冷静にシマノとパイオニアのパワーメーターを比較したとする。どう考えてもシマノパワーメーターを選択することはデグレード(機能性ダウン)する。ペダリングモニターのペダリング効率は日々のトレーニングに必ず必要だし、ポジションを変えた時に、ペダリング効率を必ず見るから、やはり必要だ。
これらの話は以下の記事にまとめている。
ペダリングモニターを選択する理由と、一世代目に淡い期待をして地雷を多く踏んできた、といういくつもの失敗の選択について少し話す。
危険な一世代目
結論としてはペダリングモニター1択だった。バイククリアランスなどの問題がない限りはシマノパワーメーターを選択する理由が見つからなかった。というわけで、純正シマノパワーメーターよりもしっくりくるパイオニアペダリングモニターを、新型デュラ9100に取り付けた。
この時期、シマノでもペダリングモニターでも選択できるのだが、あえて機能面でデグレードする理由もない。「初のシマノだから珍しい」という理由もあるのだが、電子機器の一世代目(しかもメーカー初の)はどれもこれも地雷だと常々警戒している。それはパイオニアペダリングモニターもしかり、いまやE-tubeプロジェクトと全く互換性の無くなったシマノ初代Di2 7970シリーズと数え上げたらキリがない。
私も違う業界ではあるが、R&Dに携わってきた。一世代目として市場に出ると、ラボではわからなかった様々な問題が出る。細かな改良はできるのだが、大幅なアップデートはなかなかできない。当分は一世代目の利益回収をしなくてはならないので台数が出るまで一世代目を売り続ける(ユーザーには本当に申し訳ないと思いつつも)。
ある程度台数が売れて、設備投資の回収ができ、資金ができれば二世代目だ。一世代目でできなかった様々な改良を盛り込む。二世代目は一世代目を踏み台にして完成度を上げてくる。それが今の安定したパイオニアペダリングモニターだ。電子機器機の一世代目は経験しているほとんどが地雷だった。
地雷を踏んだ経験は、どちらかというと規模の小さい自転車業界というよりは自分が生きてきた、情報産業だったり電子機器の世界だったりする。
申し訳ないのだけど、いままで消費者として期待して買ってたけど良い物はほとんどなかった。私はコンポは絶対的にシマノ場合を信頼している。しかし昔「フライトデッキ」を期待して買ったのだけど、、、あとは皆さんのお察し通り。黒歴史だ。
というわけで、いまのペダリングモニターのシステムに満足しているのであえてシマノにデグレードしてまで冒険する必要もない。昔流行った「パワータップとペダリングモニター着けて精度比較」なんてのも(懐かしい話だ)、もはや過去の話だ。そんな話題はもはや時代遅れである。
シマノだから信用できるのは間違いない。それはドライブトレイン系はたしかにそうである。しかし、こと一世代目の電子機器であるという点については、あえてパイオニアから変えるものほどでもないというのが明確な理由だ。
市場がどこまで、何を求めているのかは定かではないが、少なくとも私はペダリングモニターの歩んできた軌跡と、ソフト面、ハード面の開発スピードの速さが気に入っている。そして、素早いアップデート、シクロスフィアの細かすぎて(つたわってないかもしれない)逆に選手がついていけていない機能追加と。
私はパワーメーターはハードも重要なのだか最後はソフトウェアだと思っている。デバイス(ひずみゲージ)は両者とも外注だろう。東京測器とかの。だからチューニング部分、それらに関わるソフト面でどんな新機能を追加できるか。
「パソコンもソフト無ければタダの箱。」
今後のパワーメーターの戦いは、ソフト面(解析、分析、統計)とよりユーザーのトレーニングや体験を豊かにする方向へシフトしていくと私は予想する。それらの戦いに生き残るのはどちらか。私はその一歩目をパイオニアペダリングモニターと共に歩むことを、決めた。
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