TREKの新型MADONEと思われるバイクがCriterium du Dauphineでひっそりと(計画的に?)登場した。ハンドルバーやトップチューブには隠すことなく「MADONE」と記されているため、確実に新型MADONEのようだ。
驚くべき構造はこの構造である。
エアロロードといえば、シートステイが下がった「ドロップシートステー」が主流だった。TREK MADONEはさらに一歩踏み込み「ISO FLOW」と名付けられた大きな空洞を施した。おそらく、エアロ効果とシートポストの柔軟性を引き出す狙いがある。
前作のMADONEはISO SPEEDというスライダーを動かすことでシートポストに柔軟性をもたらす構造が採用されていた。
今回の新型MadoneはISO SPEEDを廃止し、その部分を全て取っ払って空洞化した。この構造の簡略化によって軽量化も見込めそうだ。
ラピエールからも似たような形のバイクが登場しているが、新型TREK MADONEのような構造はこれまで見たことがない。空力性能や重量はいまだ不明だが、米国の企業ならば確実に「世界最速」を狙ってくることは間違いない。
世界最速か否か、その手がかりは新UCI規定に準拠しているかだ。緩和された規定により、フレーム設計の自由度が大幅に向上する。その一つの手がかりがフロントフォークだ。スルーアクスル部分から前方向にフォークが翼形状になっている。
これは、CANYON AEROAD CFRよりもさらに太いフォーク形状だ。世界最速のTOP3のバイクどれもが太いフロントフォークを採用している。これからのトレンドになるだろう。
見た目は空力性能が良いのか悪いのか風洞実験をしてみなければわからない。ただ、かなりの細さを備えており確実に空力性能は良さそうにみえる。
ハンドルバーも刷新され、「MADONE ハンドル」が搭載されている。エアロ化にともなってハンドルは非常に重要な部分であり、一体型ハンドルが主流になりそうだ。
BBまわりも大幅にボリュームアップした。BBはT47を踏襲するだろう。ほとんどSPEEDCONCEPTのようなBBまわりは空力性能を追求している証だ。
ヘッドチューブも細く、ホース類も前方から内装するものと思われる。ステム角度はスペーサーで変更できるようにも見える。一体型ステムの弱点を補う施策が施されているのかもしれない。
いまだ公式発表はない。MADONEだと一切語られていない「謎のバイク」である。しかし、形状、ペイントなど既に製品として売りに出しても良い状態にも見えるため近々何かしらの発表があるかもしれない。
エアロロードの第二章、新UCIレギュレーションに準拠した最速のバイクの戦いが始まろうとしている。
前作のMadoneインプレッションは以下を参照してください。
¥3,950