計思想や特性を解剖し、具体的なシーンやライダータイプ別に最適な選択肢を解説する。

対象となるバイクは、世界のトップブランドが誇る以下のハイエンドモデルだ。

  • トレック Madone SLR Gen8
  • スペシャライズド S-Works Tarmac SL8
  • キャノンデール SuperSix EVO
  • キャニオン AEROAD CFR
  • ジャイアント PROPEL

それぞれの詳細なレビューについては、別の記事をリンクしてある。

スポンサーリンク

トレック Madone SLR Gen8

シートポストに特徴的なISOFLOWを搭載し、空力性能を高める形状ながらも快適性も引き出したバイク。ISOFLOWはバイクの後方に発生する負圧領域を吹き飛ばす効果がある。反り立ったシートポストは構造的にも柔軟性があり、路面からの突き上げや振動を収束させる。

トレック Madone SLR Gen8を選ぶべき人は以下だ。

  • レーシングバイクに快適性を取り入れたい
  • 見た目のインパクトが欲しい
  • 身体への振動を最小限に抑えたい

ISOFLOWは見た目が奇抜で、好き嫌いが分かれるポイントだ。ISOFLOWを通過した空気は、バイク後方に発生する負圧領域を解消する効果がある。しかし、空力性能が特別良いわけではなく、ハイエンドバイクの中ほどの性能だ。

操作性はややゆったりとした特徴がある。トレックのバイクらしい操作性だ。トレックのバイクに共通しているのは、他社のレースバイクと比べるとバイクの重心が高く感じる。レースバイクにしては、コーナーリング中にバイクを傾けにくい感じが残る。

ヘッドチューブが長く、ヘッドカバーの厚みもあるためハンドルを下げたい方は合わない可能性がある。Madone Gen8 SLR実測重量はフレームが880g、フォークが389gだ。現代のハイエンドロードバイクにしては重くもなく、軽くもない。

トレック Madone SLR Gen8を避けるべき人は以下だ。

  • 200万円近い予算がない
  • ハンドルをとにかく下げて攻撃的なポジションを取りたい
  • 軽量バイクをくみ上げたい
  • 機敏なハンドリング操作を求める
新型 TREK Madone Gen8 登場!軽さと速さの究極のレースバイク!
Madoneの軽量化か、Emondaのエアロ化か、その答えはどちらでもない。TREKは全く新しいMadoneを発表した。軽さと速さを併せ持つ、第8世代(Gen8)のMadoneだ。Emondaのように軽く、Madoneのように速い。境界が曖昧になっていたEmondaを廃盤にし、登場して日が浅いMadone Gen7も追いやった。Madone Gen8は、TREK史上究極のレースバイクだ。Madon...
Madone Gen8 SLR インプレッション ケンタウロスになったバイク。
Madone Gen8 SLRのインプレは、ハードルが上がってしまった。真っ先に、ミドルグレードのSLモデルからテストをしたのが理由だ。SLグレードながら、やけに完成度が高かった。性能はもとより、塗装や仕上げなどSLとは思えぬバイクだった。もう、これでええじゃないか。それが結論だった。スペックや性能を文字や数値だけで判断すると、SLRとSLの間にはOCLVの番号、使用しているカーボン、フレーム重量...
TREK Madone Gen8 SL インプレッション これ、本当にミドルグレードか?
TREK Madone Gen8は様々なアップデートが行われ、究極のレースバイクとして登場した。前作Madone Gen7はハイエンドモデルのSLRが発売し、その後何か月か経ってからSLグレードが発表するという流れだった。前作Madone Gen7の販売方法と違うのは、SLRのフレームセットやSLグレードの販売をMadone Gen8の発表と同時に行ったことにある。ユーザーの期待に答える決断をTR...
スポンサーリンク

スペシャライズド S-Works Tarmac SL8

「すべてを征す1台」

この都合のいい言葉を使って、様々なメーカーがバイクを作ってきた。1台ですべてをこなすバイクなど夢の話で、どっちつかずの中途半端なバイクばかりだった。しかし、スペシャライズドの技術は本当にこの言葉とおりのバイクを生み出した。

S-Works Tarmac SL8を選ぶべき人は以下だ。

  • 1gの軽さにこだわる
  • 「すべてを妥協したくない」オールラウンダー
  • 日常トレーニング~レースまで1台でこなす
  • ハイスペックコンポーネントにこだわる

