大きな大木の下には、それと同じ位の根が張られている。自分自身の体を支えるために、表に現れている枝葉と同じ位根が張られている。ただ、その根はわたしたちの目の前にはほとんど現れることはない。だから、今眼の前に見えている範囲の中で物事を判断してしまう。
選手の強さもそうかもしれない。今眼の前に見えている範囲はとてつもなく強く見える選手も、見えないところで多大な努力と、苦労を重ねている場合が多い。今そこにある結果として見える範囲は、すべての範囲を見ているわけではない。
根の部分に気づかない人たちは、その強さを「突然変異だ」とか「たまたまか」だとかあまり説明にならない理由をつけて解説する。根の部分が見えていないのだから、説明にならないのは当然だ。しまいには「才能」だったり「天才」という始末だろう。
もしも、わたしたちがその結果としての木の大きさや強さを望むならば、根の部分、あまりお目にかかれない部分を伸ばしていくしかない。春先強い選手は冬の間せっせと根を着実に伸ばしているのだろう。そう考えると、今表向きに表れている結果はまさに、どんな根をはってきたかということに置き換えられる。
春先に納得の行く結果をもたらすためには、根を広く深くそして淡々と這わせていくしかない。本質はいつも目に見えにくく、なかなか表にはでてこない。
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