激安4万円 Magine PES-P505パワーメーターインプレッション! アシオマやSaris H3と比較

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photo: Magene, グロータック

Magine(マージーン) のPES-P505 Base スパイダー型パワーメーターを購入した。

結論から先に述べると、安価ながらパワーメーターとして出来がとてもよく素晴らしい製品だ。評価も★5つだ。PES-P505を買うに至ったのには理由がある。

シマノパワーメーターの測定問題をすっぱ抜いたGPLamaの検証で、PES-P505の測定精度の結果がめちゃくちゃ良かった。そう、シマノパワーメーターよりも測定精度の結果が良かった。さらに、チェーンリングを省いたスパイダーとクランクアームのセットのカタログ重量は650gとあったが、実際に計測すると611gだった。

この611gというのは新型DURA-ACEのFC-R9200-P(610g)とFC-R8100-P(610g)からわずか1グラムだけ重い。それでいて、測定精度の実験結果が良い。価格は43,560円(税込)だ。安価ながらも高精度かつ豊富なクランク長がラインナップされ汎用性の高いシャフト経が24mmだ。

すでにインプレが終わった感じもするが、実際のアシオマとSaris H3とのデーター比較や、Magine PES-P505 Baseはそもそもパワーメーターとして使えるのか。レビューをお届けする。

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Magineって?

Magine(マージーン)は2015年に設立した中国の企業だ。サイクルスポーツ機器のソフトウェアやハードウェアの研究開発、製造、販売まで一貫して行っている。同社の強みは、ソフトウェアとハードウェアの製品を完璧に融合させる技術力にある。

主に電子機器が盛り込まれたスマートローラー、心拍やスピードセンサー、レーダー式テールライト、そして今回紹介するパワーメーターなど優れた商品をリリースしている。

その他にも、高性能なホイールを展開しており、以前当ブログでも紹介したとおりだ。ただ、国内展開はない。理由として考えられるのは、グロータックが展開している手組みホイールと製品がかぶってしまうからだろう。

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PES-P505のスペック

シマノ24mmスピンドルを採用。 photo: Magene, グロータック

  • クランク長:165mm, 167.5mm, 170mm, 172.5mm, 175mm.
  • Qファクター:147mm
  • シャフト経:24mm(シマノクランクと同一)
  • パワーメーター計測:スパイダー型
  • キャリブレーション:マニュアルゼロ、バックペダルゼロ
  • オートキャリブレーション:あり
  • バッテリー:内蔵、USB充電式
  • BCD:4ボルト 110mm
  • 重量:650g(170mm、チェーンリング無し)
  • 計測精度:±1.5%
  • 動作時間:200時間
  • 通信規格:ANT+, Bluetooth
  • 防水等級:IPX7
  • 計測データ:パワー、ケイデンス、左右バランス、ペダルスムーズネス
  • パワーレンジ:0~2500W
  • ケイデンスレンジ:20~200rpm
  • アクティベーション/システム管理/FWアップグレード:Mageneアプリ

PES-P505 BaseはSRMやQUARQと同じスパイダー型だ。4iiii、Stages、パイオニア、シマノのパワーメーターはクランク式に分類される。左右独立したひずみゲージを搭載するパワーメーターとは異なり、スパイダー式はチェーンリングとクランクアームの間でダイレクトにトルクを計測する。

センサーは高精度なひずみゲージと加速度センサーを採用している。インテリジェントな温度補正アルゴリズムを内蔵しており、様々な気象条件と気温でも正確で信頼性の高いパワーデーターを取得できる。

モデル名にもあるPESは、クランク内に3つの中空構造を持った構造で軽量かつ高剛性を実現している。チェーンリングは円形の110mm 4穴のためチェーンリングの世代問わず取り付けが可能だ。シマノクランクはあえて旧型チェーンリングと干渉するように作られているため、最新モデルのチェーンを1世代前のクランクに取り付けることができない。

シャフト径は24mmだ。シマノクランクと同様の規格であるためシマノコンポーネントを使用している場合はそのまま流用できる。防水性能はIPX7だ。雨の日でも安心して使用できる。

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精度:めちゃくちゃ良い

スパイダーphoto: Magene, グロータック

気になるP505のパワー測定精度についてだ。zwiftpower上にFavero Assioma DUOとSaris H3を用いてP505の精度を検証した公開データーがあるので確認してみてほしい。

ZwiftPower - Login
Zwift race results and statistics.
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Zwift race results and statistics.
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Zwift race results and statistics.
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ZwiftPowerのアカウントを持っていない方のために、以下はSARIS H3のERGモードをテストした結果を紹介する。ご覧の通り、3つのパワーメーターはほぼ一致している。