S-Works Tarmac SL8は、空力・重量・快適性のバランスを高次元で取り合っている珍しいバイクだ。この驚異的なバランスが最大のウリになっている。

各社のハイエンドバイクと比較しても、フレーム重量が圧倒的に軽い。かつ、空力性能もトップクラスに高い。乗り心地も良く、レーシングバイクならぬ快適さがある。ヒルクライムでも平地でも弱点がなく、天候やコースを選ばない。

操作性も高い。ハンドルの切れ方が意図したとおりに動く。素早くでも、緩やかでも確実に操作できる。集団走行中の密集したコーナーリングでも確実にラインをキープでき、位置取りも不安がない。

フレーム重量が685gと超軽量であるため、本気で軽量バイクを作る人はS-Works Tarmac SL8が良い選択肢になる。

S-Works Tarmac SL8を避けた方がいい人は以下だ。

  • 純粋な空力特化バイクが欲しい
  • 昔ながらの『硬い』バイクが欲しい
【徹底検証】スペシャライズド Tarmac SL8は一般ライダーに必要?「軽量 x 空力 x 乗り味」の魔力 :前編
欠点が見つからない、困ったバイクだ。空力、重量、乗り心地、剛性感、ステアリング、下りの攻めやすさ、あらゆるパラメーターに対して5段階中4.5か5が付く、そんなバイク。Tarmac SL8に乗り込んで行けばいくほど、見つからない不満点を探し出すために、重箱の隅をつつくような意地悪な方向に考えが向かってしまう。だから、『エアロかつ軽量で乗り心地がいい』という相反する要素のそれぞれが、どうやって均衡を保...
「高すぎる?」を覆すスペシャライズド S-Works Tarmac SL8の真価|179万円の投資がライド体験を変える
S-Works Tarmac SL8のインプレッション後半は、設計思想や実際の走行で得られた情報をまとめている。前半の記事や開発の詳細は別記事でまとめている。あわせて読んでいただけると、ここから先の内容がわかりやすくなると思う。SL8の設計思想を解く『乗りやすいレーシングバイク』「乗りやすい」と「レーシングバイク」の組み合わせは、一般的な認識と矛盾する可能性がある。レーシングバイクは通常、性能重視...
世界最高峰のロードバイクはどのように作られるのか TARMAC SL8
世界最高峰のロードバイクがこの世に誕生するとき、どのような物語を経るのか。数々の勝利を量産してきたスペシャライズドのレーシングバイクTARMAC SL8の開発過程から、完成品としてこの世に誕生するまでの一部始終を追っていく。ロードバイクの開発は、「エアロ」か「軽さ」のどちらか一方を追求し二極化してきた。最近のトレンドは、ひとつで全てをこなす中間的なバイクが主流になってきている。重量を減らすためにカ...
スポンサーリンク

キャノンデール SuperSix EVO LAB71

空力性能はトップレベル。スルーアクスルホールを排除した細部の作り込み、770gの軽量バイクながら、LAB71の艶めかしいデザインが融合した人気のバイク。シートポストの薄さは随一。見た目も美しい仕上がりだ。こいつが人気が出た理由は、所有して、乗ってみればわかる。

キャノンデール Super Six EVOを選ぶべき人は以下だ。

  • 空力性能に優れた軽量バイクを求める
  • レーシングバイクに美しさを求める
  • ハンドルやホイールブランドが被りたくない
  • 登りを軽快に走りたい

フレーム重量が685gのS-Works Tarmac SL8が登場したことによって、Super Six EVOの770gは見劣りしてしまった。しかし、その差85gに目をつぶればMOMOハンドルを使わずとも50mmハイトのホイールで、フルスペックのS-Works Tarmac SL8の空力性能をしのぐ。

S-Works Tarmac SL8の総合力に対して、現状立ち向かえる唯一のハイエンドバイクだ。デルタステアは賛否両論あるが、実際に使えば「そんなこともあったな」と全く気にならなくなるだろう。

完成車に付属しているMOMOハンドルや、ホログラムホイールやリザーブホイールはお世辞にも知名度やシェアが高いとはいえない。実績もそれほどなく好き嫌いが分かれると思うが、間違いなく性能は高い。人と被るのが嫌な方、そのあたりの折り合いがつけば良い選択肢になる。

