海外でプロ機材を専門に下取りし再販売する店舗で、INEOS Grenadiersが実際にレースで使っている「INEOS Grenadiers Race Drink 40 Unflavoured」が少量販売されていのを発見した。その成分を確認すると、SIS製造ながらも市販品とは全く異なるレースドリンのようだ。
市販品のパッケージとは全く異なり、アルミパウチに簡素な成分ラベルが貼られただけのパッケージは無印良品さながら、まさしく売ることを目的としていない製品だ。記載されている中身を確認したところ、昨今メジャーなデュアルソース飲料であることがわかる。
- INEOS グレナディアーズ・レースドリンク 40 無香料
- 原材料: マルトデキストリン(トウモロコシ由来)、果糖、クエン酸ナトリウム、マグネシウム
- 栄養: 脂肪 0g、そのうち飽和脂肪酸0g、炭水化物 40g、タンパク質 0g、塩分 0.24g、1サーブあたりのナトリウム 1人前100mg カリウム 60mg、マグネシウム 1食あたり10mg
- 水500mlに対して42gを溶かして使用する。
当ブログでもデュアルソース飲料について何度も取り上げてきた。最近主流になっているドリンクで、炭水化物の吸収効率をブーストできる。仕組みを要約すると、たとえばグルコースだけを摂取した場合は「SGLT1」輸送体を使うことになる。
あわせてフルクトースも摂取すると、もうひとつの輸送体である「GLUT-5」を活用する。結果、2経路より多くの糖質が体内に運ばれる。グルコース用の「SGLT1」、フルクトース用の「GLUT-5」という別々の輸送体をそれぞれ効率的に使いましょう、という仕組み(マルチトランスポート法)だ。
SISの商品でBeta FUELという商品があるが、INEOSは全く同じ製品を使用していないようだ。ノンフレーバーであり、配合も異なっている。しかしながら、マルチトランスポート法を活用した補給戦略を実際のレースでも行っていることは確かなようだ。
プロはこれまで市販品を使用していると思っていたが、実際のレース現場では味も匂いもない「ただの燃料」を使用しているようだ。補給ひとつにも過酷なロードレースの現場が垣間見れる。
デュアルソース飲料や、実際の作り方は過去の記事を参照してください。