  Favero Assioma DUO Magene P505 Saris H3 – ERG test
Average Power 183.2 watts 184.2 watts(+0.54%) 182.5 watts(-0.38%)  
Normalised Power 203.3 watts 205.3 watts(+0.97%) 203.9 watts(+0.29%)  
Maximum Power 307 watts 312 watts(+1.6%) 305 watts(-0.66%)

適当にフリーライドした場合のデーターは以下の通りだ。

  Favero Assioma DUO Magene P505 Saris H3
Average Power 236.6 watts 239.4 watts(+1.17%) 237.5 watts(+0.38%)  
Normalised Power 239.5 watts 241.8 watts(+0.95%) 240.5 watts(+0.42%)  
Maximum Power 392 watts 408 watts(+3.92%) 413 watts(+5.08%)

最後にZWIFTレースだ。

  Favero Assioma DUO Magene P505  
Average Power 129.3 watts 130.4 watts(+0.84%)  
Normalised Power 183.4 watts 185.4 watts(+1.08%)  
Maximum Power 690 watts 725 watts(+4.83%)  

高性能とされているアシオマなどのペダル型パワーメータと比較検証すると、P505の測定精度はほぼ同一の値を示した。また、GPLamaで細かく検証が行われておりデーターを確認したところ、同様に優れた測定精度の結果だった。パワーの計測精度、ロスの少なさ、スパイクなどのハズレ値などが極端に少ない。

実際に、アシオマや高精度なスマートローラーとの計測差がほとんど無く優れた測定精度に嘘偽りは無いようだ。スパイダーアーム方式のため、どこかのブランドのようにインナーチェーンリングに落とした時にパワーが盛大にブレるという問題もない。

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重量:思ったより軽い

photo: Magene, グロータック

PES-P505が地味に優れているのは重量だ。

  • FC-R9100 4iiii 165mm:513g
  • FC-R9200 4iiii 165mm:569g
  • FC-R8100-P 165mm:610g
  • FC-R9200-P 165mm:610g
  • Margne P505 165mm:611g

チェーンリング抜きの実測重量は、新型R8100やR9200のパワーメーターとほぼ誤差の範囲だ。価格は1/3以下であり、測定精度についt(おや、こんな時間に誰だろう・・・)

バイクの重量を1グラムでも削りたい場合はP505よりも軽いクランクがある。筆者の場合は、FC-R9100 4iiii 165mmの513gからMargne P505 165mmの611gに変更し98g増加したが、この重量増は全く気にならなかった。

実際使ってみると100gの増加はそこまで気にしなくても良いのだなと、勉強になったほどだ。

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価格:安すぎる

こんな事を書いてしまうとお叱りをうけるかもしれないが、AliexpressでMagine PES-P505が売っている。しかし、Aliexpressで買うよりも国内で買うほうが安く、保証も利き、なんなら私が買ったときは楽天スーパーセールでポイントが15倍ついた。

言ってしまえば、国内代理店のグロータックの企業努力の賜物だろう。おそらくそれほど利益が出ていないのではないか。円が弱い今の日本では、AliexpressでPES-P505を買うほうが高くつくのだ。

基本的には値引きされない商品であるため、楽天スーパーセールでポイントをコンボして買うほうが安かった。

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インプレッション

測定精度については、ZwiftPowerとGPLamaのデーターなど複数の条件からみて全く問題がない、というか測定精度が高すぎる。ほぼアシオマだ。測定精度については先に説明した内容に譲るとして、それ以外のP505の気になるポイントを見ていきたい。

これまで100g弱軽いFC-R9100と4iiiiの組み合わせを使用してきたが、重いP505に変更して変化したかと言うと正直なところ違いがわからない。アルミだから剛性感があがっただとか、回転部分が重くなっただとかそういう気の利いたことを書ければよいのだが。

パワーメーターを数多く使用してきたが、使う際にいくつか条件をクリアしたものでないと使わないことにしている。

  • 24mmスピンドルであること
  • Q-Factorが147mm前後であること
  • チェーンリングが干渉しないこと
  • 電池式であること
  • 防水性が高いこと
  • 保守パーツが入手しやすいこと
  • 修理しやすいこと

私はシマノコンポをメインで使用している。そのため24mmシャフトでないとバイクに取り付けられない。実際問題、24mmシャフトを備えたスパイダー式パワーメーターは数が少ないのだ。Infocrank、SRM、Power2Maxぐらいだろうか。ただ最低でも12万以上する。

P505は24mmシャフトを備えた希少種と言えるだろう。また、Q-Factorも147mmとシマノクランクと1mm程度の違いしか無い。シマノクランクを使っている方は違和感がなく使えるというのも嬉しい。

そして、大問題のチェーンリングである。

FC-R9200-PとFC-R8100-Pを両方自腹で買って、正直迷惑しているのであえて書くが、R9200やR8100のクランクはR9100やR8000のチェーンリングが取り付けられない。なぜ下位互換を捨てたのか理解に苦しむ。