Wake 6560やARC1100 62といった60mmハイトのホイールとは相性があまり良くない。パワーを込めてぶん回すと、バイクの前側に回転の軸が移動するような感じがありバランスがやけに崩れる。CRW5060では起きなかったことだから、フロントに60mmを持ってくるのは地雷かもしれない。

前後50mmハイトの組み合わせが良いだろう。ハンドリングは機敏なほうで、挙動を読むことができるようになるまで時間がかかる。慣れればわずかな動きなのだが、下りでも独特のラインを走るので初めは違和感がある。しかし、使い込めば違和感は無くなる。

ジオメトリを確認すると、スペシャライズドよりもワンサイズ小さい設計だ。Tarmac SL8で52なら、Super Six EVOは48サイズになる。キャノンデールは昔からジオメトリにクセがある。ジオメトリを理解して乗れる方向けだ。

Super Six EVO LAB71を避けた方がいい人は以下だ。

  • 適正ジオメトリが定まっていない、理解できない
  • 知名度が低いコンポーネントに満足できない
  • 純粋な空力特化バイクが欲しい
SuperSix EVO 4 インプレッション 「快適なレーシングバイク」という矛盾
ほんとうによくわからないバイクだ。SuperSix EVO 4(以下EVO4)を乗り込み、試した。良いのか、合うのか、乗り初めは素性がよくわからなかった。ただ、乗り込んでいくうちに、「もしかしたら」という思いが湧き上がってきた。感覚によって感知されることができ、事実として、文字として扱うことができるような思いでは決してなかった。ただ、「EVO4はこういうバイクなのではないか」という、マト外れでもな...
CANNONDALE SuperSix EVO LAB71インプレッション 前編 「何か」が仕組まれたバイク
最も人気があったのは、初代だろうか。2011年、初代SuperSixEVOが発表されたとき、凄まじい熱狂があった。フレーム重量が695g、ピーター・デンク氏(SL8、AETHOSを開発)が開発、各社が血眼になって競い合っていた重量剛性比、剛性に相反する乗り心地の良さ、初代はあらゆる面で他社の数歩先を進んでいた。リクイガス時代のサガンが乗っていたことも話題だった。この頃のサガンを、いまの選手で例える...
「SUPER SIX EVOのここがいけてない」乗って気づいたこと
普段の練習からレースまでさまざまな環境でSUPER SIX EVO 第4世代目(以下EVO4)を試してきた。はじめはよくわからないバイクだったが、次第に良いところも、悪いところも見えてきた。EVO4は雑誌やメディア、インフルエンサーなどの露出も多く、有名なライダーが使っていることからも非常に人気があるようだ。プロモーション的にも成功したバイクの一つではないだろうか。このような状況になってくると、「...
スポンサーリンク

キャニオン AEROAD CFR

日本から購入できる世界最速クラスのバイク。「空力こそがすべて」と信じるデータドリブン派に最適のバイクだ。最新テクノロジーで他車と差別化しつつも、価格でも納得したい方に最適な1台に仕上がっている。

キャニオン AEROAD CFRを選ぶべき人は以下だ。

  • 世界最速の空力性能を求める
  • ポジションでも空力性能も求める
  • コスパを求める
  • 乗り心地とか気にしない

自身のフィジカルを最大まで高めたあと、最後の一押しで使うならAEROADは武器になる。わたし自身、人生で最も多く表彰台に登ったバイクがAEROADだ。生粋のレースバイクながら、ライダーに求められることも多い。

高められるところまで高めた剛性は、TOUR紙のテストでも群を抜く高さ。プロ選手も満足できる剛性感は、一般人にはオーバースペックだと感じることもある。空力性能がさらに煮詰められており、他社の最速バイクよりも3~5Wほど空気抵抗が小さい。

ステム長が選べないため、ポジションが出ている人か割り切れる人向け。ドロップバーを変えることによって、ライダー自身の空気抵抗も削減する。初期状態アッセンブルはチューブに至るまで最高レベルの機材で固められている。手を入れる箇所が非常に少なく、機材交換の楽しみは皆無だ。

直販のため価格が安い。

キャニオン Aearod CFRは以下の人には向いていない。

  • ステム長を変えてポジションを煮詰めたい
  • ハンドル回りのセッティングを変えたい
  • 乗り心地や快適性を求める
  • 登りがメイン
「あざむく変化」CANYON AEROAD CFR インプレッション。全てはプロのために。
はやく、レースで走らせたい。新型AEROADに乗って、まっ先に思い浮かんだことだ。AEROADといえば、乗っていた時間も長く、相性も良いバイクだった。そして、AEROADで走ったレースや練習は最も苦しんだ。その分、最も成績がよかった。自分の能力のできる範囲で、AEROADの性能を最大限に引き出せたと思う。まさに、二人三脚、苦楽を共にしたバイクだ。知りすぎているからこそ、新型AEROADの違いもすぐ...
新型AEROADを全部バラして実測重量を測ってみた。
AEROADの実測重量を測定した。結果は以下の通りだ。 フレーム:948g フォーク:403g ハンドル:461g シートポスト(ヤグラ&ボルト込):196g スルーアクスル:71g新型(左)ー旧型(右)の実測重量差は以下の通りだ。 フレーム:948 - 991 = -43 フォーク:403 - 422 = -19 ハンドル:461 - 372 = +82 シートポスト:196 - 189 = +...
ここがイケてない。CANYON AEROAD 極狭350mmハンドルのメリットとデメリット
新型AEROADの目玉、AERO PACEバーを3ヶ月使い続けた。平坦、登り、下りと様々なシチュエーションで使い込んでいくことで、初めはわからなかったメリットとデメリットがはっきりと見えてきた。新型AEROAD発売当時の興奮はおさまり、この極狭ハンドルと冷静に向き合えている。350mmの幅が狭いハンドルは、ライダーの前方投影面積が減少し14Wもの空力が向上するという。この耳障りの良い結果だけをみる...
スポンサーリンク

ジャイアント PROPEL

コスパ最強番長、キャニオンの直販をしのぐ。

価格に対して付属するコンポーネントがえげつない。ホイールはCADEX ULTRA 50が付属する。ホイール価格を考えると完成車の価格設定は理解不可能。GIANTだからこそできる組み合わせだ。コストパフォーマンスを考えるとキャニオンに並ぶどころか、コンポーネントを考慮すると頭一つ抜けている。

このスペックと価格設定にまだ不満があるのなら、ハイエンドバイクを手に入れる資格と検討をする段階にない。

ジャイアント PROPELを選ぶべき人は以下だ。

  • 最高のコスパを求める
  • 最高のホイールを標準装備したい
  • 硬質な乗り心地を期待する

機材スペックやコスパ重視でこれ以上のアッセンブルは考えられない。空力性能はハイエンドバイクの中ほどだ。CADEX 50 ULTRAの軽量ホイールを使っていながらも完成車の重量が重いのがネック。カーボンスポークのホイールを使っていることも相まって、全体的に剛性感が高くレースバイクらしい仕上がり。

振りの軽いバイクではないが、平坦や高速巡行時の安定性はVENGEを思い出す。登りは他のバイクと比べると相対的に重量もあり軽快さがない。総合性能でいけばTCRを選んだほうが良い場合も多く散見される。GIANTのラインナップ内で食い合っている状況が気になる。

数あるブランドのハイエンドバイクにおいて費用対性能効果が最も高い1台。

ジャイアント PROPELは以下の人には向いていない。

  • 軽さを求める
  • 登りを重視する
  • 乗り心地の良を求める
  • OD2規格以外のステムを使う
GIANT PROPEL インプレッション オールラウンドバイクの頂点へ
GIANTの新型PROPELは、オールラウンドバイクが到達しうる最高到達地点にいる。数値上、データー上、どれをとっても非の打ち所が無いバイクだ。走りの軽さと何でもこなせる機動力の高さがある。後発であるがゆえ、他社のバイクのメリット、デメリットを研究し尽くしたバイクといえる。剛性、重量、空力性能、価格とどの切り口で考えても競争力がある。自由度の高いステアリング周りと、もはや何も変更する必要のない機材...
新型GIANT PROPEL 究極のオールラウンドエアロロードバイク
新型Giant Propelは真のエアロオールラウンドバイクだ。UCI重量下限に迫る軽量性、高い空力性能、ステアリング周りの調整自由度の高さ、新型Propelには不満という不満がない。大幅な改善と、非常に魅力的なパーツ構成で仕上げられた究極のオールラウンドレーシングバイクだ。フレーム重量:920g(Sサイズ)フォーク重量:395g完成車重量:6.8kg(PROPEL ADVANCED SL 0)フ...
スポンサーリンク