P505は4-arm 110mmならどんなチェーンリングでも取り付けられるラウンド型のスパイダーだ。だからいろんなチェーンリングをあれこれ試せる。上記に写っているチェーンリングは今年CXで使用している1500円のナローワイドチェーンリングだ。

「電池式であること」という条件の記載で、おやっ?と思った方がいるかもしれない。私は電池式のパワーメーターを好んで使用している。というのも、電池が切れたら交換するというのは、以外に使い勝手が良い。出先で電池が切れても変えるだけでいい。

充電式は充電時間がかかる。わたしのようにめんどくさがり屋の場合は、朝練習に行くときに突然の充電切れで積んでしまうのだ。充電が待ってられない。

また、充電しているということは充電池を搭載しているということだ。充電池は劣化する。劣化しない充電池なんてものは存在しない。そんなものが存在していたら、iphoneなどのスマホにいまごろ搭載されている。確実に経年劣化していくものなのだ。

だからパワーメーターに充電式は気に入らないのだが、P505は価格を考えて納得できたので購入に至った。これから使っていくうちにどれほど劣化するのかきになるところだが、今のところ9月~11月の3ヶ月で1度も充電していない。

また、パワーメーターは壊れる。壊れなかったのはFC-7800のSRMとパワータップぐらいだ。ほかは全部壊れた。QUARQは米国、Power2MaxはドイツまでESMで送って直してもらった。金属でできたコンポーネントと異なり、電子機器が入った製品は壊れることを覚悟しておいた方がいい。

Di2は日本のシマノで安心して壊れていただいても結構だが、パワーメーターはそうはいかない。P505は国内の代理店でも好印象のグロータックが取り扱っているから安心だ。代理店としてMagineとうまくやりとりもやってくれそうなので期待している。

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充電方式は経過観察が必要

photo: Magene, グロータック

充電方式はマグネットによる充電だ。Macbookのマグネット充電と似ている。ただ、金属部分がむき出しになっているため、サビなどが心配だ。買ったばかりは良いが、これから洗車や雨天で使用してく上で何らかの問題が発生しないか経過観察をする必要がある。

充電ケーブル自体も新型のシマノ充電ケーブルと比べると非常にヤワに感じる。耐久性に不安が残るのは書き残しておこうと思う。

以上、充電のマグネット方式、ケーブルの耐久性は経過観察が必要だ。

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まとめ:安い、使える、高精度

当ブログで「良い中華」という機材シリーズが好評を得ている。今回紹介したPES-P505は良い中華というには失礼なほど性能が良く、細部にわたって良い作り込みだった。センサーとソフトウェアの作り込みの良さは、インナーチェーンリングに落とすと測定誤差が出る某社よりも優れている。

Mageneは比較的歴史が浅いブランドで、SRMやQuarqほど確立されたパワーメーターブランドほど開発経験がない。しかし、同社は顧客、メディア、市場の反応に非常に敏感で、バグや問題を修正するためのファームウェアアップデートのリリースが早いことが評価できる。

ということをふまえてPES-P505の3倍の値付けがされている日本製の機材のほうが、結果的にはパワーメーター本来の意味をなさず、重量も同様という結果に心が痛んだ。今回のレビューから脱線するが、「優れた中華」のPES-P505を見て日本製品の先行きが不安でならない。

デフレと過度な品質強要が好きな日本人は「安い・早い・うまい」が好きだ。機材にも「安い・使い勝手が良い・精度いい」が求められおりPES-P505はその全てをクリアする商品だ。いまこのレベルの製品を日本で生み出すのはコスト的にも無理だろう。

総じて、パワーメーターを買うなら国産のパワーメーターを選ぶよりも中国製Magine PES-P505を選ぶ方がマシだ。マシと言うよりもコスト、品質、精度のバランスを考えてMagine PES-P505は合理的かつ、賢い選択だ。

Magene P505は、予算が限られている人のみならず、ZWIFT用、トレーニング用、なんならメイン用途でも十分対応かのうなコスパに優れたスパイダーパワーメーターだ。標準的なパワー+ケイデンス以外に、L/Rバランスやペダルスムーズネス測定などの高度なデータも得られる。

とはいえ、全方向に満点ではないと付け加えておく。P505は低中速域のパワーでは正確で安定していることがわかった。しかし、スプリントのような高出力はあまり正確ではなく、Assioma DUOから5%ほど乖離していることが読み取れた。小さな欠点はあるものの、手頃な価格のスパイダーパワーメーターをお探しなら、Magene P505は検討する価値がある。

パワーメーターを使ったことがない方から、買い替えまでMagine PES-P505はおすすめできる。買って問題なし。

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