価格

製品名 価格
トレック Madone SLR Gen8 ¥1,850,000
キャノンデール SuperSix EVO ¥1,800,000
スペシャライズド S-Works Tarmac SL8 ¥1,793,000
キャニオン AEROAD CFR ¥1,489,000
ジャイアント PROPEL ¥1,430,000
スポンサーリンク

まとめ:「何を優先するか」がすべて

様々なバイクが世の中には存在しているが、真の意味で「完璧な1台」は存在しない。

ライダーによって、何を優先するのかが異なるからだ。金額面、スペック、コスパ、空力、ライドフィール、剛性感、ブランド、ステータス、あらゆるパラメーターを総合的に判断して、自分に合った最適な1台を決定する必要がある。

条件や考え方が異なれば、最適な1台は変わってくる。それでも、1台しか選べなかったらわたしが何を選ぶのか最後に書いておきたい。確かにこれ以外にもピナレロ DOGMA Fも買ったが、もしも1台だけしか変えない縛りがある場合を考えてみたい。

1台のバイクを決定するための道のりをめぐる思考の過程だ。

ITさん
ITの人

早い話、全部買ってしまえば良いのだが、実際にはそうもいかない・・・。1台だけ所有するとしたら、実質重量が軽く、風洞データが良く、乗り心地が良いバイクだ。

 

そうすると、キャノンデールのSuper Six EVOかスペシャライズドのTarmac SL8の2台が候補に挙がると思う。実験データ上もバランスが良いTOP2だ。

 

どちらのバイクも良い意味でも、悪い意味でも、無難でハズさない選択だ。変な話なのだが機材のことがよくわからず「何を優先したら良いのかわからない」場合であっても、満足に導かれていくことが見えている。

 

なぜなら、すべてが90点以上の性能でまとまっているからだ。

 

見た目の奇抜さもないため、飽きない。レースで使うにも十分だ。重量も軽くヒルクライムはもちろんのこと、平地メインやアップダウンが多いロードレースまで幅広くカバーできる。

 

このバイクで走りが物足りないとしたら、バイクよりもライダーの能力を疑うべきだろう。

 

では、どちらか1台を選ぶとしたらどうだ。

 

先ほどは「両方とも買う」という逃げの答えにたどり着いたが、これは面白みがない。それぞれ性能は昨今のハイエンドロードバイクにおいてトップクラスだ。S-Works Tarmac SL8とキャノンデール Super Six EVOは本当に甲乙つがたい。

 

住宅ローンで例えるなら変動金利か固定金利、ドラクエで例えるならビアンカかフローラのどちらかと結婚するのか、それと同じくらい悩ませてくれる素晴らしいバイクだ。

 

コンポーネントとしてアッセンブルされているROVALハンドルや、ROVALホイール、スペシャライズドのサドルはレースでの実績や馴染みがあるのも大きい。そして、欲しい人も多く、資産価値が高いから。購入後に売りやすいメリットもある。

 

そこからさらに深く考えていく。付属しているハンドル、ホイール、サドル、コンポーネントのアッセンブル、重量、乗り心地、最後に2025年の価格を加味するとスペシャライズドS-Works Tarmac SL8が総合的に優勢になるのではないか。

 

価格は正直だ。2025年の価格設定をみると、S-Works Tarmac SL8の価格が値上げされず据え置かれたことは大きい。『コスパが良い』というスペシャライズドらしからぬ穴場のバイクといえる。ただし、2025年の間という条件付きだ。来年は値上げされる可能性がある。

 

買い時も含めて2025年はS-Works Tarmac SL8を選択する。

 

わたしなら、以上のような思考をする。結局のところ、思考は一人一人違う。あなたに最適なバイクは、あなたにしかわからないのだ。

最終的には「乗りたいと思えるバイクが最高のバイク」だ。実際にショップや試乗会へ行き、身体で感じる選択こそが最良の道といえる。そのとき、今回の記事が購入への手助けになったら幸いだ。

CYCLE SPORTS (サイクルスポーツ) 2025年 2月号 [雑誌]
Ads Blocker Image Powered by Code Help Pro

広告ブロックが検出されました。

IT技術者ロードバイクをご覧いただきありがとうございます。
皆さまに広告を表示していただくことでブログを運営しています。

広告ブロックで当サイトを無効にして頂き、
以下のボタンから更新をお願い致します。